旧三井家下鴨別邸(きゅうみついけしもがもべってい)は、
下鴨神社の南にある、三井家11家の共有の別邸だったところ
明治時代初期の望楼がある木造3階建の建物と、大規模な屋敷構えが保存されており、
国の重要文化財に登録されている
財閥 三井家惣領家の大規模別邸跡
下鴨神社の南、原生林の糺の森の南端に、京都家庭裁判所に隣接して高い塀で囲まれた一角にある
明治時代初期の建物と、大規模別邸の屋敷構えが保存されている
約5,700m2の敷地に、
主屋を中心に、西側に接客空間となる玄関棟、東側に茶室の3棟からなる複合建築で、南側に庭園がある
2011年(皇紀2671)平成23年
3棟(主屋・玄関棟・茶室)が、国の重要文化財に指定されている
<主屋>
望楼がある木造3階建
木屋町別邸(1880年(皇紀2540)明治13年建立)を移築したもの
1階 南庭に面して主座敷(8畳)と次の間(6畳)がある
両部屋の北側に4畳と4畳の部屋がある付き、これらに縁側が付いている
2階 座敷(14畳客室と東側の3畳次の間と西側の3畳次の間)
2階 居室(8畳)
2階 茶の間(4畳半)
3階 鴨川や、大文字山など東山が眺望できる望楼が設けられている
内外ともに簡素な意匠
移築前の木屋町別邸のまま移された
建築面積:230.02m2、入母屋造・宝形造、桟瓦葺・銅板葺
<庭園>
主屋の南側に面する
苔地の庭に、南側に、糺の森を流れる小川の1つ泉川から水を取り入れた滝流れがある瓢箪型の池がある
石橋の向こうの南には、芝を張った築山や、灯籠、巨大な鞍馬石の景石が置かれている
<玄関棟>
主屋西側に、移築した主屋の玄関部分として新築される
入母屋造の桟瓦葺の平屋建築
西面中央に、車寄せとなる表玄関
表玄関の北側に応接間、南側に広間がある
主屋とは、南北2つの廊下で繋がり、その間に中庭がある
鬼瓦には、三井家の家紋「四ツ目結(ゆい)」がある
書院造の形式を基調とし、天井を高くし,床に絨毯を敷き椅子座の洋風の要素を取り入れた意匠となっている
木造平屋、建築面積は105.89m2、入母屋造、南西隅袖塀付、桟瓦葺
1925年(皇紀2585)大正14年の竣工
<茶室>
南庭に面して三畳次の間が付いた四畳半の開放的な広間
裏側に、茶室として極小空間である1畳台目の小間と一畳大の水屋がある
煎茶と茶の湯のいずれにも対応できるようになっている
修復中に、「慶応四年」(1868年(皇紀2528)慶応4年)と記された祈祷札が見つかっている
木造、建築面積35.59m2、切妻造、西面渡廊下付、桟瓦葺・銅板葺
<夫婦椋(めおくとむく)>
庭園の西側に生育している大木
推定樹齢250年といわれる
2本の椋が寄り添う形で立ち、縁結び・夫婦和合の信仰がされている
<板絵著色 孔雀牡丹図 杉戸絵2面>
原派の祖 原在中の長男 原在正(はらざいせい)の筆
繊細かつ正確な描線と美麗な彩色で表現されている
主屋1階の内玄関3畳間の建具に使われていた
杉戸絵あ、他所から持ち込まれはめられたものといわれる
2015年(皇紀2675)平成27年
管理団体 京都市による修復作業が行われときに発見された
<木屋町別邸>
主屋が木屋町三条にあった「木屋町別邸」から移築増築された
1880年(皇紀2540)明治13年
三井総領家第8代当主 三井八郎右衞門高福が、鴨川下流の東岸に建立する
1894年(皇紀2554)明治27年
9代当主 高朗が死去するまで居宅されていた
1922年(皇紀2582)大正11年
三井家下鴨別邸の主屋として移築される