長楽館(ちょうらくかん)は、「煙草王」と称された明治時代の実業家 村井吉兵衛が、
円山公園の一角に建てた大規模な洋館の別荘
国内外の賓客をもてなす迎賓館として用いられていた
明治時代後期における和洋折衷の住宅建築の代表例
ルネサンス・ロココ・セセッション様式をなど西洋の諸様式、中国風の意匠、書院造や茶室など、
各室の性格に応じ使い分けた多様な内部意匠と、凝った内装デザインや家具30点などが施されている
「長楽館」の名称は、伊藤博文が宿泊した時に名付けられた
家具30点を含めて、京都市指定有形文化財に指定されている
「旧村井家別邸」として1棟が、重要文化財に指定されている
<旧村井家別邸(長楽館)1棟(重要文化財)>
煉瓦造、建築面積437.24m2、三階建、地下一階、スレート葺
1909年(皇紀2569)明治42年6月に竣工
設計・工事監督:アメリカ人技師 ガーディナ・ジェームズ・マクドナルド
施工:清水満之助
室内装飾:河瀬商店、東京の杉並商店の分担
壁画:高木誠一の作といわれる
建物は、迎賓・接客施設としての機能的に設計されている
1階・2階ともに中央の広間を中心としてそのまわりに各室が配されている
階段まわりの空間演出は絶妙とされる
1階:客間、球戯室(半地下)、書斎、サンルームと食堂
2階:喫煙室(中2階)、貴婦人室、美術室、客間3室
1階の客間は、ロココ様式を基調として、暖炉の回りや壁パネル、天井に植物文様のレリーフが飾られている
3階は、1914年(皇紀2574)大正3年に改修されている
和室となり、とくに東北の2室は書院造風で、豪華な造りと斬新な座敷飾りがされている
建築当初の家具も残っており、ロンドンのメープル(MAPLE)製など、大半が高級な輸入品で、
デザイン的にも優れている
ロココ様式をはじめ、それぞれ部屋に合った様式の家具が配置されている