海援隊(かいえんたい)

幕末維新の時代に、土佐藩脱藩の浪士らが結成した会社と海軍を兼ねた組織

結成:1865年(皇紀2525)慶応元年5月(亀山社中)
改称:1867年(皇紀2527)慶応3年4月(海援隊)
解散:1868年(皇紀2528)慶応4年4月27日

初代隊長:坂本龍馬

 海援隊(かいえんたい)は、幕末維新の時代に、土佐藩脱藩の浪士らが結成した会社と海軍を兼ねた組織

 初代隊長は、坂本龍馬

 貿易・商社活動・私設海軍活動などを行い、日本初の会社組織ともいわれる

 利益を追求しながら、航海術や政治学、語学などを学ぶ学校でもあった

【海援隊の歴史・経緯】

【海援隊】

 <亀山社中>
 幕府機関 神戸海軍操練所の解散に伴い結成
 海援隊の前身

 貿易の仲介や、物資の運搬などで利益を得ながら、海軍、航海術を習得し、国事に尽力した
 グラバー商会などと取引し、武器や軍艦などの兵器を薩摩藩名義で購入、長州藩へ渡すなどの斡旋を行った

 第二次幕長戦争(第二次長州征伐)においては、
 長州藩の軍艦ユニオン号で、下関海戦に参加、幕府軍を相手に戦い、長州藩の勝利に大きく貢献する

 <海援隊>
 坂本龍馬が、脱藩を許されて隊長となり、土佐藩に付属する外郭機関として「海援隊」と改称される

 土佐藩の援助を受けつつ、基本的には独立した組織
 脱藩浪人、軽格の武士、庄屋、町民と様々な階層を受け入れた

 「海援隊約規」には、
 「本藩を脱する者、および他藩を脱する者、海外の志のある者、この隊に入る」
 「運輸、射利、投機、開拓、本藩の応援」とある

 会社と海軍を兼ねた組織で、利益の追求と、航海術や政治学、語学などを学ぶ学校でもあった

 坂本龍馬の暗殺後、長岡兼吉が土佐藩より海援隊長に任命されたが、直後に、藩命により解散となる

 <翔天隊>
 中岡慎太郎が隊長となった陸援隊と併せて「翔天隊」と称される

【主な海援隊士】

 <坂本龍馬
 初代 海援隊隊長

 <佐々木高行>
 土佐藩藩上士
 戊辰戦争において海援隊の指揮をとり、坂本龍馬死後の戦闘面における実質的な二代目隊長

 <長岡謙吉>
 土佐藩の医者の家出身で鳴滝塾にてシーボルトに医学を学ぶ
 海援隊の事務全般を担い、二代目の隊長となる
 維新後は、三河県知事となる

 <石田英吉>
 土佐藩の医師の家に生まれ緒方洪庵に師事し、医術を学ぶ
 維新後は、秋田県令、千葉県知事など多くの県知事職を歴任する
 海援隊時代の同士の陸奥宗光が農商務大臣になったとき次官に招かれ、陸奥を補佐した

 <高松太郎(坂本直)>
 坂本龍馬の甥
 子供がいなかった坂本龍馬の家を継ぎ、「坂本直」と改名した

 <菅野覚兵衛>
 土佐の庄屋業
 維新後、海軍少佐となる

 <新宮馬之助>
 坂本龍馬の近所で生まれ、幼馴染
 維新後は、海兵団に所属、海軍大尉となる

 <野村維章(野村辰太郎)>
 土佐藩白札格出身で、砲術の教授をしていた
 維新後は、佐賀県権参事・参事を歴任後、初代茨城県令に就任
 その後、控訴院検事を歴任し、東京控訴院検事長・大阪控訴院検事長となる

 <中島信行(中島作太郎)>
 土佐藩の郷士
 維新後、板垣退助とともに自由民権運動を指導し、初代衆議院議長となる

 <近藤長次郎>
 生家は坂本龍馬の家の近くの饅頭屋
 薩長同盟の時には、伊藤博文・井上馨とともに長州藩の軍艦兵器の買い付けに功績をあげる
 長州藩の勧めで英国留学する予定であったが、他の同士から脱退をとがめられ自刃した

 <坂本清次郎(三好清明)>
 坂本龍馬の親戚
 維新後、自由民権運動に参加する

 <関義臣(山本龍二)>
 福井藩士
 維新後、大阪府権判事、鳥取県権令、大審院検事、徳島県知事、山形県知事、貴族院議員等を歴任する

 <小谷耕蔵>
 越前出身、いろは丸船長

 <白峰駿馬>
 長岡藩士
 維新後、留学し造船術を学び、帰国後に、造船所を経営する

 <陸奥宗光>
 紀州藩士
 維新後、知事・県令等歴任
 その後、農商務大臣、外務大臣として、条約改正・日清戦争講和・三国干渉などに尽力した

 <伊藤助太夫>
 下関の商人で、海援隊の活動を支援していた

 <小曽根英四郎>
 長崎の商人で、海援隊の活動を支援していた

 <大浦慶>
 長崎の商人で、日本茶輸出貿易の先駆者で、海援隊の活動を支援していた

 <中江兆民>
 海援隊士ではなかったが、海援隊宿舎で居候をしていた

 <岩崎弥太郎>
 海援隊士ではなく、土佐藩の長崎留守居役で、海援隊の経理を担当していた
 後に、三菱財閥を創業する

【海援隊のゆかりの地】

 <海援隊屯所跡・坂本龍馬寓居跡
 高瀬川の西側に建っていた材木商 酢屋
 海援隊隊長 坂本龍馬が、自分の京都における宿舎・海援隊の屯所とした


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