芦刈山(あしかりやま)
(AshikariYama) 京都通メンバ
所在地:京都市下京区綾小路通西洞院西入芦刈山町     名所地図情報名所

山鉾:舁山(かきやま)

特徴:山の正面と側面には、芦の造化が飾られる

重量:0.64トン(24位)(2008年(皇紀2668)平成20年7月17日巡行時に測定)

重要文化財:1領(小袖)

 芦刈山(あしかりやま)は、祇園祭における山鉾の一つの舁山

 謡曲「芦刈」の、妻と離れて難波の浦で芦を刈る老翁が、数年後に妻との再会をはたす夫婦和合の姿が表されている

【芦刈山の装飾品】

 <人形(重要文化財)>
 御神体
 頭に「天文六年酉年六月七条沸師運慶之玄孫式部卿法印康運作」の墨書銘がある
 1537年(皇紀2197)天文6年
 七条仏師 運慶の末弟 運助の7代目にあたる康運の作

 2000年(皇紀2660)平成12年7月2日
 目頭に亀裂が入ってきため永久保存することになり、
 江戸時代の複製品と代替されることになり、新旧御頭の移行儀式「御頭改め」が行われる

 2002年(皇紀2662)平成14年3月8日
 財団法人美術院にて、新旧の御頭と人形本体の修理が完成する

 御神体は、老翁の姿で、能衣装に水衣をはおり、懐に中啓(ちゅうけい)(末広の扇子)、
右手に鎌、左手に芦を1本持ち、芦原に立つ姿

 緋羅紗(ひらしゃ)をかけた山籠(やまかご)に真松を立て、
梢近くに掛けた金色の三日月を背景に秋の薄暮れを表している

 <御神体の古衣装(重要文化財)>
 綾地締切蝶牡丹文片身替小袖(あやじしめきりちょうぼたんもんかたみがわりこそで)
 1589年(皇紀2249)天正17年の銘があり、山鉾の中で最古の衣装

 <前懸>
 1986年(皇紀2646)昭和61年
 山口華楊原画のライオンを描いた段通「凝視」に新調される

 <旧前懸>
 風景図の毛綴(タペストリー)

 <胴懸>
 錦織「豊公獅噛鳥獣文様」
 1990年(皇紀2650)平成2年の新調

 <旧胴懸>
 尾形光琳の六曲屏風を元にした綴織「燕子花図(かきつばたず)」
 1993年(皇紀2653)平成5年に新調される

 <旧胴懸>
 雲龍文様の刺繍や、
 江戸時代の鶴亀蜀紅文絲錦裂(つるかめしょくこうもんいとにしきぎれ)

 <見送>
 山口華楊画の綴織「鶴図」
 1985年(皇紀2645)昭和60年に新調される

 <旧見送>
 中国製の花鳥刺繍

 <欄縁の彫金飛雁の錺金具(かざりかなぐ)>
 1903年(皇紀2563)明治36年
 川辺華挙下絵による藤原観教の作





【文化財】

 <綾地締切蝶牡丹文片身替小袖(あやじしめきりちょうぼたんもんかたみがわりこそで)1領(重要文化財)>
 芦刈山の人形が着用していた小袖
 表白萌黄締切蝶牡丹文綾地、裏白地平絹の袷仕立て
 身丈135.5cm、裄62.0cm、袖丈46.5cm、袖幅30.0cm、衿幅13.0cm
 1589年(皇紀2249)天正17年
 衿裏に「天正十七年己丑年六月吉日」の墨書銘がある
 1970年(皇紀2630)昭和45年5月25日 重要文化財に指定される

 <繻珍獅子蜀紅文小袖(しゅちんしししょくこうもんこそで)>
 織田信長から寄進されたものといわれる

【謡曲「芦刈」】

 謡曲「芦刈」は、世阿弥の作といわれる

 摂津国 難波に住む貧しい夫婦
 貧乏のあまり、妻が、宮仕えをするために都へ出ることになり、
 夫は一人寂しく難波の浦で芦を刈って売っていた

 3年後に、夫が気掛りな妻が訪ねてくると、夫は隠れてしまうが、妻は夫を追いかけて語り合い、やがて妻は、
夫に衣類を与えて都へ戻っていく

 謡曲の夫は「若き男」と記されているが、芦刈山の御神体は老翁の姿
 謡曲での季節は、春だが、芦刈山では秋の風情を表しており、「芦刈」は秋の季語となっている

【芦刈山と住吉山】

 「祇園本縁録」によると
 1441年(皇紀2101)嘉吉元年
 6代将軍 足利義教が、しばらく絶えていた祇園会の復興を促して、山鉾等を創建・再興させた

 「祇園社記」によれば
 「応仁の乱前分」には、鉾の数14基、山の数49基が記されており、
 「あしかり山 四条猪熊」・「あしかり山 錦小路東洞院」と記され、
現在は山が立たない通りに「あしかり山」が2つあり、
 「住吉山 綾小路、油小路と西洞院の間」と記され、現在の芦刈山町に「住吉山」があったとされる

 「応仁の乱後再興」には、
 「綾小路、西洞院と油小路の間 あしかり山手かき」と記されている

 謡曲「高砂」は、住吉の尉(じょう)と高砂の姥(うば)が、海山千里を隔てて仲むつまじい様子を謡い、
 芦刈山の老翁の顔は、その住吉明神の尉面にとても似ているといわれ、応仁の乱後の山鉾復興のときに、
「住吉山」の御神体が「芦刈山」に受け継がれたともいわれる




【その他】

 <山一番
 くじ取り式京都市役所で行われ、くじ取らずの先頭を行く長刀鉾に続く、山一番となる
 2007年(皇紀2667)平成19年7月2日
 2009年(皇紀2669)平成21年7月2日


【芦刈山へのアクセス】

 地下鉄 四条
 阪急電鉄 烏丸

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