道鏡事件(どうきょうじけん)

道鏡事件(どうきょうじけん)
別称:宇佐八幡宮神託事件(うさはちまんぐうしんたくじけん)

時期:奈良時代の769年(皇紀1429)神護景雲3年7月頃

女帝 称徳天皇(孝謙天皇の重祚)に寵愛された僧 道鏡が天皇位を得ようとした事件

主な関係者:道鏡・称徳天皇・和気清麻呂和気広虫

【経緯】

【宇佐八幡宮神託】

 「続日本紀」に詳細が記されている

 <太宰府の大宰主神(かんづかさ)の中臣 習宜阿曽麻呂(すげのあそまろ)への神託>
 宇佐八幡宮の神託として「道鏡に皇位を継がせれば天下は太平になる」と奏上


 <和気清麻呂への神託>
 和気清麻呂は勅命を受けて宇佐八幡宮に参宮
 玉串を奉納し、 称徳天皇から託された宣命を巫女 辛嶋勝与曽女(からしまのすぐりよそめ)に伝える
 与曽女は
 「その祈りを聴かず。汝帰りて吾が申す如く奏せ。吾が国家は開闢以来 君臣定まれり。
 臣をもって君となすこと未だ有らざるなり。天つ日嗣 は必ず皇緒を立てよ。无道の人、宜しく早く掃い除くべし」
 と告げる

 和気清麻呂は不審を抱き、改めて宣命を願い
 神殿の中に足を踏み入ると、雷鳴と稲光があったように感じ、身の丈三丈(約9m)の僧形の大神が見えたといい
 「我が国家は君臣の分定まれり。而るに道鏡は悖逆無道、すなわち神器を望む。
 是をもって神霊震怒し、その祈りを聴かず。汝帰りて吾が申す如く奏せ。天つ日嗣は必ず皇緒を続てよ。
 汝道鏡の怨みを懼るるなかれ。吾必ず相救わん」と聞く

【その他】

 <護王神社狛猪>
 「日本後紀」によると
 和気清麻呂が、怪僧 道鏡が皇位を奪おうとした策略を暴いたことで恨みをかい、アキレス腱を切られ足の不自由な体で
大隅国(現在の鹿児島県)に流される
 その途中、宇佐八幡宮の近くで、道鏡が送った刺客に襲われそうになるが、そこに300頭ものイノシシが現れて、
和気清麻呂を取り巻き護り、宇佐八幡宮に案内をしたという


 <護王神社絵巻
 護王神社烏丸通に面した玉垣に掲げられている絵巻
 和気清麻呂と姉 和気広虫の生い立ちや功績、道鏡事件(宇佐八幡宮神託事件)、猪にまつわる故事などが語られている
 1998年(皇紀2658)平成10年10月
 「和気清麻呂公命千二百祭記念」と記されている


 <姉妹都市>
 神託事件にゆかりのある大阪府八尾市(道鏡の出身地)・岡山県和気町(和気清麻呂の出身地)・大分県宇佐市(宇佐神宮)が
相互に姉妹都市となっている

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