ヒオウギ(檜扇)(Belamcanda)

アヤメ科アヤメ属

分類:多年草(常緑)

英名:Leopard flower
学名:Iris domestica

原産地:日本、東アジア~南アジア
分布:本州・四国・九州

高さ:35~120cm
横幅:40~60cm

開花:7月~8月
直径:5~6cm
花色:オレンジ・黄・ピンク・赤・紫・白など

別称:烏扇(からすおうぎ)・桧扇・日扇

 ヒオウギ(檜扇)は、山野の草地や海岸に自生するアヤメ科アヤメ属の多年草

 葉は長く扇状に広がり、宮中で持つ檜扇に似ていることから名付けられたといわれる

 夏に、まだら模様の入ったオレンジ色の花を咲かせる

【ヒオウギ(檜扇)】

 日本の山野などにも自生する丈夫な多年草

 扇状に広がった細長く重なり合った葉から、夏にまだら模様の入ったオレンジ色の花を咲かせる

 花は、花茎を伸ばし、数輪ずつ咲かせる

 午前中に咲き、夕方にはしぼむ一日花である

 花色は、オレンジ色が多いが、黄色やピンク、赤、紫、白などの花を咲かせる種類もある


 <種>
 花の後に袋状の大きなさやができ、熟すと割れて、中から5mmくらいの黒い種が出てくる
 種はしばらく落ちずに残るため、ユニークな花材として用いられる

 種がブラックベリーに似ていることから「ブラックベリー・リリー」とも称される

 タネが黒いことから、別名「烏扇(からすおうぎ)」と称される


 <生け花>
 7月初旬の代表的な花材

 厄除けの花とされ、祇園祭や大阪の天神祭では、床の間や軒先に飾る花として用いられる


 <栽培>
 日当たりと水はけのよい場所が適地
 とても丈夫な花


 <花言葉>
 「誠意」「個性美」

【その他】

 <生花>
 ほとんどが徳島県神山町産
 1955年(皇紀2615)昭和30年からヒオウギの生産が始まり1970年代前半には70軒が栽培して最盛期だった
 2016年(皇紀2676)平成28年には10軒のみの生産している


 <和菓子「烏羽玉(うばたま)」>
 ヒオウギの実を模したもの
 丸めた餡を求肥で包んで砂糖をかけたものや、黒砂糖の漉し餡に寒天をかけたものなどがある


 <和歌
 ヒオウギの黒い種子は、射干玉(ぬばたま)・烏羽玉(うばたま)・烏玉・烏羽玉・野干玉・夜干玉などと称される

 和歌では、黒に関連ある夜・夕・髪などにかかる枕詞として用いられる

 「ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木(ひさぎ)生(お)ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く」万葉集 山部赤人

 「ぬばたまの 夜さり来れば 巻向(まきむく)の 川音(かはと)高しも 嵐かも疾(と)き」万葉集 柿本人麻呂

 「茜(あかね)さす 昼は物思(も)ひ ぬばたまの 夜はすがらに 哭(ね)にみし泣かゆ」万葉集 中臣朝臣宅守


【京都検定 第21回1級】

[インデックス]


京都通メンバページ


フェイスブックでシェア LINEで送る

[目次]


[関連項目]


[協賛リンク]



[凡例]

赤字
 京都検定の出題事項
 (過去問は下段に掲載)

ピンク
 京都検定に出題された
項目へのリンク

青色紫色
 関連項目へのリンク