古都保存法(ことほぞんほう)(Low of Koto Hozon)

正式法名:古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法

制定:1966年(皇紀2626)昭和41年1月13日法律第1号

所管:国土交通省

 古都保存法(ことほぞんほう)は、京都、奈良、鎌倉など世界に誇れる古都のすぐれた歴史的風土を
急速な都市化による破壊から守り、貴重な歴史的、文化的資産を後世の国民へ末永く継承させるべき
特別の立法措置を講じるように、地方公共団体から国会、政府に対し要望が行われ、
議員立法で古都保存法が制定された

【古都保存法の概要】

 <第1条 目的>
 この法律は、わが国固有の文化的資産として国民がひとしくその恵沢を享受し、
後代の国民に継承されるべき古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定め、
もつて国土愛の高揚に資するとともに、ひろく文化の向上発展に寄与することを目的とする

 <第2条 定義>
 この法律において「古都」とは、わが国往時の政治、文化の中心等として歴史上重要な地位を有する
京都市、奈良市、鎌倉市および政令で定めるその他の市町村をいう

 この法律において「歴史的風土」とは、わが国の歴史上意義を有する建造物、
遺跡等が周囲の自然的環境と一体をなして古都における伝統と文化を具現し、
および形成している土地の状況をいう

 <第3条 国及び地方公共団体の任務等>

 <第4条 歴史的風土保存区域の指定>
 国土交通大臣は、関係地方公共団体および社会資本整備審議会の意見を聴くとともに、
関係行政機関の長に協議して、古都における歴史的風土を保存するため
必要な土地の区域を歴史的風土保存区域として指定することができる

 <第5条 歴史的風土保存計画>
 国土交通大臣は、当該歴史的風土保存区域について、歴史的風土の保存に関する計画を決定しなければならない

 <第6条 歴史的風土特別保存地区に関する都市計画>
 歴史的風土保存区域内において、歴史的風土の保存上、当該歴史的風土保存区域の
枢要な部分を構成している地域については、歴史的風土保存計画に基づき、
都市計画に歴史的風土特別保存地区を定めることができる

 <第7条 歴史的風土保存区域における行為の届出>
 歴史的風土保存区域において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、
あらかじめ府県知事にその旨を届け出なければならない
 1 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
 2 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
 3 木竹の伐採
 4 土石の類の採取
 5 その他、政令で定めるもの

 <第8条 歴史的風土特別保存地区における行為の制限>
 歴史的風土特別保存地区においては、次の各号に掲げる行為は、府県知事の許可を受けなければしてはならない
 1 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
 2 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
 3 木竹の伐採
 4 土石の類の採取
 5 建築物その他の工作物の色彩の変更
 6 屋外広告物の表示または掲出
 7 その他、政令で定めるもの

 第9条 損失の補償
 第10条 行為の禁止又は制限に関する他の法律の適用
 第11条 土地の買入れ
 第12条 買い入れた土地の管理
 第13条 歴史的風土保存計画の実施に要する経費
 第14条 費用の負担及び補助
 第15条 (削除)
 第16条 社会資本整備審議会の調査審議等
 第17条 (削除)
 第18条 報告、立入調査等
 第19条 大都市の特例
 第20〜24条 罰則

【古都保存法に基づく古都】

 「古都」とは、往時の政治、文化の中心などとして歴史上重要な地位を有する都市

 京都市、奈良市、鎌倉市
 その他、政令において定めらる都市として
 天理市、橿原市、桜井市、斑鳩町、明日香村、逗子市

歴史的風土保存区域

 国土交通大臣により、歴史的風土保存区域が指定され、歴史的風土保存計画が策定される

 府県知事(政令市では市長)より、歴史的風土保存計画に基づき、歴史的風土保存区域に、
都市計画により、特に歴史的に意義が高く景観上も重要な地区「歴史的風土特別保存地区」が定められる

 京都では、
 歴史的風土保存区域が、14区域、約8,513ha
 その区域の中から、
 歴史的風土特別保存地区が、24地区、約2,861haが定められている

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