曼殊院(まんしゅいん)は、修学院離宮の南、一乗寺にある寺院
枯山水庭園(国の名勝)は、紅葉の名所
2月下旬は、白梅・紅梅など約20本ほどある梅の名所
2月は椿、4月中旬からは霧島つつじ(キリシマツツジ)、8月上旬からは百日紅、
10月中旬からはりんどう、11月上旬からは山茶花(さざんか)の名所
<勅使門>
石階段の上に、西に面して立つ
両側の築地塀には、門跡寺院の格式を表す五本の白い筋が残る
<庫裡(重要文化財)>
通用口玄関と台所
<大玄関>
虎の間、竹の間、孔雀の間がある
それぞれ、虎の襖絵(重要文化財)、木版画による竹の絵の壁紙、孔雀の襖絵が描かれている
<上之台所>
高貴な来客や門跡寺院の住職などのための厨房
丸炉の間、一乗の間、花の間、宿直の間、御寝の間がある
<唐門>
大玄関の右側に、唐破風の門が建つ
<大書院(おおしょいん)(本堂)(重要文化財)>
仏間に、本尊の阿弥陀如来立像が安置されている
「十雪の間」の床の間に、おみくじの元祖とされる元三慈恵大師坐像(重要文化財)が安置されている
1656年(皇紀2316)明暦2年の建築
寄棟造、柿葺き(こけらぶき)の住宅風建物
正面東側に「十雪の間」、西側に「滝の間」、「十雪の間」の背後に「仏間」、「滝の間」の背後に「控えの間」がある
建物内の杉戸の引手金具には、ひょうたんや、扇子などがデザインされている
月型卍(万字)崩しの欄間や、菊・短冊の釘隠し、桂離宮と同じ桂棚などがある
<小書院(こしょいん)(重要文化財)>
大書院の東北の庭園の正面にある
「閑静亭(かんじょうてい)」と称される
大書院と同時期の江戸時代の建築
寄棟造、柿葺き(こけらぶき)、数寄屋造
東南側に「富士の間」、その北に「黄昏の間(たそがれのま)」があり、建物西側には二畳の茶室などがある
黄昏の間の正面左の床の間脇には、十種類の寄木で作られた「曼殊院棚」がある
「富士の間」と「黄昏の間」との境の欄間の透かし彫りや、七宝焼の富士山をかたどる釘隠しがある
室内部分と廊下部分との屋根は、重なって二重屋根となっている
南縁先には、梟(ふくろう)の手水鉢が置かれている
<書院附茶室 八窓軒(重要文化財)>
小書院の北側に隣接して建つ茶室
江戸時代初期
良尚法親王(八条宮智仁の子)によって創建される
平三畳台目(さんじょうだいめ)、下座床の席
古田織部や小堀遠州好みと貴族趣味を取り入れたもの
仏教の八相成道にちなんで、8つの窓があることから「八窓軒」と称される
窓からの光の演出がされ、躙口上の連子窓は、虹のような影が生じることから「虹の窓」と称される
金地院の八窓席、大徳寺孤篷庵の忘筌席とともに京都三名席の一つ
<持仏堂>
<護摩堂>
<茅門>
<書院庭園(国の名勝)>
書院の前に置かれている枯山水庭園
小堀遠州好みで、水の流れを表した砂の中に松と杉苔の鶴島と亀島がある
小書院の縁先の欄干は、静かに水面をさかのぼる屋形舟を表わしている
青石の石橋の傍らの立石は、枯滝を表している
鶴島の五葉松は、鶴を表し、樹齢400年といわれる
根元には、曼殊院型キリシタン燈籠が置かれている
公家風の趣味豊かな良尚親王の趣向といわれる
<弁天池>
<弁天島>
弁天池の中にある
<天満宮>
弁天島に建ち、曼殊院内の一番古い建物
菅原道真を祀り、鎮守堂でもある
<弁天堂>
弁天島に建つ
弁財天が祀られている
<菌塚>
1981年(皇紀2641)昭和56年
菌類学者 笠坊武夫氏が建立したもの
<絹本著色 不動明王像(国宝)>
「黄不動(きふどう)」と称される
三大不動の一つ
滋賀の園城寺(三井寺)に秘蔵されている平安時代前期の黄不動像を元に描かれた像
京都国立博物館に寄託されている
<曼殊院本 古今和歌集1巻(国宝)>
色変わりの染紙に、優美な和様書体で書写された古今和歌集(こきんわかしゅう)の写本
平安時代の藤原行成の筆といわれる
京都国立博物館に寄託されている
<梟の手水鉢(ふくろうのちょうずばち)>
小書院の南縁先に置かれている手水鉢
月見を楽しんだといわれる
<元三大師木像(重要文化財)>
慈恵大師 慈恵大師 良源の木像
1268年(皇紀1928)文永5年の作
<虎の間襖絵(重要文化財)>
大玄関の虎の間の襖絵
狩野永徳の筆
虎の胴が長く描かれており、想像で描かれたといわれる
<竹の間壁紙(重要文化財)>
大玄関の竹の間の壁紙
日本最初の木版画といわれる
狩野永徳の筆
<孔雀の間襖絵>
大玄関の孔雀の間の襖絵
岸駒の筆
南画風の日本画
人間の一生を孔雀の姿で表現したものといわれる
<立花図42図(重要文化財)>
池坊専好の立花の写生
<紺紙金泥般若心経(重要文化財)>
1541年(皇紀2201)天文10年
後奈良天皇の自筆の写経で、全国66ヶ国に般若心経の奉納をされたもの
全国に現存している7つのうちの一つで、「安房国(現在の千葉県)」と記されている
紺色の別すきの紙に、金の色彩の絵の具で書写したもの
<教訓鈔(重要文化財)>
古典音楽の一つである雅楽の教本
雅楽器も残されている
<不動尊護摩供養> 毎月28日
<弁財天例祭> 正月・4月・9月
<不動尊初護摩> 1月3日
<涅槃会> 2月15日
<菌塚法要> 5月
<良尚親王忌> 7月5日
<曝涼(虫干し)> 10月2〜4日