瀬見の小川(せみの小川)は、下鴨神社・糺の森を流れる川
下鴨神社には、表参道の西側を瀬見の小川が、東側には泉川の2つの川が流れる
上賀茂神社にも、賀茂伝説に登場する瀬見の小川が流れている
<御手洗池-御手洗川-楢の小川-瀬見の小川>
下鴨神社 御手洗池から流れ出し「御手洗川(みたらしがわ)」と称される
回廊から出て、糺の森に入り、
舩島の南側で泉川の支流と合流するあたりから「楢の小川(ならのおがわ)(奈良の小川)」と称される
表参道の あけ橋くぐると「瀬見の小川」と称される
<風土記「山城国逸文(やましろのくにいつぶん)」>
下鴨神社の祭神 賀茂建角身命により名付けられたといわれる
鎌倉時代には、馬場の西側を流れていた
流路跡(りゅうろあと)からは、祭祀で使われる土器が出土している
1694年(皇紀2354)元禄7年
賀茂祭の行粧(ぎょうしょう)、走馬十列の義(そうめとおづらのぎ)が復興され、馬場が整備されて、
鴨川を源流とする現在の流路になる
<瀬見の小川の復元>
2015年(皇紀2675)平成27年から2年間
下鴨神社第3期整備事業により、下鴨城跡周辺の発掘調査が行われ、
瀬見の小川の石積遺構が見つかる
下鴨城跡の城郭遺構は発見されなかった
川幅3m、深さ0.5mほどで、石の護岸があった
上下2層になっており、上層は昭和時代のもの、下層は江戸時代のものとされる
表参道と御影通の南西側、鴨社資料館 秀穂舎の向かい側に、
石積遺構が再現され、小川の流れも復元されている
<和歌>
「石川や 瀬見の小川の清ければ 月も流れをたづねてやすむ」
鴨長明・新古今和歌集
<上賀茂神社の瀬見の小川>
上賀茂神社にも賀茂伝説に登場する瀬見の小川が流れている
下鴨神社の祭神となる玉依媛命が、瀬見の小川を流れてきた丹塗の矢を取り上げると懐妊して、
上賀茂神社の祭神となる賀茂別雷大神を産んだといわれる