大丸ヴィラは、烏丸通丸太町上ル西側に建つイギリス風の洋館
11代 大丸百貨店主 下村正太郎の旧邸で「下村ハウス」とも称される
W・M・ヴォーリズの設計によるイギリスのチューダー様式で「中道軒(ちゅうどうけん)」とも称される
「旧下村家住宅洋館」として重要文化財に指定されている
ほぼ純粋なチューダー様式といわれ、緻密さと正確さを持ち、日本では珍しく貴重なもの
<旧下村家住宅洋館(重要文化財)>
「ハーフティンバーの外観が美しいチューダー様式の重厚な洋館」
鉄筋コンクリート造、3階建、地下1階、スレート葺
建築面積 511.54m2
設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
施工:清水組
1932年(皇紀2592)昭和7年の建立
2025年(皇紀2685)令和7年8月27日 重要文化財に指定される
「チューダー/チュードル様式」から「中道軒(ちゅうどうけん)」とも称せられる
外観は、太い木製の柱枠を貼り付けて見せる美しいハーフティンバー
(ハーフティンバー:柱・梁・筋違などの骨組みを外に見せ、間に煉瓦・土・石を入れて壁にしている)
煉瓦積の煙突が林立する急勾配の屋根をスレートで葺く
泰山製陶所(南区東九条)製造の泰山タイルが用いられている
煉瓦塀に南北に門戸がある
内部は、1階の広間・居間・食堂、2階の階段室や会議室などに格調高く重厚な装飾が施されている
階段には、ねじれ棒状の手すりがつく
天井は、白漆喰で仕上げられた幾何学模様になっている
内部1階
ホールにマントルピースを設置
居間には、リネンフォード(リネンを織った図柄の浮彫り)の木製パネル、
鉛の組子の窓、ステンドグラス、サンルームがある
食堂には、マントルピースを設置
2階には、寝室、書斎、子ども室、女中室などがあった
<庭園>
イギリスの古典主義の庭園
主庭園に西洋風井戸、日時計、陶製のアーン(壺)などが置かれている
<家具66点>
チューダー様式の家具
配置も設計者ヴォーリズの指導によるもの
建物と一体のものとして京都市登録文化財に追加指定される
<チューダー様式>
イギリスのチューダー王朝時代 (1485-1603年)の
ヘンリー7世からエリザベス1世の頃の美術・建築・装飾様式
伝統的なゴシック様式に、イタリア・ルネサンスの装飾的要素が加わっている
後期ゴシックの様式であり、垂直的な効果を特色にしている
木組みの梁・柱に漆喰・煉瓦の壁をもつ世俗的な建築でもある
<地下鉄 丸太町駅>
駅の出入口のデザインが、大丸ヴィラの塀のデザインと合わせられている