家康伊賀越えの道(いえやすいがごえのみち)

所在地:大阪府四條畷市・大阪府枚方市・京田辺市・城陽市・宇治田原町~
   滋賀県甲賀市・三重県伊賀市・三重県鈴鹿市・愛知県岡崎市   名所地図情報名所

別称:神君伊賀越え

 家康伊賀越えの道(いえやすいがごえのみち)は、本能寺の変のとき、堺にいた徳川家康が三河国への逃亡に用いた道

 堺から京都府南部・伊賀国(現在の三重県西部)を経由して3日間で帰還したといわれる

 信楽街道山城国宇治田原と近江国信楽を東西に結ぶ街道)を通ったといわれる

【家康伊賀越えの道の経緯】

【家康伊賀越えの道の経路】

 「石川忠総留書」や「家忠日記」などに記されているが、複数の見解がある

 落ち武者狩りや一揆を退けながら、籠絡用に家臣に配分した金品を与えたりして通過していった

 <河内国飯盛山(大阪府四條畷市)>
 堺の松井友閑屋敷から上洛する途中の河内国飯盛山付近で、
 京都から来た茶屋四郎次郎から本能寺の変での織田信長の自害を知る

 <尊延寺(大阪府枚方市)>
 伊賀越えを決めた一行が立ち寄り、無事を祈願したといわれる


 <甘南備山(京田辺市薪)>
 「神が宿る山」といわれる霊山

 <草内の渡し(京田辺市興戸)>
 四條畷から山城国に入り、木津川を渡る
 徳川家康らを疑い距離を取っていた穴山梅雪の一行は遅れ、落ち武者狩りに襲われ殺された

 <市辺(城陽市)>


 <信楽街道
 山城国と近江国の信楽を東西に結ぶ街道
 宇治田原の郷之口から、贄田(ねだ)・立川・湯屋谷を通り、奥山田の裏白峠を越えて信楽に至る
 国道307号のルート以前に東西を行き来する主要な交通路だった

 <郷之口(ごうのくち)>
 山城国宇治田原の西の入り口
 一行を豪族 山口秀景の家臣らが迎えた

 <宇治田原城(山口城)>
 山口秀景の居城で昼食をとり、馬を乗り換えた

 <立川(たちかわ)>

 <湯屋谷(ゆやだに)>
 宇治田原町の南東部

 <奥山田(おくやまだ))>
 宇治田原町の東部、近江国信楽(滋賀県甲賀郡信楽町)に隣接する地域
 山口秀景の屋敷「山口館」に宿泊したといわれる

 <裏白峠(うらじろとうげ)>
 近江国信楽(滋賀県甲賀郡信楽町)との国境となる峠
 標高380m


 <近江国甲賀小川(滋賀県甲賀市)>
 土豪 多羅尾光俊(山口秀景の父)の小川館に宿泊する

 <桜峠越え>
 小川館から神山へと向かい、桜峠を越えて伊賀に入って丸柱に至り、伊賀国柘植(三重県伊賀市)へ

 <加太越>
 柘植から、加太峠で一揆に襲われたが山口定教率いる甲賀郷士が追い払い、伊勢に入ったされる

 <伊勢国長太(三重県鈴鹿市)>
 長太(なご)で乗船し伊勢湾を横断して三河国大浜(愛知県碧南市)にたどり着く

 <三河国岡崎城(愛知県岡崎市)>
 大浜で下船して、松平家忠が迎えにいて、岡崎城へ帰還した

【家康伊賀越えの一行】

 <供廻>
 徳川家康に随行していた供廻は34名のみだったといわれる
 徳川四天王など徳川家の重鎮が揃っており、一揆等に襲われていたら徳川家は壊滅になる恐れがあった

 徳川四天王(酒井忠次・本多忠勝・井伊直政・榊原康政)・
 石川数正・本多正盛・石川康通・服部正成・高木広正・菅沼定政・久野宗朝・本多信俊・阿部正勝・大久保忠隣・
 牧野康成・三宅正次・高力清長・渡辺守綱・森川氏俊・酒井重勝・多田三吉・花井吉高・青木長三郎・大久保忠佐・
 内藤新五郎・都筑亀蔵・松平玄成・菅沼定利・永井直勝・永田瀬兵衛・松下光綱・都筑長三郎・鳥居お松・三浦おかめ

 <帯同者>
 長谷川秀一(織田家中)
 堺見物の案内役であった
 脱出経路を決めたり、大和国・近江国の国衆への取り次ぎを行うなど伊賀越えの成功に貢献した
 安全圏の尾張国熱田まで家康一行に同行してた

 西尾吉次
 堺見物の案内役であった
 そのまま家康の家臣となる

 穴山梅雪穴山信君
 家康とともに上洛していた
 多額の金品を所持しており、家康らと距離を置いていた四條畷から山城国で一揆に襲われ死去する

 佐久間安政
 堺に居合わせ、土地鑑があり家康に加勢し、逃走を助けたといわれる

 伊勢商人 角屋七郎次郎秀持
 伊勢国から三河国大浜までの船を手配して帰還を助けた
 後に、廻船自由の特権を与えられた

【家康伊賀越えの道の沿道】

 <神南備神社(京田辺市薪甘南備山)>
 霊山とされる甘南備山の山頂付近にある

 <市辺天満神社(城陽市市辺城下)>
 本殿(京都府登録文化財)

 <西生寺(城陽市市辺坂口)>
 知恩院の末寺

 <粟神社(城陽市市辺大谷)>

 <山口城跡>
 宇治田原町郷之口田中
 織田信長の家臣 山口甚介秀康の居城で、一行が昼食をとり、馬を乗り換えた
 現在は、茶畑となっており遺構はない

 <遍照院(宇治田原町大字奥山田小字岳谷)>
 信楽街道沿いにあり、一行が立ち寄り休憩したといわれる

 <妙楽寺(宇治田原町大字郷之口)>
 与謝蕪村の句碑がある

 <極楽寺(宇治田原町大字郷之口)>
 豪族 山口家の菩提寺

 <三宮神社(宇治田原町立川)>

 <信西入道塚(宇治田原町立川宮ノ前)>
 平治の乱で死去した藤原信西の塚

 <大道神社(宇治田原町立川宮ノ前)>
 紅葉の名所

 <永谷宗円生家>
 宇治田原町湯屋谷空廣
 日本緑茶製法の基礎を築いた日本緑茶の祖 永谷宗円の生家

 <茶宗明神社(宇治田原町湯屋谷空廣)>
 日本緑茶の祖 永谷宗円が祀られている

 <天神社(宇治田原町奥山田宮垣内)>
 本殿(京都府登録文化財)

 <猿丸神社(宇治田原町禅定寺粽谷)>
 三十六歌仙の猿丸大夫の霊廟が祀られている

 <正寿院(宇治田原町奥山田川)>
 快慶作の不動明王が祀られている

 <医王教寺跡>
 宇治田原町奥山田川


【京都検定 第23回1級】

[インデックス]


京都通メンバページ


フェイスブックでシェア LINEで送る

[目次]


[関連項目]


[協賛リンク]



[凡例]

赤字
 京都検定の出題事項
 (過去問は下段に掲載)

ピンク
 京都検定に出題された
項目へのリンク

青色紫色
 関連項目へのリンク