藤井有鄰館(ふじいゆうりんかん)は、岡崎にある、中国の古美術が中心の私立美術館
岡崎の京都国立近代美術館の琵琶湖疏水(岡崎疏水)の向かい側の中国風建物
国宝1件、重要文化財9件を含む
中国 清代頃の中国民族遺産である絵画・書物・仏像・青銅器・陶磁器・古印などを所蔵している
日本の私立美術館としては、公益財団法人大倉文化財団 大倉集古館に次いで2番めに古いといわれる
<藤井斉成会有鄰館第一館(京都市登録有形文化財)>
仁王門通りに面して建つ和洋中の折衷の建物
設計者:武田五一
鉄筋コンクリート3階建・地下1階、陸屋根造、セセッション風の意匠
延床面積:1,264m2
屋上東側に、中国から移築された朱塗りの八角堂がある
オレンジの屋根瓦は、乾隆年製の黄釉瓦3万6000枚
瓦葺の屋根庇は中国風
北東の角にバルコニーがある
玄関は、石段を登った一段高い位置にあり、レリーフで飾られたアーチが囲んでいる
1926年(皇紀2586)大正15年の建立
1階の展示室には、古代の石仏・宋代の木彫仏など
2階の展示室には、古代の青銅器など
3階の展示室には、乾隆帝に関する品々など
<藤井斉成会有鄰館第二館(登録有形文化財)>
第一館の背後に建つ
木造2階建、鉄板葺
建築面積:250m2
設計者:寺生元彦
登録年月日:2000年(皇紀2660)平成12年2月15日
1912年(皇紀2572)大正元年から1925年(皇紀2585)大正14年
大蔵大臣用の宿泊所として、金沢市の横山鉱業部洋館として建築される
1928年(皇紀2588)昭和3年
昭和天皇御大典のときに移築される
<藤井斉成会有鄰館収蔵庫(登録有形文化財)>
第二館の北側、第一館との間に建つ
木造2階建、瓦葺
建築面積58m2
設計者:寺生元彦
登録年月日:2000年(皇紀2660)平成12年2月15日
取毀材を用いて新築され、外壁には同じ仕様の白タイルが張られている
2階には床と棚が設えられている
1928年(皇紀2588)昭和3年
第二館と一体のものとして建てられた
国宝1件、重要文化財9件を含む
中国 清代頃の中国民族遺産である絵画・書物・仏像・青銅器・陶磁器・古印などを所蔵している
<春秋経伝集解(しゅんじゅうけいでんしっかい)巻第二残巻一(国宝)>
西晋の杜預が著した春秋経と左氏伝の注釈書「春秋経伝集解」全30巻のうち巻二と巻一の断簡
唐代の写本
<絹本淡彩 毛詩大雅蕩之什図(もうしたいがとうしじゅうず)(重要文化財)>
中国 南宋時代の伝馬和之の筆
<絹本墨画 秋山蕭寺図(しゅうざんしょうじず)(重要文化財)>
中国 北宋時代の伝許道寧の筆
<紙本墨画 幽竹枯槎図(ゆうちくこさず)(重要文化財)>
中国 金時代の王庭筠の筆
<銅造 菩薩立像(重要文化財)>
中国 五胡十六国時代の作
<石造 金剛力士立像2躯(重要文化財)>
天龍山の石窟第8洞の入口に立っていたという石窟仏
隋時代 584年(開皇4年)のもの
<石造 菩薩及両脇侍立像3躯(重要文化財)>
三尊菩薩立像
台座框に河清3年の銘がある
北斉時代 564年(河清3年)のもの
<石造 弥勒仏及両脇侍立像3躯(重要文化財>
台座正面に東魏天平2年の銘がある
東魏時代 535年(天平2年)のもの
<張即之書李伯嘉墓誌銘1基(重要文化財)>
中国 南宋時代のもの
<朝鮮通信使関係資料1基(重要文化財)>
朝鮮国書2通、徳川将軍返書控(金銀箔料紙)6通
朝鮮国東莱府使書契1通 附 朝鮮国礼曹参議書契3通
<カンニング用下着>
丈134cm
四書五経と、その注釈60万字を細かい楷書で表裏全面に記されている
中国 官僚登用の科挙試験のときに受験生が使用したものといわれる
<石造 狻猊(さんげい)1対>
六朝時代のもの
<石造 菩薩頭部>
雲崗第19窟にあった石仏
<壁画>
明時代の寺院の壁画が、そのまま剥がされて移されてきている
<ヌルハチ螺鈿寝台>
清朝 初代皇帝 ヌルハチが用いたベッド
箱状で、すべての面の内外に螺鈿の文様が入っている
<流金龍鈕乾隆帝印>
中国 清の第6代皇帝 乾隆帝が使用した御璽(印)
<乾隆帝龍袍(りゅうほう)>
乾隆帝が公務で着用した龍の模様が施された袍(上着)
真珠やビーズの玉が縫いつけられている