五畿七道(ごきしちどう)

五畿七道(ごきしちどう)とは、古代日本の律令制における、広域の地方行政区画

都に近い5つの国と
畿内から放射状に伸びる7つの道に沿って区分された7つの地域

別称:畿内七道(きないしちどう)
後に:五畿八道

現在、五畿八道に由来した東海地方、東山地方、北陸地方、山陽地方、山陰地方、北海道など地方名として残る

【五畿七道の歴史・経緯】

【五畿】

 都に近い5つの国のこと

 現在の奈良県、京都府中南部、大阪府、兵庫県南東部を合わせた地域  畿内とも称される

 <大和国>
 現在の奈良県

 <山城国
 現在の京都府南部

 <摂津国>
 現在の大阪府北西部と兵庫県東部

 <河内国>
 現在の大阪府南東部

 <和泉国>
 現在の大阪府南部

【七道】

 畿内から放射状に伸びる7つの道に沿って区分された7つの地域

 七道の各国の国府は、それぞれ同じ名の幹線官道(駅路)で結ばれていた

 幹線官道としては、大路・中路・小路の3つに区分され、原則として30里(約16km)ごとに駅(駅家)が置かれる

 駅(駅家)には、往来する人馬の休息・宿泊施設があった
 駅馬が常備され、備える馬の数が道ごとに定められていた
 駅鈴を持っている官人や公文書を伝達する駅使が到着すると、乗り継ぎの駅馬や案内の駅子が提供された

 各道に派遣された官人は、駅路で結ばれた国府を順に巡察した


 <東海道
 伊賀国・伊勢国 ・志摩国 ・尾張国 ・三河国 ・遠江国 ・駿河国 ・甲斐国 ・伊豆国 ・相模国 ・安房国 ・上総国 ・下総国 ・常陸国
 後に、武蔵国が編入され15か国

 現在の三重(熊野地方を除く)、愛知、静岡、山梨、神奈川、東京、埼玉、千葉、茨城

 道路としては、中路で、駅馬は駅家ごとに10頭


 <山陰街
 丹波国・丹後国・但馬国・因幡国・ 伯耆国・出雲国・石見国・隠岐国の8か国

 現在の京都府中部・北部、兵庫県北部、鳥取、島根

 道路としては、小路で、駅馬は駅家ごとに5頭


 <山陽道
 播磨国・美作国・備前国・備中国・備後国・安芸国・周防国・長門国の8か国

 現在の兵庫県南部、岡山、広島、山口

 道路としては、唯一の大路で、駅馬は駅家ごとに20頭


 <東山道(とうさんどう)>
 近江国・美濃国 ・飛騨国・信濃国 ・武蔵国 ・上野国 ・下野国
 後に、陸奥国・出羽国が編入され、武蔵国が編出され8か国となる

 現在の滋賀、岐阜、長野、群馬、栃木、福島、山形、宮城、秋田、岩手、青森

 道路としては、中路で、駅馬は駅家ごとに10頭


 <北陸道(ほくりくどう)>
 大化の改新のときは、若狭国・越国
 後に、越国が、越前国・越中国・越後国に3分し、佐渡国が編入される
 その後に、越前国から能登国・加賀国が分かれて、7か国となる

 現在の福井、石川、富山、新潟

 道路としては、小路で、駅馬は駅家ごとに5頭


 <南海道(なんかいどう)>
 紀伊国・淡路国・阿波国・讃岐国・伊予国・土佐国の6か国

 現在の三重県熊野地方、和歌山県、淡路島、香川、徳島、愛媛、高知

 道路としては、小路で、駅馬は駅家ごとに5頭


 <西海道>
 北九州の筑紫国・肥国・豊国からそれぞれ分割されて、筑前国・筑後国・肥前国・肥後国・豊前国・豊後国に、
 南九州の薩麻国・日向国から大隅国が分離して、9か国

 現在の福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎、熊本、鹿児島

 大陸との外交・防衛上の重要性から、唯一、西海道として大宰府が置かれて9か国が管轄された

 道路としては、小路で、駅馬は駅家ごとに5頭

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