京仏壇(きょうぶつだん)

工芸品分類:仏壇・仏具

主な製造地:京都市、宇治市、城陽市、亀岡市、向日市、長岡京市など

経済産業大臣指定の「伝統工芸品」(1976年(皇紀2636)昭和51年2月26日指定)

京都市の伝統産業の一つ

主な製品:仏壇

地域団体商標「京仏壇」

 京都で生産される仏壇、仏具の約70%が寺院用、約30%が家庭用
 全国の寺院用仏具の約80%が京都で生産されている
 大本山のような大寺院では、寺内町(じないちょう)を形成し、仏壇仏具の老舗も多い

 京都で生産される仏壇、仏具は、多くの寺々と数多くの国宝や文化財の中で発達し、
優れた木工、彫刻、漆工、箔押、錺金具(かざりかなぐ)など、多くの高度な伝統技術を集約され、
各宗派によって仕様がさまざまであり、大量生産は難しく、手づくりにより、
常にその時代ごとの最高級品が求められ、作り出されてきている

【京仏壇の経緯】


【京仏壇の特徴】

 京仏壇は、家庭における「寺院の本堂」となるように作られている
 本尊や脇侍(きょうじ)、須弥檀(しゅみだん)、仏前の様々な仏具が縮図として模される

 木工、彫刻、漆工、箔押、錺金具などの技術を駆使した総合工芸品となっており、
 細かく分業され、40数職種もの専門的な手仕事が行われ、再興品質のものが生産されている

 阿弥陀如来を祀る仏壇は、西方極楽浄土を金色で表現し、黄金に光り輝いている

 西本願寺系の仏壇の欄間(らんま)には、本堂の欄間と同じ牡丹の花が刻まれる

【京仏壇の種類】

 京仏壇には、金仏壇、唐木仏壇、新仏壇の3種類ある

 <金仏壇>
 檜や杉の白木に漆を塗り金箔を押したもの
 宗派によって形が異なる

 <唐木仏壇>
 黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、桜などの唐木を使い、生地の木目を生かしたもの
 宗派による特徴はない

 <新仏壇(家具調仏壇・ミニ仏壇)>
 洋間にも合うモダンな意匠の家具調仏壇や、小型の仏壇などがある

【京仏壇の製造工程】

 <工部>
 木地、木彫、漆塗、箔押し、蒔絵彩色、飾り金具など複雑な工程を分業する部門
 これらの工程からさらに細かく分業される

 <商部>
 複雑な工程を総合し、最終的に組み立てる部門

 <木地(きじ)>
 厳選された木材で仏壇の本体を作る

 <屋根(やね)>
 こまかい部品を手仕事で作り、各々組立式に屋根を作る

 <木彫刻(もくちょうこく)>
 図柄を選定し、桧、松などの木材に、のみ、小刀などにて手彫りする

 <漆塗(うるしぬり)>
 形作られた木地の上に下地加工したのち、天然精製うるしにて手塗りする

 <蝋色(ろいろ)>
 うるし塗の表面を平らに木炭にて研ぎ、磨いて光沢を出すなど仕上げ加工する

 <純金箔押(じゅんきんはくおし)>
 天然精製箔押うるしにて純金箔を一枚ずつ張り、またはその上に金粉を施される

 <錺金具(かざりかなぐ)>
 銅その他の地金(金属板)に手加工にて彫金をしたのち、仕上げをし鍍金加工などを施される

 <蒔絵
 蝋色加工した上に漆で絵を描き、その上に金粉、銀粉などを蒔き、さらに加筆し研出し磨き上げられる

 <彩色(さいしき)>
 金粉、顔料、絵具などにて金箔の上に加工し、または直接下地造りの上に描かれる

 <総合組立>
 各工程の完了したものを一ヵ所に集め、総合的に最終組立てられる

 <仏像彫刻>
 白壇、松、桧、桜、楠などの素材にて定められた技法により彫刻される

 <金属>
 銅または銅合金にて金属仏具を鋳造、または打出し加工される

【その他】

 <東西両本願寺門前町
 京仏壇や京仏具、お香などの老舗が軒を連ね、歴史と伝統文化の薫りを感じながら散策を楽しめるエリア


【京都検定 第17回3級】

【京都検定 第23回3級】

【京都検定 第19回2級】

【京都検定 第5回1級】

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