龍光院(りょうこういん)は、大徳寺の南西の総門から2つめにある塔頭の一つ
書院1棟が国宝に、
6棟(兜門・禹門・昭堂・盤桓廊・寮及び小庫裏・黒田家霊屋)が重要文化財に指定されている
<書院(国宝)>
十畳、八畳、六畳、四畳半、三畳、八畳、広縁、縁で構成されている
一重、寄棟造、こけら葺、水屋もある
四畳半台目茶室の周囲に、広間などが増築されたもの
床、付書院、違い棚、張付壁がある書院造の様式
床の間とは別に、手前座の南側に奥行の浅い床の間があり「密庵床(みったんどこ)」と称される
密庵床は、密庵禅師の墨蹟を掛けるために造られたといわれる専用の書院床(付書院がある床)
1649年(皇紀2309)慶安2年頃に増築される
1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される
1961年(皇紀2621)昭和36年4月27日 密庵と合わせて1棟として国宝に指定される
<茶室 密庵(国宝)>
書院の北西隅にある四畳半台目茶室
小堀遠州の作といわれる
西側の縁側境を明障子、南側の十畳間との境を襖で仕切り、東北側に手前座、北側壁の西寄りに床の間がある
寛永年間(1624年~1644年)の建立
1961年(皇紀2621)昭和36年4月27日 書院1棟として国宝に指定される
<昭堂(本堂)(重要文化財)>
書院の西に建つ
桁行六間、梁間四間、一重、寄棟造、檜皮葺
1649年(皇紀2309)慶安2年の建立
1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される
<盤桓廊(ばんかんろう)(重要文化財)>
本堂と書院の間の南方に位置する廊下
桁行四間、梁間二間、一重、切妻造、檜皮葺
1649年(皇紀2309)慶安2年 本堂と同じ時期に建立される
1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される
<兜門(かぶともん)(重要文化財)>
龍光院の表門
一間平唐門、檜皮葺
江戸時代初期の建立
1908年(皇紀2568)明治41年8月1日 重要文化財に指定される
<禹門(うもん)(重要文化財)>
一間一戸向唐門、檜皮葺
1649年(皇紀2309)慶安2年頃の建立
2016年(皇紀2676)平成28年2月9日 重要文化財に指定される
<寮及び小庫裏 1棟(重要文化財)>
桁行23.0m、梁間8.1m、一重、南面寄棟造、庇及び唐破風付、西面庇付、こけら葺及び桟瓦葺
東面玄関附属、入母屋造、桟瓦葺
1649年(皇紀2309)慶安2年の建立
2016年(皇紀2676)平成28年2月9日 重要文化財に指定される
<黒田家霊屋(くろだけたまや)(重要文化財)>
境内の南西、土塀西側の墓所にある霊廟
黒田孝高(如水)と、正室 照福院櫛橋光の五輪塔が安置されている方三間堂
組物や木鼻、実肘木の絵様など精緻なつくりがされている
桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造、銅板葺
1608年(皇紀2268)慶長13年の建立
2016年(皇紀2676)平成28年2月9日 重要文化財に指定される
<密庵咸傑墨蹟(みったんかんけつこくせき)(附 千利休消息)(国宝)>
中国 宋代の禅僧 密庵咸傑(みったんかんけつ)の現存唯一の墨蹟とされる
「墨蹟」は、禅宗高僧の筆跡を指すもの
茶室 密庵に、この一幅のみを飾るために創られた密庵床(みったんどこ)がある
附指定の利休の添状は墨蹟とともに伝来してきたものといわれる
<竺仙梵僊墨蹟(じくせんぼんせんこくせき)(国宝)>
中国 元の禅僧 竺仙梵僊(じくせんぼんせん)の墨蹟
竺仙梵僊は、約20年間にわたり日本禅林の振興に尽力し、後の五山文学の基礎を築いた
現存する竺仙梵僊の墨蹟の中でも大字・大幅であり、代表作とされる
<大覚禅師筆金剛経(国宝)>
大覚禅師 蘭溪道隆の自筆とされる
金剛経は、鳩摩羅什(くまらじゅう)が漢訳した金剛般若羅蜜経のこと
<耀変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)(国宝)>
中国 南宋時代の福建省の建窯で創られたもの
曜変天目茶碗は、黒釉の表面に大小の斑紋が現れ、虹のようにきらめくもの
曜変天目の遺品はきわめて稀少で、日本にのみ、3、4碗だけが残されているといわれる
<紙本墨画淡彩「琴棋図屏風」六曲一隻(重要文化財)>
如拙の作品といわれている