京版画(きょうはんが)

舞扇子や絵巻物・調度品・美術品など宮廷文化や伝統芸能とともに発展してきた木版画
浮世絵など、町人文化とともに発展してきた江戸版画とは区別される

京都市の伝統産業の一つ

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【京版画の歴史・経緯】


【京版画】

 絵師・彫師・摺師の、それぞれを極めた3者の分業・共同作業によって制作される

 主線(輪郭線)がくっきりとした浮世絵などの江戸版画は、版木に力強く刷り込まれるが、
 京版画では、やわらかさやはんなりさなど、日本画家の原画を忠実に再現される

 彫師と摺師の息が合っていないと上手く表現されないといわれる

 多色摺の和紙をズレなく合うように置け、摺れるようになるまで10年かかるといわれる

 <胡粉摺(ごふんすり)>
 貝殻を粉末にした白い顔料(胡粉)をまぜて摺り上げる技法
 胡粉は年月がたつと黒く変色し、独特の効果が出る

 <雲母摺(きらずり)>
 雲母(うんも)の粉末を用いて摺り上げる技法
 白雲母摺・黒雲母摺・紅雲母摺などと称される
 雲母の粉を画面に定着させる方法に技を必要とする

【京版画の製作工程】

 絵師・彫師・摺師の、それぞれを極めた3者の分業・共同作業によって制作される

 版下絵(原画)
 地墨写し
 骨版彫
 骨版摺
 色挿し
 色版彫
 校正摺
 本摺


 原画を見て、版をいくつに分けて彫るのか、何色で摺るのかの見極めが必要

 同じ濃さで摺り続けなければならない
 版が変わるごとに、和紙を「見当(けんとう)」に合わせて、寸分違わず同じ位置に置く必要がある

【京版画の主な作品】

 都林泉名勝図会など挿絵入りの名所案内書
 絵付きの歌かるた
 京扇子
 などでも用いられる


 <竹の間壁紙(重要文化財)>
 曼殊院の大玄関の竹の間の壁紙
 狩野永徳の筆による
 日本最初の木版画といわれる

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