藤井有鄰館(ふじいゆうりんかん)
(Fujii Yuurinkan) 京都通メンバ
正式名称:藤井斉成会有鄰館(ふじいさいせいかいゆうりんかん)

所在地:京都市左京区岡崎円勝寺町 
   名所地図情報名所

通称:藤井有鄰館(ふじいゆうりんかん)

開館:1926年(皇紀2586)大正15年10月29日

所蔵:国宝1件、重要文化財9件、他

運営:公益財団法人 藤井斉成会

 藤井有鄰館(ふじいゆうりんかん)は、岡崎にある、中国の古美術が中心の私立美術館

 岡崎の京都国立近代美術館琵琶湖疏水(岡崎疏水)の向かい側の中国風建物

 国宝1件、重要文化財9件を含む
 中国 清代頃の中国民族遺産である絵画・書物・仏像・青銅器・陶磁器・古印などを所蔵している

 日本の私立美術館としては、公益財団法人大倉文化財団 大倉集古館に次いで2番めに古いといわれる

【藤井有鄰館の歴史・経緯】


【藤井斉成会有鄰館】

 <藤井斉成会有鄰館第一館(京都市登録有形文化財)>
 仁王門通りに面して建つ和洋中の折衷の建物
 設計者:武田五一
 鉄筋コンクリート3階建・地下1階、陸屋根造、セセッション風の意匠
 延床面積:1,264m2
 屋上東側に、中国から移築された朱塗りの八角堂がある
 オレンジの屋根瓦は、乾隆年製の黄釉瓦3万6000枚
 瓦葺の屋根庇は中国風
 北東の角にバルコニーがある
 玄関は、石段を登った一段高い位置にあり、レリーフで飾られたアーチが囲んでいる
 1926年(皇紀2586)大正15年の建立

 1階の展示室には、古代の石仏・宋代の木彫仏など
 2階の展示室には、古代の青銅器など
 3階の展示室には、乾隆帝に関する品々など


 <藤井斉成会有鄰館第二館(登録有形文化財)>
 第一館の背後に建つ
 木造2階建、鉄板葺
 建築面積:250m2
 設計者:寺生元彦
 登録年月日:2000年(皇紀2660)平成12年2月15日
 1912年(皇紀2572)大正元年から1925年(皇紀2585)大正14年
 大蔵大臣用の宿泊所として、金沢市の横山鉱業部洋館として建築される
 1928年(皇紀2588)昭和3年
 昭和天皇御大典のときに移築される

 <藤井斉成会有鄰館収蔵庫(登録有形文化財)>
 第二館の北側、第一館との間に建つ
 木造2階建、瓦葺
 建築面積58m2
 設計者:寺生元彦
 登録年月日:2000年(皇紀2660)平成12年2月15日
 取毀材を用いて新築され、外壁には同じ仕様の白タイルが張られている
 2階には床と棚が設えられている
 1928年(皇紀2588)昭和3年
 第二館と一体のものとして建てられた


【藤井有鄰館の主な収蔵品】

 国宝1件、重要文化財9件を含む
 中国 清代頃の中国民族遺産である絵画・書物・仏像・青銅器・陶磁器・古印などを所蔵している

 <春秋経伝集解(しゅんじゅうけいでんしっかい)巻第二残巻一(国宝)>
 西晋の杜預が著した春秋経と左氏伝の注釈書「春秋経伝集解」全30巻のうち巻二と巻一の断簡
 唐代の写本


 <絹本淡彩 毛詩大雅蕩之什図(もうしたいがとうしじゅうず)(重要文化財)>
 中国 南宋時代の伝馬和之の筆

 <絹本墨画 秋山蕭寺図(しゅうざんしょうじず)(重要文化財)>
 中国 北宋時代の伝許道寧の筆

 <紙本墨画 幽竹枯槎図(ゆうちくこさず)(重要文化財)>
 中国 金時代の王庭筠の筆

 <銅造 菩薩立像(重要文化財)>
 中国 五胡十六国時代の作

 <石造 金剛力士立像2躯(重要文化財)>
 天龍山の石窟第8洞の入口に立っていたという石窟仏
 隋時代 584年(開皇4年)のもの

 <石造 菩薩及両脇侍立像3躯(重要文化財)>
 三尊菩薩立像
 台座框に河清3年の銘がある
 北斉時代 564年(河清3年)のもの

 <石造 弥勒仏及両脇侍立像3躯(重要文化財>
 台座正面に東魏天平2年の銘がある
 東魏時代 535年(天平2年)のもの

 <張即之書李伯嘉墓誌銘1基(重要文化財)>
 中国 南宋時代のもの

 <朝鮮通信使関係資料1基(重要文化財)>
 朝鮮国書2通、徳川将軍返書控(金銀箔料紙)6通
 朝鮮国東莱府使書契1通 附 朝鮮国礼曹参議書契3通


 <カンニング用下着>
 丈134cm
 四書五経と、その注釈60万字を細かい楷書で表裏全面に記されている
 中国 官僚登用の科挙試験のときに受験生が使用したものといわれる

 <石造 狻猊(さんげい)1対>
 六朝時代のもの

 <石造 菩薩頭部>
 雲崗第19窟にあった石仏

 <壁画>
 明時代の寺院の壁画が、そのまま剥がされて移されてきている

 <ヌルハチ螺鈿寝台>
 清朝 初代皇帝 ヌルハチが用いたベッド
 箱状で、すべての面の内外に螺鈿の文様が入っている

 <流金龍鈕乾隆帝印>
 中国 清の第6代皇帝 乾隆帝が使用した御璽(印)

 <乾隆帝龍袍(りゅうほう)>
 乾隆帝が公務で着用した龍の模様が施された袍(上着)
 真珠やビーズの玉が縫いつけられている

【藤井有鄰館へのアクセス】

 市バス 東山仁王門 徒歩約3分
 市バス 岡崎公園美術館・平安神宮前 徒歩約5分
 地下鉄 東西線 三条駅 徒歩約10分
 京阪電車 三条駅 徒歩約10分


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