鞍馬の火祭
(くらまのひまつり) 京都通メンバ
期日:10月16日〜23日(主行事は10月22日)

場所:由岐神社     鳥居地図情報鳥居

京都三大奇祭の一つ(広隆寺 の牛祭・今宮神社やすらい祭
京都三大火祭の一つ(嵯峨お松明式五山の送り火

 鞍馬の火祭は、時代祭と同じ日(10月22日)の夜に主行事が行われる由岐神社の祭典

 「サイレィ、サイリョウ」(「祭礼や祭礼」の意味)の掛け声で5mほどの松明を担ぎ由岐神社へと向かい、
火の祭典が深夜まで行われる


 平安時代中期に、祭神の由岐明神を京都御所から鞍馬の里に迎えた時の様子を現在に伝えている

【鞍馬の火祭の歴史・経緯】

【鞍馬の火祭の祭事】

 <宵宮祭> 10月16日

 <神幸祭> 10月22日
 午前9時  御例祭
 午前11時 神輿安置(山門前広場)
 午後6時  神事触れ、大篝火(おおかがりび)・松明(たいまつ)点火
    最初は、主に子供たちが小さな松明を、その後、青年など大人が比較的大きな松明を持って、
    「サイレイヤ、サイリョウ」のかけ声と共に集落内を練り歩き、「仲間」へ向かう
 午後8時  仲間(剣鉾)、宿出発
    各仲間からの大松明が鞍馬寺山門前に向かう
 午後9時  仲間、松明山門前広場に集合
    各松明は、山門前にひしめき合い、その後、石段下の一ヶ所に焼き捨てられる
 午後9時半 注連伐り儀式(山門前石段下)、神輿渡御、氏子町内巡行
    2基の神輿が石段を駆け降りるときには「チョッペンの儀」が行われ、
    集落内を練り歩き御旅所に安置される
 午後11時半 御旅所到着、御神楽奉納
    神楽の奉納のあと、神楽松明が境内をまわる
 深夜0時  祭終了

 <還幸祭> 10月23日
 午前2時頃、神輿が御旅所から神社に戻る


【七仲間】

 鞍馬の火祭を実行する住民組織
 氏神祭祀を掌握する組織で、世襲制
 7仲間によって、規則正しく儀式に沿った順序で進められる

 大惣仲間(おおぞうなかま)
 名主仲間(みょうしゅなかま)
 宿直仲間(しゅくじきなかま)
 僧達仲間(そうだちなかま)
 大工衆仲間(だいくしゅうなかま)
 太夫仲間(たゆうなかま)
 脇仲間(わきなかま)

 仲間の正装は、
 頭に向こう鉢巻を巻き、松明を担ぐ肩には肩当をし、腰には下がりを巻き、黒足袋を履く

 <船頭篭手(せんどうごて)>
 船頭の強い腕力を表すもの

 <締込み(しめこみ)>
 相撲力士の強い力を表すもの

 <脚絆(きゃはん)>
 飛脚の速く強い足を表すもの

 <武者草鞋(むしゃわらじ)>
 武士に次ぐ地位を表すもの

 <南天の小枝(なんてんのこえだ)>
 「難を転ずる」ということから魔除けとされる


【松明(たいまつ)】

 <柴分け>
 5、6月
 洛北の山で、躑躅(ツツジ)の柴切りを行い、束にして山中に集めておく
 8月下旬
 夏を越して枯れた柴束から葉などを落とす
 9月中頃
 刈り取っておいた柴の束を、由岐神社御旅所に集め各家に配られる
 10月上旬
 各家では、柴束を使って松明が作り上げられる

 <大松明>
 長さ約4m、重さ約100kg、直径約1mで、一番大きい松明
 大人2,3人で担がれる
 男の甲斐性で担ぎあげられ「甲斐性松明」とも称される

 <中松明>
 重さ約60kgほどの松明
 中高校生により担がれる

 <小松明>
 重さ約30kgほどの小学生が持つ松明

 <トックリ松明>
 とっくりのような形をした、幼児が持つ一番小さな松明

 <神楽松明>
 優美で大きな茶せんのような松明
 昔は16本作られたが、現在は、鞍馬が岩中・上・中・下の4つに分かれていた時の名残で4本作られる
 祭の最後に御旅所で燃やされる


【ならわし】

 <宵宮祭(よいみやさい)>
 鞍馬の火祭の一週間前の祭
 10月16日午後8時
 由岐神社本殿前に保存会役員らが集まり、祭の無事を願う神事
 各組頭は、長さ1mほどの松明をかかげて参加する

 <いみさし>
 宵宮祭でお祓いを受けた「榊(さかき)」を、名主仲間(みょうしゅなかま)が鞍馬の各戸にさして巡る
 これが祭に参加できる証となる

 <例祭>
 午前9時、由岐神社本殿にて
 「奉遷の儀」により、由岐神社本殿に祀られている由岐大明神、八所大明神が2基の神輿に移られる
 2基の神輿は、仁王門前の石段下に安置される

 <宿(やど)>
 各仲間が待機する仲間の会所
 神道具を祀り、各仲間の神事が行われる

 <神事触れ(じんじぶれ)
 午後6時
 鞍馬の火祭の始まりの合図
 「神事にまいらっしゃーれ」との呼び掛けをして回る
 これを合図に、鞍馬街道に沿った氏子の各戸の軒先に積み重ねられた小篝火に一斉に火が入れられ、
 鞍馬街道の、あちこちで高さ3mほどの大篝火が炎を吹き上げる

 <鞍馬太鼓>
 トックリ松明を持った幼児が、鞍馬街道を往来した後、
小松明、中松明を担いだ小中高生が加わり、最後に大松明を担いだ青年らが現れる
 「サイレイヤ、サイリョウ」の掛け声と鞍馬太鼓が打ち鳴らされ鞍馬街道の坂道を練り歩く
 午後8時ごろには、山門前の石段に百数十本の松明が集まってくる

 <諸礼(しょれい)>
 各仲間が山門前へ巡行していく道中、所定の場所で待機している仲間が列に合流するときに行う儀式
 由岐大明神を、京都御所から村人が迎えたときの名残りといわれる

 <注連縄切り(しめなわきり)>
 太鼓の合図とともに山門石段に、青葉の精進竹で張られた注連縄が切られ、
大松明が石段に殺到して1ヶ所に焼き捨てられる
 その後、若者が神輿を迎えに石段を駆け上がる

 <本田楽(ほんでんがく)>
 注連縄切りの後、神輿の渡御が始まるまでに行われる神事
 名主仲間の子供が、神輿の前で舞う

 <幸神の儀>
 神輿の前で、幸神の儀が行われる

 <渡御
 神輿2基が、八所大明神、由岐大明神の順で、火の粉舞う参道を掛け下りてくる
 神輿が石段を急に降りないよう、女性たちにより神輿の後ろにつけられた綱が引かれる
 この綱を引くと安産のご利益があるといわれている

 <チョッペンの儀>
 鞍馬寺山門前の石段奥の注連縄が切られて、八所大明神・由岐大明神の順序で神社から神輿が下る
 神輿が
山門前の石段を豪快に下りるとき、御輿の後には鎧武者が乗り、
神輿の前の担い棒には、若者が、足を逆さ大の字形に押し上げてぶら下がる
 鞍馬の元服の儀式(成人式)の名残といわれる

 <御旅所
 山門を下ったところから、御輿は車に乗せられ鞍馬町を巡幸される
 御旅所にたどり着き、御輿が再び担がれ、お神楽と4本の神楽松明が境内を回る
 午前0時過ぎに神輿が御旅所に安置され、祭が終わる

 <雨天決行>
 未だかって雨が降ったことがないといわれる



【その他】

 10月22日の同じ日には、時代祭も行われる

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