松殿山荘(しょうでんさんそう)
(SHouden Sanso) 京都通メンバ
所在地:宇治市木幡南山 
   名所地図情報名所

敷地:約12万m2
建坪:約千坪(約3,300m2)

 松殿山荘(しょうでんさんそう)は、宇治市東部の木幡南山の丘陵にある山荘

 茶道 山荘流の流祖 高谷宗範(たかや そうはん)が、
親しみやすい広間(書院式)で茶道を普及するための茶道道場として造営した建築物と庭園

 「心は円満にまるく、行いは正しく四角く」という方円思想に基づいて、
全て、高谷宗範により自ら設計されている

【松殿山荘の歴史・経緯】

【松殿山荘】

 敷地:約12万m2
 建坪:約千坪(約3,300m2)

 茶室は17席ある

 高谷宗範の山荘流茶道における基本理念である「方円思想」により、
方形と円形を組み合わせた独創的な造形が随所に見られる

 高低の地形を考え、100分の1の模型を作り、建物を建て、池泉を掘り、樹木を植え、石を置いた庭園

 書院には書院式の庭園を、小間の席には草庵式の庭となっている
 書院式茶道の広間の振興と、茶室の改良と近代化を目指した価値の高い遺構とされる

 2017年(皇紀2677)平成29年11月28日
 12棟が重要文化財に指定されている


 <本館 1棟(重要文化財)>
 本館は、庭園に面して、4つの書院(大書院棟・中書院棟・東書院棟・西書院棟)と天五楼棟からなる大規模建築
 土塀3棟(西書院・南蔵間、南蔵・中玄関間、大玄関西)が付属している
 本館の周囲には、大小の茶室群がある
 1919年(皇紀2579)大正8年から1928年(皇紀2588)昭和3年の建築

 大書院棟  東向き30畳の広間  木造、建築面積385.47m2、桟瓦葺・本瓦葺一部鉄板葺
 迫り上げ格天井で、鞘の間は26畳
 高谷宗範が78歳のときの筆の額がかかる
 床柱は、天王寺屋五兵衛の居宅の大黒柱を削ったもの
 鴨居は節無しの五間通しの栂材を用いている

 大玄関
 大書院棟の入口
 江戸時代の豪商 天王寺屋五兵衛の屋敷の玄関を移築したもの
 靴脱ぎの石も大阪より移設されている
 高谷宗範の筆、大工 中川徳一が彫刻した扁額がかかる

 中玄関
 大玄関の横にある
 電灯のシェードが円、取付部分は四角、その外側が丸、一番外は四角の組み合わせになっている

 中書院棟
 東向き10畳、次の間8畳がある茶室
 木造、建築面積130.72m2、二階建、桟瓦葺・銅板葺
 脇床にかすみ棚がある
 別名「瑞凰軒」と称される
 庭園正面には、嵯峨天皇遺愛といわれる三日月形の手水鉢がある
 1925年(皇紀2585)大正14年9月25日
 スウェーデン皇太子妃が来荘されたのときに用いられた部屋

 中書院控の間1
 皮付の赤松を床柱にした二重床を持つ八畳の茶室
 廻り縁天井中央は、網代に組立変化がつけられている

 中書院控の間2
 床柱と縞柿の床框がある6畳の部屋と、次の間(6畳)がある茶室

 眺望閣
 中書院にある18畳の茶室
 立礼を楽しみながら比叡山愛宕山などが渡せる

 天五楼棟
 木造、建築面積187.46m2、桟瓦葺一部鉄板葺
 天王寺屋五兵衛の大広間を移築したもの
 床柱は、北山丸太に新調されている
 砂魚粉仕上げの欄間は、男波と女波の透かしがある

 楽只庵
 天五楼棟の奥(東側)にある
 天王寺屋五兵衛の茶室7畳を移したもの
 床柱は、蔵の轆轤だったもの

 不忘庵
 楽只庵の南側にある
 三畳台目の貴人にじり口がある小間の茶室

 九垓盧
 一番北側にある
 八畳孟宗竹を床柱にし三方が開けた茶室
 天井中央に杉材をふたつに引き割った板を使い、廊下の手摺は松竹梅でできている

 文房室
 九垓盧の南にある
 硯・筆・紙などを展示できるようされた部屋

 好古庵
 文房室の隣にある四畳半の茶室
 欄間に亀甲竹を用いている

 申々居
 中書院棟と好古庵の間にある
 スウェーデン皇太子妃来荘のとき、高谷宗範が自ら献花・献茶をした茶室

 東書院棟
 木造、建築面積184.67m2、一部地下一階、一部二階建、桟瓦葺・鉄板葺

 西書院棟
 中書院棟の西側にある
 木造、建築面積228.64m2、一部地下一階、桟瓦葺
 小玄関・台所・浴室等がある
 「夫人室」と称される


 <大門( おおもん)1棟(重要文化財)>
 正面の入口にあたる門
 高麗門、本瓦葺、左右土塀附属
 高谷宗範の筆の扁額「南嶽」がかかる
 松殿山荘に続く道が方円思想を表している
 1926年(皇紀2586)大正15年から1930年(皇紀2590)昭和5年の建築

 <蓮斎(れんさい)1棟(重要文化財)>
 大書院の南東、円形の池の上に立つ八畳書院
 木造、建築面積71.72m2、桟瓦葺一部鉄板葺
 唐物机を床に用いて、床柱は塗仕上げされている
 1929年(皇紀2589)昭和4年の建築

 <聖賢堂(せいけんどう)1棟(重要文化財)>
 敷地内南東の池の中にある
 円堂(聖堂)と角堂(賢堂)で構成される

 聖堂
 木造、円堂、鉄板葺
 聖徳太子・釈迦・孔子が祀られている

 賢堂
 木造、桁行一間、梁間一間、桟瓦葺及び鉄板葺、渡廊下付
 茶道に関係した千利休や遠州等三十六賢人が祀られている
 1924年(皇紀2584)大正13年の建築


 <撫松庵(ぶしょうあん)1棟(重要文化財)>
 御影より移築した草庵式の茶室
 木造、建築面積54.06m2、鉄板葺
 三畳台目席で、金閣寺夕佳亭を模した南天の床柱と貴人床がある
 1924年(皇紀2584)大正13年の建築

 <春秋亭(しゅんじゅうてい)1棟(重要文化財)>
 大書院の南西にある
 太鼓胴張りの塀に囲まれた茶室
 木造、建築面積44.23m2、桟瓦葺
 床柱は欅で、外回りの柱は桜・楓の自然木が用いられている
 新緑・紅葉の時期が映える
 1929年(皇紀2589)昭和4年の建築

 <檆松庵(さんしょうあん)(重要文化財)>
 春秋亭の西側にある
 庭に杉・松が植えられた草庵式茶室
 天王寺屋五兵衛の茶室を移築してきたもの
 木造、建築面積54.12m2、鉄板葺・桟瓦葺
 露地門がある
 1929年(皇紀2589)昭和4年の建築

 <仙霊学舎(せんれいがくしゃ)(重要文化財)>
 稽古席
 八畳の書院、三畳台目席、四畳半の好文亭席がある
 木造、建築面積187.97m2、桟瓦葺・鉄板葺
 1931年(皇紀2591)昭和6年の建築

 <修礼講堂及び事務所 1棟(重要文化財)>
 茶礼の講演会やイベント行事などが行われる
 木造、建築面積391.12m2、桟瓦葺
 1931年(皇紀2591)昭和6年の建築

 <宝庫(ほうこ) 1棟(重要文化財)>
 鉄筋コンクリート造、建築面積259.32m2、本瓦葺
 1934年(皇紀2594)昭和9年の建築

 <北蔵(きたのくら) 1棟(重要文化財)>
 土蔵造、建築面積17.10m2、二階建、地下一階、本瓦葺
 1924年(皇紀2584)大正13年の建築

 <南蔵(みなみのくら) 1棟(重要文化財)>
 土蔵造、建築面積20.09m2、二階建、本瓦葺
 1926年(皇紀2586)大正15年の建築

 <天満宮社>
 敷地内、一番東にある
 高谷宗範の誕生日が25日であることから菅原道真が祀って鎮守社とされている

 <筆塚>
 敷地内の中心にある
 高谷宗範が使った筆が供養されている

 <旧宅>
 <旧宅土蔵>

 <松殿の土塁>
 敷地を囲む土塁
 関白 藤原基房の屋敷をかこっていた土塁が残されている

【松殿山荘へのアクセス】

 JR奈良線 木幡駅 徒歩約20分
 京阪電車 木幡駅 徒歩約20分

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