土宮(つちのみや)は、伊勢神宮の豊受大神宮(外宮)の境内別宮
外宮正宮の南の檜尾山(ひのきおやま)の麓にあり、正宮から御池の真向かいの杉木立の中に立つ
別宮とは正宮の「わけみや」の意味で、正宮に次ぎ尊いとされ、外宮の4つの別宮の中では、
土宮は多賀宮に次ぎ古く、多賀宮・月夜見宮に次ぎ3位とされる
<大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)>
外宮のある山田原の地主の神
現在の伊勢市の西を流れる宮川は、治水技術もが発達していない当時、氾濫が頻繁に起こっていたといわれ
洪水になれば、外宮の祭祀にも支障をきたす場合があり、宮川治水・堤防の守護神とされる
外宮正宮の南方の檜尾山(ひのきおやま)の麓にある
正宮前の御池の亀石を渡った先の石段の左に風宮が、右に土宮がある
<本殿>
外宮に準じた様式
萱葺・神明造・外削の千木・奇数の5本の鰹木を持つ
神宮の宮域の他の別宮は鳥居を持たず南面しているが、土宮だけは鳥居を持ち東面している
1135年(皇紀1795)保延元年
別宮となり造営されるときに、朝廷において、南面とするかどうか十分検討され御卜まで行われたといわれる
結果、外宮創建以前からの形態を継承することとされる
<古殿地>
遷宮のための敷地
通常は東西に並ぶが、土宮は南北に近い
<亀石>
正宮から別宮へ向かうときの御池の川のかかる橋
一枚岩で、亀に似ている
高倉山の天岩戸の入口の岩を運んできたものといわれる
外宮正宮に準じた祭事が行なわれる
祈年祭・月次祭・神嘗祭・新嘗祭のときには、皇室からの幣帛(へいはく)がある
ただし、勅使は正宮と多賀宮のみに参行し、土宮には参行されない
<山口祭>
式年遷宮の最初の祭事
新社殿の用材を切り出すにあたって「山の口に坐す神」に安全を祈願する祭事
御杣山であった高倉山の山口に当たる土宮の前の庭で行われる