神道(しんとう)(Shintou)

 神道(しんとう)は、古代より、日本で自然発生的に生まれ、伝統的に伝えられてきた信仰がもととなり、
天皇や貴族、土地の有力一族、武士などにより、政治とも関連しながら発展してきた多神教の宗教

 明確な教義はなく、森羅万象に神が宿ると考え、天津神、国津神などや祖霊が祀られ、儀礼が重んじられる

 「神ながらの道」を略して「神道」と称されているといわれる

 古事記には、日本国土の創生や、神々が生まれた由縁などの神話が記されている

【神道の歴史・経緯】


神々

 明確な教義はなく、古代より、日本で自然発生的に生まれ、伝統的に伝えられてきた信仰により多くの神さんがおられる

 森羅万象(宇宙のすべての生き物・無生物)に神さんが宿ると考えられている

 古事記には、日本国土の創生や、神々が生まれた由縁などの神話が記されている


 <神々の区分>
 天津神(あまつかみ):高天原(たかあまはら)にいる、または高天原から地上に天降った神々の総称
 国津神(くにつかみ):地上に現れた神々の総称
 祖霊神(それいしん):人々や生き物、あらゆる物の祖先の御霊(みたま)の総称

【神社の格】

 <神社(じんじゃ)>
 神々を祭神とする社
 全国の神社の殆どは神社本庁によって統括されている

 <神宮(じんぐう)>
 天皇や皇族を祀る神社
 近代以前は神宮などを名乗るためには勅許などが必要だったが、
現在では、政教分離により皇室が神社に直接関与しないため、特に由緒がない神社でも、神宮を名乗る場合もある

 <社格(しゃかく)>
 延喜式神名帳に基づき、神社の格付けがなされている
 第二次大戦後は、憲法により公的な社格の制度が廃止されたが、
神社本庁が所管している神社と、所管されていない神社とに分けられる

【明治以前の神道の諸派】

 <伊勢神道>

 <吉田神道>
 室町時代中期、吉田兼倶が「唯一神道」を唱え興される

 <土御門神道>
 <吉川神道>
 <垂加神道>
 <出雲神道>

【明治以降の神道の諸派】

 <国家神道(こっかしんとう)>
 大日本帝国憲法下では、信教の自由が明記され、
 その中で「神道は宗教ではない」とされ、神社は内務省神社局が所管していた

 <神社本庁(じんじゃほんちょう)>
 神宮(伊勢神宮)を本宗として、日本全国の約8万社の神社を包括する宗教法人
 日本最大の宗教法人

 <神道十三派>
 戦前に政府から宗教団体として公認されていた、以下の13の神道系教団
   神道大教
   黒住教
   神道修成派
   出雲大社教
   扶桑教
   実行教
   神道大成教
   神習教
   御嶽教
   神理教
   禊教
   金光教
   天理教

 <教派神道連合会>
 1895年(皇紀2555)明治28年に8教派により「神道同志会」が結成される
   出雲大社教
   黒住教
   御嶽教
   實行教
   神習教
   大成教(1976年(皇紀2636)昭和51年に退会)
   扶桑教
   神宮教
 1899年(皇紀2559)明治32年に3教派が加盟し「神道懇話会」と改称される
   神道本局(神道大教)
   神理教
   禊教
 1912年(皇紀2572)明治45年に3教派が加盟し「神道各教派連合会」と改称される
   金光教
   神道修成派
   天理教(1970年(皇紀2630)昭和45年に退会)
 1934年(皇紀2594)昭和9年に現在の「教派神道連合会」に改称される
 1956年(皇紀2616)昭和31年
   大本が加盟

神社系列】

 多くの神社は、本社とされる神社から祭神を分霊(ぶんれい)勧請(かんじょう)されている
 京都に本社がある系列神社も多い

 神社には、祀られている祭神にちなんだ名前が称される

 大きな神社には、摂社・末社として、いろいろな神々が勧請されて祀られている

 主な神社の名前と本社・主な祭神・祭神の別称・祭神のお使い

 <神明神社> 伊勢神宮内宮   天照大御神  太陽神  鶏
 <豊受神社> 伊勢神宮外宮   豊受大御神  御饌の神 鶏
 <八坂神社> 八坂神社     素戔嗚尊
 <祇園社>  八坂神社     素戔嗚尊
 <稲荷神社> 伏見稲荷大社   宇迦之御魂神 穀物神  狐
 <天満宮>  北野天満宮    菅原道真   学問の神 牛
 <北野神社> 北野天満宮    菅原道真   天神さん 牛
 <出雲神社> 出雲大社(島根)  大国主命        兎
 <愛宕神社> 愛宕神社     伊弉冉尊・埴山姫命   猪
 <厳島神社> 厳島神社(広島)  宗像三女神市杵島姫神 弁天さん 鹿
 <えびす神社>西宮神社(兵庫)  えびす神事代主神・蛭子神
 <金比羅神社>金刀比羅宮(香川) 大物主神        蟹
 <八幡神社> 宇佐神宮・石清水八幡宮 八幡大神     鳩
 <日吉神社> 日吉大社(滋賀)  大山咋神大己貴神   猿
 <住吉神社> 住吉大社(大阪)  住吉大神        兎
 <貴船神社> 貴船神社     高龍神
 <熊野神社> 熊野三山(三重)  熊野大神        烏
 <浅間神社> 浅間大社     木花咲耶姫命      猿
 <宗像神社> 宗像大社(福岡)  宗像三女神
 <三島神社> 三嶋大社     大山祇神事代主神   鰻
 <春日神社> 春日大社(奈良)  春日大神        鹿
 <松尾神社> 松尾大社     大山咋神市杵嶋姫命  亀
 <白山神社> 白山比咩神社(石川)白山比咩神(菊理媛神)
 <諏訪神社> 諏訪大社(長野)  建御名方神       白蛇・鶴・鷺
 <秋葉神社> 秋葉山本宮(静岡) 火之迦具土神
 <猿田彦神社>椿大神社(三重)  猿田彦大神
 <大本>   梅松苑天恩郷  大天主太神

【その他】

 <天津祝詞
 神道の祭祀において、神さんに対して唱える祝詞(のりと)の一つ
 禊祓詞(みそぎはらいのりと)とも称される


【京都検定 第1回3級】

35.吉田神社について、次のことは正しいかどうか?
(ウ)神宮の吉田兼倶が、吉田神道を興した

【京都検定 第5回2級】

【京都検定 第9回2級】


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