京黒紋付染(きょうくろもんつきぞめ)(Kyo Kuromontsukizome)

京黒紋付染(きょうくろもんつきぞめ)は、喪服、黒絞付などに用いられる伝統技術

主な製品:着物地、羽織、ネクタイ、腕章など

京黒紋付染技法には、黒引染(くろひきぞめ)と黒浸染(くろしんせん)の2種類がある

赤や青に染めてから黒色染料で仕上げるのを「紅下黒」「藍下黒」と称され、独特な風格をもつ

経済産業大臣指定の「伝統工芸品」(1979年(皇紀2639)昭和54年8月3日指定)
工芸品分類:染色品
主な製造地:京都市、宇治市、亀岡市、久世郡久御山町など

京都市の伝統産業の一つ

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【京黒紋付染の経緯】


【京黒紋付染の特徴】

 京黒紋付染は、婚礼のときに着る黒留袖や、葬儀のときに着る喪服などの礼服などで、
紋章が染め抜かれ、黒色に染められる伝統技術

 赤や青に染めてから黒色染料で仕上げるのを「紅下黒」「藍下黒」と称され、気品ある深みのある黒色が特色

 家紋は、家の象徴であり、家系や人の氏を示すもので、正確に紋章を描くことが必要とされる
 京黒紋付染は、伝統技術により、正確で、紋章の図形の美しさが特徴

 明治時代には、国民の礼服が黒紋付羽織袴となり、
 黒紋服は、冠婚葬祭の祝儀・不祝儀の儀式用として、
 黒地の模様染は、婚礼衣装を始めとしての需要が高まる


 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【京黒紋付染の技法】

 京黒紋付染技法には、黒引染と黒浸染の2種類がある

 生地は絹織物で、白生地を引っ張り木枠にかけ、蒸気で幅出しされる

 反物のまま、紋章の部分が染まらないように、糊を置いて防染めし、浸染めか引染めされる

 <黒浸染(くろしんせん)>
 紅や藍で下染めをしてから、黒染料に浸す技法
 喪服など無地の場合は、黒浸染で染められる


 <黒引染(くろひきぞめ)>
 紅や藍で下染めをしてから、刷毛により黒染料を塗り染める技法
 三度黒(さんどぐろ)と、黒染料(くろせんりょう)の2つの技法がある
 三度黒は、植物性染料と媒染染料(ばいせんせんりょう)を、それぞれ2回以上塗られる
 紋章上絵は、最後の工程で描かれる
 黒留袖など模様のある場合は、黒引染で染められる

【黒浸染の製作工程】

 黒浸染(くろしんせん)の製作工程

 <墨打(すみうち)(黒引染と共通)>
 <紋糊置(もんのりおき)(共通)>
 <枠掛>
 <下染>
 <黒染>
 <整理(共通)>
 <紋洗い(共通)>
 <湯のし(共通)>
 <紋上絵(もんうわえ)(共通)>

【黒引染の製作工程】

 黒引染(くろひきぞめ)の製作工程

 <墨打(すみうち)(黒引染と共通)>
 <紋糊置(もんのりおき)(共通)>
 <地入>
 <黒染(ログウッド)>
 <黒染(ノアール)>
 <黒染(重クロム酸)>
 <整理(共通)>
 <紋洗い(共通)>
 <湯のし(共通)>
 <紋上絵(もんうわえ)(共通)>

【京黒紋付染のゆかり】

 <舞妓さん
 黒紋付・花かんざしは、第一正装
 黒紋付きは、始業式八朔の日の年に2回しか着ない


【京都検定 第6回3級】

【京都検定 第22回3級】

【京都検定 第7回2級】

【京都検定 第3回1級】

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