龍光院(りょうこういん)
(RyoukouIn) 京都通メンバ
所在地:京都市北区紫野大徳寺町 
   卍地図情報卍

臨済宗大徳寺派の大徳寺塔頭

創建:1606年(皇紀2266)慶長11年

創建:黒田長政

勧請開山:春屋宗園(しょんおくそうえん)

国宝:1棟(書院)

 龍光院(りょうこういん)は、大徳寺の南西の総門から2つめにある塔頭の一つ

【龍光院の歴史・経緯】

【龍光院の伽藍】

 書院1棟が国宝に、
 6棟(兜門・禹門・昭堂・盤桓廊・寮及び小庫裏・黒田家霊屋)が重要文化財に指定されている

 <書院(しょいん)1棟(国宝)>
 十畳、八畳、六畳、四畳半、三畳、八畳、広縁、縁で構成されている
 一重、寄棟造、こけら葺、水屋もある
 四畳半台目茶室の周囲に、広間などが増築されたもの
 床、付書院、違い棚、張付壁がある書院造の様式
 床の間とは別に、手前座の南側に奥行の浅い床の間があり「密庵床(みったんどこ)」と称される
 密庵床は、密庵禅師の墨蹟を掛けるために造られたといわれる専用の書院床(付書院がある床)
 1649年(皇紀2309)慶安2年頃に増築される
 1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される
 1961年(皇紀2621)昭和36年4月27日 密庵と合わせて1棟として国宝に指定される

 茶室 密庵
 書院の北西隅にある四畳半台目茶室
 小堀遠州の作といわれる
 西側の縁側境を明障子、南側の十畳間との境を襖で仕切り、東北側に手前座、北側壁の西寄りに床の間がある
 寛永年間(1624年~1644年)の建立
 1961年(皇紀2621)昭和36年4月27日 書院1棟として国宝に指定される


 <昭堂(本堂)1棟(重要文化財)>
 書院の西に建つ
 桁行六間、梁間四間、一重、寄棟造、檜皮葺
 1649年(皇紀2309)慶安2年の建立
 1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される

 <盤桓廊(ばんかんろう)1棟(重要文化財)>
 本堂と書院の間の南方に位置する廊下
 桁行四間、梁間二間、一重、切妻造、檜皮葺
 1649年(皇紀2309)慶安2年 本堂と同じ時期に建立される
 1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される

 <兜門(かぶともん)1棟(重要文化財)>
 龍光院の表門
 一間平唐門、檜皮葺
 江戸時代初期の建立
 1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される

 <禹門(うもん)1棟(重要文化財)>
 一間一戸向唐門、檜皮葺  1649年(皇紀2309)慶安2年頃の建立
 2016年(皇紀2676)平成28年2月9日 重要文化財に指定される

 <寮及び小庫裏 1棟(重要文化財)>
 桁行23.0m、梁間8.1m、一重、南面寄棟造、庇及び唐破風付、西面庇付、こけら葺及び桟瓦葺
 東面玄関附属、入母屋造、桟瓦葺
 1649年(皇紀2309)慶安2年の建立
 2016年(皇紀2676)平成28年2月9日 重要文化財に指定される

 <黒田家霊屋(くろだけたまや)1棟(重要文化財)>
 境内の南西、土塀西側の墓所にある霊廟
 黒田孝高(如水)と、正室 照福院櫛橋光の五輪塔が安置されている方三間堂
 組物や木鼻、実肘木の絵様など精緻なつくりがされている
 桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造、銅板葺
 1608年(皇紀2268)慶長13年の建立
 2016年(皇紀2676)平成28年2月9日 重要文化財に指定される


【龍光院の寺宝】

 国宝 美術工芸品に4件(曜変天目茶碗・書跡典籍3件)、その他9件が重要文化財に指定されている

 工芸品

 <曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)1口(国宝
 中国 南宋時代の福建省の建窯で創られたもの
 高6.6cm、口径12.1cm、高台径3.8cm
 建戔特有の捻り返しがある口部、低く小さい高台がついている
 漆黒釉が厚くかかり、内面のほぼ全面に曜変が現れている
 星紋の粒が小さく、青光も細く短い
 曜変天目茶碗とは、黒釉の表面に大小の斑紋が現れ、虹のようにきらめくもの
 曜変天目の遺品はきわめて稀少で、日本にのみ、3,4碗だけが残されているといわれる
 1908年(皇紀2568)明治41年4月23日 重要文化財に指定される
 1951年(皇紀2611)昭和26年6月9日 国宝に指定される

 <油滴天目茶碗(ゆてきてんもくちゃわん)1口(重要文化財)>
 中国 南宋時代の作品
 1908年(皇紀2568)明治41年4月23日 重要文化財に指定される
 附指定:唐草文螺鈿天目台 1口

 書跡・典籍

 <密庵咸傑墨蹟(みったんかんけつぼくせき)1幅(国宝
 法語(綾本)
 1179年(皇紀1839)治承3年
 淳熙己亥仲秋日(己亥の年の旧暦8月の日)
 中国 南宋時代の禅僧 密庵咸傑(みったんかんけつ)の現存唯一の墨蹟とされる
 「墨蹟」は、禅宗高僧の筆跡を指すもの
 茶室 密庵に、この一幅のみを飾るために創られた密庵床(みったんどこ)がある
 附指定の利休の添状は墨蹟とともに伝来してきたものといわれる
 1951年(皇紀2611)昭和26年6月9日 国宝に指定される
 附指定:千利休消息 1幅

 <絹本 竺仙梵僊墨蹟(じくせんぼんせんぼくせき)(明叟斉哲開堂諸山疏)2幅(国宝)>
 中国 元時代の禅僧 竺仙梵僊(じくせんぼんせん)の墨蹟
 竺仙梵僊は、約20年間にわたり日本禅林の振興に尽力し、後の五山文学の基礎を築いた
 現存する竺仙梵僊の墨蹟の中でも大字・大幅であり、代表作とされる
 1952年(皇紀2612)昭和27年11月22日 国宝に指定される

 <大覚禅師筆金剛経(だいかくぜんじぼくせきひつこんごうきょう)1帖(国宝)>
 中国 南宋時代の大覚禅師 蘭溪道隆の自筆とされる
 金剛経は、鳩摩羅什(くまらじゅう)が漢訳した金剛般若羅蜜経のこと
 1625年(皇紀2285)寛永2年
 大徳寺第153世 沢庵宗彭の奥書がある
 1956年(皇紀2616)昭和31年6月28日 国宝に指定される

 <宗峰妙超墨蹟(しゅうほうみょうちょうぼくせき)1幅(重要文化財)>
 法語(要決了死生云々)
 大徳寺の開山 宗峰妙超の筆
 1949年(皇紀2609)昭和24年2月18日 重要文化財に指定される

 <大川普済語録鈔(だいせんふさいごろくしょう)2冊(重要文化財)>
 大徳寺の開山 宗峰妙超の筆
 1949年(皇紀2609)昭和24年2月18日 重要文化財に指定される

 <南浦紹明墨蹟(なんぽじょうみょうぼくせき)1幅(重要文化財)>
 法語
 1307年(皇紀1967)徳治2年晩秋の作
 1949年(皇紀2609)昭和24年2月18日 重要文化財に指定される

 障壁画・襖絵・絵画

 <絹本淡彩 山水図(さんすいず)1幅(重要文化財)>
 中国 南宋時代の馬遠(ばえん)の筆といわれる
 1912年(皇紀2572)明治45年2月8日 重要文化財に指定される

 <絹本著色 十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)16幅(重要文化財)>
 中国 元時代の作
 1912年(皇紀2572)明治45年2月8日 重要文化財に指定される

 <紙本墨画 栗図・柿図 2幅(重要文化財)>
 中国 南宋時代の牧谿の作といわれる
 1914年(皇紀2574)大正3年4月12日 重要文化財に指定される

 <紙本墨画淡彩 琴棋図 六曲屏風一隻(重要文化財)>
 室町時代吉山明兆の作といわれている
 琴棋書画図 六曲屏風のうち一隻が残ったもの
 1970年(皇紀2630)昭和45年5月25日 重要文化財に指定される

 古文書

 <紙本墨書 後西天皇宸翰御消息(ごさいてんのうしんかんごしょうそく)1幅(重要文化財)>
 後西天皇の自筆の手紙
 1916年(皇紀2576)大正5年5月24日 重要文化財に指定される

【龍光院へのアクセス】

 市バス 大徳寺前 徒歩約5分

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