丹後とり貝(たんごとりがい)

丹後とり貝(たんごとりがい)は、丹後の内海で丁寧に育成されたとり貝で、京のブランド産品の一つ

【丹後とり貝の歴史・経緯】

【丹後とり貝】

 <養殖技術>
 京都府立海洋センターにより、養殖技術が開発され実用化された

 京都府立海洋センターで、種苗(稚貝)を人工ふ化させ
 成貝の出荷を終えた7月下旬ぐらいから
 水道水のろ過材にも使用されるアンスラサイトという砂状の無煙炭の底質を敷いたコンテナに
 1cmくらいに育った幼貝を約100個ほど入れて、
 内湾(舞鶴湾、宮津湾、栗田湾、久美浜湾)のいけすの海中に吊り下げる

 1ヶ月ごとにコンテナを引き上げて、成長に合わせてコンテナ内のとり貝の数を減らし、
 アンスラサイトイトをきれいに掃除する作業を続け
 約1年かけて、殻付重量100g以上に大きく成長させる

 海中のプランクトンの多い海中で育ち、泥の中で育つ天然物より、大きく甘く育つ

 天敵のタコやヒトデから守られることで、安定して供給されるようになった

 この技術で育成されたとり貝は宮津市や、舞鶴市の漁業者のもとで育成・生産拡大に取り組まれている

 丹後とり貝に付く年輪のような障害輪は、コンテナを定期的に揚げてきれいに掃除をするたびに付くもので
手入れが行き届いている証拠とされ、天然物にはこの年輪は付かない


 <丹後とり貝の特徴>
 大きいものでは殻長(殻の直径)が10cm程、殻付重量100g以上に成長する
 (一般的には7cmほど)

 肉厚で、歯応えが良く、独特の甘みがある

 <旬>
 出荷は、6〜7月頃

【とり貝】

 丹後の舞鶴湾、栗田湾、宮津湾は、大型天然とり貝の優良漁場

 ホタテやアサリと同じ二枚貝の仲間で、寿司だねとしても利用される高級貝

 高水温に弱く、水温が高くなると抵抗力が低下し、環境の影響により死亡してしまうため、夏を迎える前に漁獲される

 <名前の由来>
 黒い足が貝殻から伸びた状態が、鳥のくちばしのような形をしていることからといわれる

 <形状>
 貝殻は、膨らんで丸みをおびている
 貝殻の表面には放射状に40本程の溝(放射肋)があり、その線に沿うように短い毛が生えている

 <生態>
 水深数mから数十mのプランクトンが豊富に生息している内湾の泥地に生息している

 産卵期は、春と秋の年2回

 寿命は約1年
 丹後では、夏を越えて2年近く生育する

 成体では、7〜10cm程の大きさに成長する

 <産地>
 舞鶴、宮津のブランド品、伊勢湾や三河湾、東京湾も産地となっている

 旬は、6月中旬〜7月中旬

 <栄養価>
 低カロリーの健康的な食材
 ウィルスや細菌に免疫力を高める効果がある水溶性ビタミンのビタミンB12
 悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を予防するパントテン酸も多く含まれている

 <食べ方>
 湯引きをして刺身とされたり、素焼きされる
 相場は、1個1000円前後、小ぶりなもので500円前後、大型のもので1500円〜2000円

 <桃の節句料理
 雛祭には、ばら寿司、蜆(しじみ)や蛤(はまぐり)などの貝料理や
 とり貝と赤貝のてっぱい(てっぽう和え)を食べる習慣がある


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