新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)

新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)

鎌倉時代初期

9番目の勅撰和歌集、二十一代集のうちの十三代集の最初

成立:1235年(皇紀1895)文暦2年3月12日

全二十巻

総歌数:約1370首

宣旨:後堀河天皇

撰者:藤原定家

別名:宇治川集

 新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)は、後堀河天皇の宣旨によって編纂された9番目の勅撰和歌集

 全二十巻で、約1370首が収められている

 別名「宇治川集」などと称されている

【新勅撰和歌集の歴史・経緯】

【新勅撰和歌集】

 藤原定家による仮名序がある

 仮名序に書名の由来は語られていないが、勅撰集のあるべき姿を示して、新たな模範を示すものとされる

 四季歌があり、恋歌・雑歌との間に賀歌・羇旅歌・神祇歌・釈教歌を入れた
 哀傷と離別の巻はなく、それぞれ雑歌・羇旅に含めているのは、他の勅撰和歌集での例がない

 <全二十巻>
 巻第一 春歌上
 巻第二 春歌下
 巻第三 夏歌
 巻第四 秋歌上
 巻第五 秋歌下
 巻第六 冬歌
 巻第七 慶賀歌
 巻第八 羈旅歌
 巻第九 神祇歌
 巻第十 釈教歌
 巻第十一 恋歌一
 巻第十二 恋歌二
 巻第十三 恋歌三
 巻第十四 恋歌四
 巻第十五 恋歌五
 巻第十六 雑歌一
 巻第十七 雑歌二
 巻第十八 雑歌三
 巻第十九 雑歌四
 巻第二十 雑歌五

 <総歌数 約1370首>
 伝本によって歌数が違う


 <撰者>
 藤原定家が単独で編纂した

 選定は、万葉集から同時代まで、各時代漏れがなく、
 万葉集、古今和歌六帖、久安百首、寛喜元年女御入内屏風和歌、貞永元年関白左大臣家歌合、千五百番歌合、
建保四年内裏百番歌合、伊勢物語、新古今和歌集などから多く採られている


 <主な歌人>
 藤原家隆(43首)・九条良経(36首)・藤原俊成(35首)・西園寺公経(30首)・慈円(27首)・源実朝(25首)・九条道家(25首)・
 飛鳥井雅経(20首)・相模(18首)・殷富門院大輔(15首)・藤原定家(15首)・西園寺実氏(15首)・紀貫之(14首)・西行法師(14首)・
 式子内親王(14首)・源俊頼(13首)・二条院讃岐(13首)・八条院高倉(13首)

 藤原定家が庇護を受けた九条家・西園寺家の入集が多い

 承久の乱により流刑となった大歌人でもある後鳥羽天皇、土御門天皇、順徳天皇の歌は除外されている

 新古今和歌集の主要歌人が引き続き多くを占めるが、新古今和歌集の最多入集歌人の西行法師は14首と大幅に減った


 <歌の特徴>
 新古今和歌集の華やかさから、平明枯淡な作風の歌が多い

 細川幽斎の書には「新古今集は花が過ぎたりとて、新勅撰には実を以て根本とせり」とある

 表現の華麗さよりも、心の内実を重んじられ、新古今和歌集の「花」に対して「実」として尊重される

 中世和歌において支配的であった二条家の三代集として、二条家の歌風の模範とされる

【ゆかりの歌】

 <小倉百人一首文芸苑 野々宮地区
 小倉百人一首歌碑巡りの一つ
 新勅撰和歌集から採られた歌4首の歌碑が立っている

 <富士山本宮浅間大社
 北条泰時の歌の詞書
 「駿河国に神拝し侍りけるに、ふじの宮にてよみて奉りける」

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