延喜式(えんぎしき)は、「養老律令」の施行細則(格式)が集大成された法典
三代格式のうち、唯一ほぼ完全な形で残っている
根本法令となる「養老律令」は、形式的には明治維新まで存続した
この中に、全国の式内社の神社を記載した神名帳が収録されている
既に存在していた「弘仁式」「貞観式」を併合されたといわれ
三代格式(弘仁式・貞観式・延喜式)のうち、唯一ほぼ完全な形で現在に残っている
延喜式には、伝統工芸に関わるものも詳細に記載されている
<構成>
全50巻、約3,300条
1〜10巻:「神祇式」
神祇官に関わる施行細則が記載されている
巻1・巻2:定例祭 (通称:四時祭、四時祭式など)
巻3:臨時祭 (通称:四角祭・四角祭式、四境祭・四境祭式、四角四堺祭など)
巻4:大神宮
巻5:斎宮
巻6:斎院
巻7:踐祚大嘗祭
巻8:祝詞
巻9・巻10:神名帳 (通称:延喜式神名帳)
11〜40巻:太政官八省に関わる施行細則
巻21:治部省関係、山陵について記する諸陵式も記載されている
巻22・23:民部省関係、全国の地名が記されている
巻24・25:主計寮関係、全国への庸・調・中男作物の割り当て等、全国の農産物、漁獲物、特産物が記されている
巻28:兵部省関連、諸国駅伝馬条には五畿七道の402ヶ所の宿駅の名称と、備えるべき駅馬や伝馬の数が記載されている
41〜49巻:その他の官司に関わる施行細則
50巻:雑式
「延喜式」の原本は現存しない
<東京国立博物館所蔵本(国宝)>
平安時代中期のもの
残されている最古の写本
九条家に伝来したもの
<金剛寺所蔵の三巻>
大阪府河内長野市天野町
平安時代末期のもの
巻12の一部、巻14、巻16