京都の名水百選(めいすいひゃくせん)

 「名水百選」は、環境庁が選定した全国各地の「名水」とされる100ヶ所の湧水・河川(用水)・地下水

 京都盆地の地下には、琵琶湖の2/3に相当する地下水があるといわれ、昔から名水の地で、多くの泉や井戸があった

 最近は、地下鉄などの開発で、水の出が悪くなっているといわれる


【昭和の名水百選】

 1985年(皇紀2645)昭和60年3月
 環境庁が選定した全国各地の「名水」とされる100ヶ所の湧水・河川(用水)・地下水

 京都府からは2か所が選ばれている

 <伏見の御香水(ごこうすい)
 御香宮神社の境内(手水)
 伏見の名水の一つ

 平安時代初期
 862年(皇紀1522)貞観4年9月9日に湧き出した

 この湧水を飲むと、どんな病気をも癒すと伝えられ、清和天皇から「御香宮」の名称を賜わる

 昔、諸国を回る猿曳芸人が、病で瀕死の状態で、ここへたどり着いたとき、
連れていた猿が、この水を主人に飲ませると、すぐに元気になったといわれている

 江戸時代
 徳川御三家の祖となった徳川家康の九男 徳川義直(尾張徳川家の祖)・十男 徳川頼宣(紀州徳川家の祖)・
十一男 徳川頼房(水戸徳川家の祖)らも、この水を産湯に使ったといわれる

 1982年(皇紀2642)昭和57年
 一時期、水が出なくなっていたが、井戸を掘り下げることによって復元された

 硬度は軟水
 通年18度から20度ほどの一定の水温を保っている

 カリウム、カルシウムなどをバランスよく含み、甘みを感じる喉越しの良さが特徴とされる

 現在でも霊水として、病気平慰・茶道・書道用に持ち帰る人が多い

 旧石井村だったことから「石井(いわい)」とも称される


 <天橋立の磯清水
 宮津市字文珠 天橋立公園内の天橋立神社の井戸
 周囲を海に囲まれているなか、塩分のない清浄な淡水が湧き出ており、不思議な名水とされている
 環境省による京都府の代表的な湧水

 「長寿の水」と称されている

 1678年(皇紀2338)延宝6年
 宮津城主 永井尚長が「磯清水記」の碑を建てた(現存はしていない)

 硬度は、軟水
 炭酸水素ナトリウム、ナトリウム、カリウムが豊富に含まれている

 かつては「一口千金」と謡われたように、飲料できる名水だったが、現在は、手水か煮沸することが必要

 和泉式部の歌「橋立の 松の下なる磯清水 都なりせば 君も汲ままし」

 作者不詳「一口は げに千金の 磯清水」

【平成の名水百選】

 2008年(皇紀2668)平成20年6月
 環境省が選定した全国各地の「名水」とされる100ヶ所の湧水・河川(用水)・地下水

 京都府からは3か所が選ばれている

 <大杉の清水(おおすぎのしみず)>
 大杉神社(舞鶴市字杉山)
 舞鶴市の東端 霊峰青葉山の山間に開けた杉山地区にある大杉神社の祠付近から湧き出ている
 1日の湧水量:2,000トン
 樹齢800年を超える大杉がある
 環境省による京都府の代表的な湧水

 昔、大蛇が下りてきてこの清水を飲むと不思議な力が出て、三本の杉を巻き締め一本の大杉にしたといわれている

 杉山集落でのかんがい用水などに利用されてきた
 現在も、地元集落の全戸に導水管により引水し、生活用水として利用されている
 一部は、水田へのかんがい用水として利用されている
 毎年夏に、湧水に感謝する大杉祭が行われてきている

 2005年(皇紀2665)平成17年以降
 NPO法人名水の里杉山が主体となって、毎年、草刈り、用水路・わさび園の整備や掃除等を実施
 交流イベントの開催や名水にこだわった地酒づくり等のむらづくり活動を行っている


 <真名井の清水(まないのしみず)>
 舞鶴市字公文名・七日市
 伊佐津川の伏流水が湧き出しているものといわる
 1日の湧水量:11,500トン
 環境省による京都府の代表的な湧水

 奈良時代
 丹後風土記には「その味甘露の如し、万病を癒す力がある」と記されている

 江戸時代
 田辺城城主 細川幽斎が、この湧水を田辺城内へ引き入れた日本最古の都市上水道とされている

 江戸時代からの「御水道掃除(おすいどうそうじ)」が、現在も地元自治会で行われており、
湧水池や、その水路の水辺の雑草を掃除する活動が行われている

 現在も、生活用水や農業用水に利用されている


 <玉川(たまがわ)>
 綴喜郡井手町の河川
 日本六玉川の一つ

 「山吹の井手の玉川」など、多くの古典文学に登場し、玉川を題材にした歌や絵画に残されている

 江戸時代
 南山城地方では数少ない水車を利用した工業が発達した
 川沿いには、石に刻まれた水を司る「左馬」が残り、「女芸上達の神」として信仰されている

 明治時代から
 玉川を中心に、ゴミ拾いなどの美化作業に努めてきている

 1999年(皇紀2659)平成11年10月
 京都府が、河川の環境保護や美化活動を行なうボランテイア団体として「水辺パートナーシップ」を認定している

 現在は、玉川の水は貯水され、京都府内最大級の農業用ため池となっている


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