住吉三神(スミヨシサンシン) 住吉大神(スミヨシオオカミ)

日本神話に登場する天津神

古事記:底筒之男神(ソコツツノヲノカミ)・中筒之男神(ナカツツノヲノカミ)・上筒之男神(ウハツツノヲノカミ)
日本書紀:底筒男命(ソコツツノオノミコト)・中筒男命(ナカツツノオノミコト)・表筒男命(ウワツツノオノミコト)

父神:伊邪那岐命
性別:男神

別記:筒之男三神(ツツノオサンジン)・三筒男神(ツツノオノカミ)
墨江之三前大神(スミノエノミマヘオオカミ)・墨江三神(スミノエサンジン)・隅江三神・隅江之三前大神

 住吉三神(スミヨシサンシン)は、全国の住吉神社などに祀られている天津神

 黄泉の国から逃げ帰ってきた伊邪那岐命が、黄泉の国の穢れを清めるために禊をしたときに生まれた

 住吉大神(スミヨシオオカミ)とは、住吉三神と、住吉大社にともに祀られている息長帯比売命神功皇后)を加えた四柱を示す

 古事記禊祓い」の章に登場する

【住吉三神】

 古事記禊祓い」の章によると、
 伊邪那岐命が、死んでしまった伊邪那美命を死者の国(黄泉の国)から連れ戻そうと黄泉の国へ行くが、
腐乱死体となった伊邪那美命を見て、追われて逃げ帰ってきて、
「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」で、黄泉の国の汚穢を洗い清める禊を行った
 そのときに6柱の神々が生まれる

 水の底で身体を洗ったときに生まれた神が底津綿津身神(ソコツワタツミノカミ)
 次に底筒之男命(ソコツツノオノミコト)

 中ほどで成った神が中津綿津身神(ナカツワタツミノカミ)
 次に中筒之男命(ナカツツノオノミコト)

 水の上のほうで身体を洗ったときに生まれた神が上津綿津身神(ウワツワタツミノカミ)
 次に上筒之男命(ウワツツノオノミコト)

 この6柱のうちの3柱が、墨江之三前大神(スミノエノミマヘオオカミ)(住吉三神)とされる


 <古事記>
 底筒之男神(ソコツツノヲノカミ)・中筒之男神(ナカツツノヲノカミ)・上筒之男神(ウハツツノヲノカミ)

 <日本書紀
 底筒男命(ソコツツノオノミコト)・中筒男命(ナカツツノオノミコト)・表筒男命(ウワツツノオノミコト)


 <三韓出征の神託>
 199年(皇紀859)仲哀天皇8年9月
 仲哀天皇が、九州(熊襲)で隼人などの反乱を鎮めていたとき、
 筑紫の橿日宮(かしひのみや)(香椎宮)で、天照大御神と住吉三神が神功皇后に神懸りし、
「貧しい熊襲の地よりも、西方に金銀豊かな国がある(新羅のこと)我ら三神を祀れば新羅も熊襲も平伏する」との神託を得た
 仲哀天皇は、この神託を信じず非難し、熊襲族との戦いを選び、熊襲の矢が当たり死んでしまう
 その後、身ごもっていた神功皇后は、再び神託を受けて、自ら兵を率いて武内宿禰(たけうちのすくね)とともに新羅へ出航し、
神功皇后は神々の力に導かれ、戦わずして新羅・高麗・百済の三韓を従わせたといわれる


 <住江の氏神>
 住吉三神は、大坂の住江(住之江)の豪族の津守氏の海上交通安全の氏神だった
 朝鮮・中国との貿易が盛んになると、この地域は貿易港となって栄え、大和朝廷の航海の守護神として祀られる
 津守氏は、住吉大社の宮司を務めることになる
 遣唐使・遣隋使の船は住吉から出て、住吉大社で出船の儀式が行われた
 日本書紀では、津守氏は、朝鮮の百済・高句麗や中国の唐にまで派遣されている


 <仏の化身>
 神仏習合により、それぞれ仏の化身とされる
   薬師如来(底筒之男神)
   阿弥陀如来(中筒之男神)
   大日如来(上筒之男神)


 <ご神徳>
 海上交通の安全だけでなく、漁業の神さん、貿易・海運・造船の守護をされる
 住吉大神として、神功皇后を一緒に祀られ、軍神、縁結び・子授けのご利益も信仰されている

【ゆかりの地】

 住吉三神は、全国の住吉神社などに祀られている

 住吉神社は、日本全国に約600社あるといわれる


 <三大住吉>
 いづれも三韓征伐に由来する神社である
   住吉大社(大阪市住吉区)
   住吉神社(山口県下関市)
   住吉神社(福岡市博多区)


 <住吉神社
 住吉三神が配祀されている

 <石清水八幡宮
 住吉社(重要文化財)に住吉三神が祀られている

 <長尾天満宮
 三社の住吉社に住吉三神が祀られている

 <城南宮
 住吉社に住吉大神が祀られている

 <鷺森神社
 住吉大明神社に住吉大神が祀られている

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