 
 飛濤亭(ひとうてい)は、仁和寺の本坊庭園の東北隅にある茶室
 光格天皇遺愛の席といわれる、四畳半の茶室と水屋・台所からなる草庵式の茶席
 四畳半の茶室と、勝手の間二畳、水屋・台所からなる
 一重、入母屋造、茅葺、土庇付
 落掛を用いない踏み込み床で、洞床(ほらどこ)となっている
 天井は床前が網代の平天井、手前座を蒲の落天井、その他は化粧屋根裏となっている
 網代(あじろ)とは、葭・杉柾・杉皮・桧・竹皮・椹などの枌板を編んだもの
 二本引きの襖の左側に一畳半の水屋がある
 その奥に、三畳の台所、一畳の入り土間が続いている
 壁は、錆壁(さびかべ)で塗られ、藁すさが露出し、西面や南面から夕日が射して壁面が黄金色に変色する
 北東隅には丸柱の一部が見え、楊枝柱となっている
 床柱は栗の手斧打、相手柱は松丸太
 露地には、苔が植えられている
 解体修理の結果、
 茶室の内外の壁に赤土を薄く塗った跡があり、
天井や鴨居などの木部から紅殻(べんがら)と見られる赤い顔料が検出された
 創建当初は、全体に落ち着いた朱色であったとされる