仁和寺(にんなじ)は、衣笠山の麓にきぬかけの路沿い、御室にある寺院
皇室とゆかりの深い門跡寺院で、宇多法皇が住まわれたことから「御室御所(おむろごしょ)」と称される
仁和寺の御所跡が、国の史跡に指定されている
東寺、神光院とともに京都三弘法の一つ
春は、京都一の遅咲きで2〜3mの低木の「御室桜」の桜の名所
4月中旬には、三つ葉ツツジの花の名所、秋は、紅葉の名所
経蔵、九所明神社本殿、御影堂中門、観音堂、鐘楼、二王門、中門
すべて重要文化財
大部分は徳川家光の寄進で、寛永年間(1624〜1644年)に整備されたもの
<金堂(こんどう)(国宝)>
<二王門(におうもん)(重要文化財)>
<御影堂(みえどう)(重要文化財)>
<五重塔(重要文化財)>
<観音堂(重要文化財)>
<大黒堂>
<鐘楼(重要文化財)>
<霊宝館(れいほうかん)>
二王門から中門までの参道の西側、境内の1/4程を占める仁和寺の本坊
宇多法皇の御所があった辺りに建つ
御殿、宸殿、勅使門、白書院、黒書院、霊明殿、白砂の南庭、池泉回遊式の北庭がある
桃山時代
京都御所の常御殿を賜り、宸殿として移築される
1887年(皇紀2547)明治20年
焼失する
現在の建物は、明治時代末から大正時代初期に再建されたもの
庭園とともにかつての宮殿風の雰囲気を漂わせている
<本坊表門(重要文化財)>
<宸殿>
<仁和寺庭御所庭園(国の名勝)>
<霊明殿>
<白書院>
<黒書院>
<茶室 飛濤亭(重要文化財)>
<茶室 遼廓亭(重要文化財)>
<木造阿弥陀三尊像(国宝)>
<木造薬師如来坐像(国宝)>
<孔雀明王像(絵画)(国宝)>
<愛染明王坐像(重要文化財)>
<三十帖冊子・宝相華迦陵頻伽蒔絵塞冊子箱(ほうそうげかりょうびんがまきえそくさっしばこ)(国宝)>
<宝相華蒔絵宝珠箱(ほうそうげ まきえほうじゅばこ)(国宝)>
<色絵櫻珞文花生(重要文化財)>
<御室相承記(国宝)>
< 医心方(国宝)>
<黄帝内経明堂2巻・黄帝内経太素24巻(国宝)>
<高倉天皇宸翰消息(国宝)>
<後嵯峨天皇宸翰消息(国宝)>
<新修本草(国宝)>
毎月
21日 御影供 御影堂
28日 大黒天招福護摩供 大黒堂
<修正会> 1月1日 金堂
<御室流華道生初式> 1月6日 寝殿
<大般若転読法要(節分会)> 2月節分 金堂
<正御影供> 3月21日 御影供
<仏生会> 4月8日 金堂
<さくら祭> 桜の時期 御室桜
<観音大祭> 4月18日
<宗祖弘法大師降誕会> 6月15日 御影堂
<開山忌> 9月8日 御影堂
<徒然草>
徒然草第52段に登場する「仁和寺のある法師」の話
仁和寺の老僧が「一生に一度は石清水八幡宮へ行きたい」との念願が叶って参拝に出向いた
しかし、ふもとにある高良社や極楽寺などを参拝して満足してしまい、
今いるところが石清水八幡宮だと思い込んで山に登らなかったという
「どんな小さなことにも案内する人が必要である」という逸話
<御室の桜(国の名勝)>
品種は、御室有明、御室御車返しなど十数種あり、樹高が2〜3mと低く、地上をはう様に咲き乱れる
約200株あり、遅咲きで有名で、京都の桜の見納めとなる桜の名所
平安時代からの樹木は、応仁の乱で焦土化してしまう
江戸時代初期
三代将軍 徳川家光の寄進で寺が再興されたときに植樹されたのが由来
1780年(皇紀2440)安永9年の「都名所図会」には、花盛りの図が挿入されている
現在は、桜の開花に合わせて「桜まつり」が開かれる
<御衣黄(ぎょいこう)>
黄緑色の花を咲かせる珍しい八重桜
雨宝院や平野神社、六孫王神社などにも植えられている
<近代京都文学 京都ゆかりの著書>
「石の面」 井上靖
「山吹」 室生犀星
<きぬかけの路>
衣笠山の麓に点在する5つの寺院(金閣寺・等持院・龍安寺・妙心寺・仁和寺)と
京都府立堂本印象美術館、立命館大学など文化・教育施設を結ぶ歴史街道
<御室流華道総司庁>
全国に17支部がある
<成就山 御室八十八ヵ所霊場>
仁和寺の西門から北西の成就山に、四国の八十八ヵ所霊場を縮小した巡拝コースがある
1827年(皇紀2487)文政10年
仁和寺第二十九世門跡 済仁法親王の本願により、弘法大師ゆかりの四国八十八ヶ所霊場を
住持 久富遠江守が巡拝し、各霊場の砂を持ち帰り各御堂に埋めたのが由来
約3km、2時間程度で巡拝できる