椥辻(なぎつじ)

所在地:京都市山科区椥辻   名所地図情報名所

 椥辻(なぎづじ)は、山科盆地の中央の平坦地に位置する山科の地域の一つ

 西端に山科川があり、その東を封シ川とその支流が南流している

 北には東野、東から南にかけて勧修寺、西は粟栖野に接している

 中央を南北に醍醐街道が縦断し、東西に京都道(椥辻通)が横断しており、その交差点が「辻」にあたる

 地名は、この地に大きな梛の木(なぎのき)があったことに由来するといわれる

【椥辻の歴史・経緯】

【椥辻地域】

 <椥辻の地名の由来>
 村に梛(なぎ)の大樹があったことが由来といわれる

 「山科家礼記(1468年(皇紀2128)応仁2年6月15日条)」には「南木辻」と記されている

 <椥辻の公称町名>
 1931年(皇紀2591)昭和6年
 山科町大字椥辻が、東山区へ編入され、11町に編成される

 椥辻番所ケ口町、椥辻平田町、椥辻封シ川町、椥辻東浦町、椥辻西浦町、椥辻中在家町、椥辻草海道町、椥辻池尻町、
 椥辻東潰、椥辻西潰、椥辻東山

 東浦・西浦・西潰・東潰などは、中央付近を流れる山科川や封シ川に関わりがあると思われる


 <山科川
 山科盆地の中央、椥辻地域の西端を流れる一級河川
 かつての山科川は「櫃川(ひつかわ)」と称され、現在の旧安祥寺川であったといわれる
 現在の山科川は、「田宮川」「音羽川」と称されていた

 <封シ川>
 山科川の東を流れる川
 この地は、水量が豊富で農業に適していたが、治水対策が繰り返し行われてきていた

 この地には、旧山科川が流れていたが、現在の山科川に流域を変えたために、川の水を止め使われなくなったので「封シ川」と称された


 <醍醐街道>
 椥辻の中央を南北に縦断している
 京都道(椥辻通)との交差点が「辻」にあたる
 街道の西側に細長く沿っている地域を「西浦町」、街道の東側に細長く沿っている地域を「東浦町」と称される

 <京都道(椥辻通)>
 椥辻の中央を東西に縦断している
 岩屋神社から椥辻を経て、滑石峠を越え京都まで通じていた

 <御茶壺道中>
 かつて山科は宇治郡の一部で、お茶が農家の重要な作物の一つだった
 御所から宇治へ茶壺を持って行くさいに、山科郷士が役目を果たし、御茶壺道中が醍醐街道を通ったといわれる

 現在も、山科の古民家には、玄関や庭などに茶壺が飾られている


 <山科青果卸売市場>
 1987年(皇紀2647)昭和62年
 竹鼻地域から、現在の場所(椥辻封シ川町)に移る
 午後3時から、地域の商店や流通業者による競りが行われる


 <ゆうなぎの水>
 水が湧き出おり、深さ30cmほど、ゆっくりと東から南に流れている
 2001年(皇紀2661)平成13年
 京都市が、湧き水の周りに護岸や階段を整備して造られる
 「湧く(ゆう)」「椥(なぎ)」から名付けられた


 <岩屋神社の神饌田>
 氏神である岩屋神社の神饌田がある
 春には、神官により、御田植え祭が行われる


 <元井村別荘跡(椥辻封シ川町)>
 山科川の封シ川大橋の北東側、現在の京都市椥辻西市営住宅の地
 昭和時代初期、貿易商 井村健次郎が、5千坪の敷地に洋館の別荘を建てていたところ

 別荘は、地上3階、地下1階の洋館、プールもあった


 <郷土唱歌「山科」の石碑>
 山科区役所庁舎正面前
 1961年(皇紀2621)昭和36年3月
 山科東野校の初代校長 矢部文載の作詞
 山科の神社・仏閣・名所・旧跡等をまとめて紹介する郷土唱歌により、子どもたちに郷土愛を育てようとした
 曲は、鉄道唱歌の節

 <椥辻共同墓地>
 入口の瓦屋根の祠には、六体地蔵が安置されている

 <地下鉄東西線 椥辻駅>
 1995年(皇紀2655)平成7年7月31日に着工
 1997年(皇紀2657)平成9年5月30日に駅施設の工事完了
 同年同年10月12日、東西線開通に伴い営業開始

 駅のギャラリーには、地元の画家 山本義雄さんの山科絵が展示されている


 <法敬寺(ほうきょうじ)>
 明応年間(1492年~1501年)の創建
 春には、門前のしだれ桜が咲く

 <西楽寺(さいらくじ)>
 天文年間(1532年~1555年)に、廓誉上人により創建された浄土宗の寺院
 この地にあった安楽寺が荒廃し、本尊の観音菩薩が西楽寺に遷される
 その後、念誉によって再興された


 <JA山科南部支所>
 椥辻の中心点、京都道(椥辻通)と醍醐街道の交差点の北東側ある
 1922年(皇紀2582)大正11年
 椥辻の中村治三郎宅に山科村の小作者・自作者からなる「小作組合」が結成される
 明治時代初期
 椥辻に「山科農業実行組合」ができ、中村治三郎が代表を務めていた

【その他】

 <梛の木(なぎのき)>
 高さ2m以上にもなる常緑樹、オス株とメス株がある
 葉の葉脈が縦条に走り、横に切れにくいので、男女の契りの強さを表しているともいわれる
 熊野信仰にも関係の深い木


 <山科絵>
 江戸時代まで、山科の旧東海道の街道沿いで、半紙に神仏などの絵を描いて東海道を行き交う旅人に売られていた絵画
 1999年(皇紀2659)平成11年
 椥辻東浦町の画家 山本義雄さんが、現代風に復活させた
 京都の風景や、山科ゆかりの人物などが描かれている
 地下鉄東西線 椥辻駅のギャラリーにも展示されている

【椥辻へのアクセス】

 地下鉄東西線 椥辻駅


【京都検定 第19回3級】

[インデックス]


京都通メンバページ


フェイスブックでシェア LINEで送る

[目次]


[関連項目]


[協賛リンク]



[凡例]

赤字
 京都検定の出題事項
 (過去問は下段に掲載)

ピンク
 京都検定に出題された
項目へのリンク

青色紫色
 関連項目へのリンク