京湯葉(きょうゆば)は、懐石料理や京料理に用いられる大豆の加工食品の一つ
豆乳を煮立て上面に生じた薄皮を細い竹で引き上げたもの
できたてを「生湯葉」「引きあげ湯葉」、乾燥させたものは「干し湯葉」とも称される
大豆をひと晩水につけ、
石臼で丁寧に挽き、清らかな軟水と一緒に煮たものを布でこして汁を出し、豆乳が作られる
豆乳を煮沸かし、表面に張った薄い膜をすくい取ったものが湯葉
液面に膜が形成される現象を「ラムスデン現象」と称される
湯葉は、薄いほど上質であるといわれる
<栄養>
成分のほとんどが良質の蛋白質と植物性脂肪からできている、「畑の肉」と称される大豆からできている
低カロリーであり、ダイエット食品としても注目されている
<豆腐との違い>
豆腐は、凝固剤を使用して、大豆の植物性蛋白質を凝固させる
湯葉は、凝固剤を使用せず、加熱により大豆の植物性蛋白質を熱凝固させる
<童歌>
延暦寺や、比叡山山麓の坂本で唄われていたといわれる
「山の坊さん何食うて暮らす、ゆばの付け焼き、定心坊(お漬物)」
<滝沢馬琴>
江戸時代後期の作家
京で良いものとしては「女子、鴨川の水、寺社」、京の悪いものとしては「吝嗇(りんしょく)、料理、船便」と言い
京都の魚料理をけなし、京で味の良いものとしては「麩(ふ)、湯葉(ゆば)、芋、水菜、うどんぐらい」と言っている