ナデシコ(撫子)(なでしこ)(Dianthus)

分類:ナデシコ科ナデシコ属

様態:常緑性・多年草

学名:Dianthus

花期:3月~11月

花色:緋紅色・ピンク・紫桃色・白・黄・複色・黒など

草丈:0.1~0.6m

別称:蘧麦(きょばく)

秋の七草の一つ(カワラナデシコ)

京都府の花草

 ナデシコ(撫子)(なでしこ)は、ナデシコ科ナデシコ属の植物の総称

 カワラナデシコは秋の七草の一つとされ、和歌などで「撫でし子」を掛詞にされる

 鴨川の河原に「カワラナデシコ」が自生し、3月から11月にかけて京都を彩る

 嵯峨ぎくとともに「京都府の花草」

【ナデシコ(撫子)】

 ナデシコ属は、北半球の温帯域を中心に約300種が分布する

 原産地:ヨーロッパ・北アメリカ・アジア・南アフリカ

 多年草の常緑性で、耐寒性・耐暑性にも強い

 中国でセキチクが園芸化され、平安時代に日本に渡来したといわれる

 「なでしこ」から「撫でし子」とされ、子どもや女性にたとえられ、和歌などに多く登場する


 <カワラナデシコ >
 単に「ナデシコ」「ヤマトナデシコ」と称される

 花期が3月から11月にかけて長く「常夏(とこなつ)」とも称された

 鴨川の河原に自生し、嵯峨ぎくとともに「京都府の花草」とされる


 <エゾカワラナデシコ>
 カワラナデシコの基変種
 本州中部以北に分布する

 <ヒメハマナデシコ>
 九州、沖縄、本州と四国の一部に分布し、日本のみに自生する日本固有種

 <シナノナデシコ>
 本州中部に分布し、日本のみに自生する日本固有種
 別名「ミヤマナデシコ」

 <イセナデシコ(伊勢なでしこ)>
 日本のカワラナデシコと中国のセキチクとの交配から生まれたといわれる
 下垂する裂けた花弁が特徴
 花色は個体によりさまざま

 <ハマナデシコ>
 本州以西に分布する
 別名「フジナデシコ」

 <タカネナデシコ>
 高山に分布し、本州中部以北と北海道の高山帯に分布する

 <ダイアンサス(Dianthus)>
 園芸品種の総称、本来はナデシコ属の学名
 常緑性で耐寒性も強く、ほぼ周年にわたって観賞できる

【和歌】

 奈良時代末期
 万葉集
 秋の景物とされていた
 「愛しみ 我が思ふ君は なでしこが 花になそへて 見れど飽かぬかも」大伴家持(巻二十)

 「野辺見れば なでしこが花 咲きにけり 我が待つ秋は 近付くらしも」読人しらず(巻十)


 平安時代中期
 枕草子
 「草の花はなでしこ 唐のはさらなり やまともめでたし」


 平安時代中期
 源氏物語26帖「常夏(とこなつ)」
 「なでしこの とこなつかしき 色を見ば もとの垣根を 人やたづねむ」
 「山がつの 垣ほに生ひし なでしこの もとの根ざしを たれかたづねん」

 「常夏」を妻や恋人、「撫子」を幼児の象徴として使い分けされていたとされる

【名所】

 鴨川の河原

 宝鏡寺


【京都検定 第23回3級】

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