樂美術館(らくびじゅつかん)は、京都市街地 油小路通一条下ルにある美術館
樂焼窯元の樂家に隣接して建てられている
樂家は、三千家の茶風を守る千家十職の一つの茶碗師を務める家系
初代 長次郎以来、約450年の樂家歴代の作品や、茶道具工芸品、関係古文書など
約1200点が所蔵品されている
樂焼とは、轆轤(ろくろ)を使わずに、手と篦(へら)だけで造り、焼上げたもの
楽茶碗は、手捻りと削りで作られており、色は黒か赤が多い
千利休は、特に黒にこだわったといわれる
初代 長次郎以来の樂家歴代の作品や、茶道具工芸品、関係古文書など約1200点が所蔵品されている
約450年にわたって樂家歴代が、次代の参考になるよう手本として残してきたもの
樂家の人たちは、これらの作品を制作の糧として樂焼の伝統を学び、それぞれ独自な作陶世界を築いてきたといわれる
<樂美術館>
地上3階・地下1階
内部は、数寄屋和風を取り入れた展示室3室・収蔵庫・ロビー・研究室からなる
広間(七畳 鞘間付)と小間(四畳半台目)の2席の茶室が併設されている
<二彩獅子像(重要文化財)>
桃山時代、初代 長次郎の作
腹部に「天正二年春 依(寵)命 長次良造之」と彫銘がある
緑釉・透明釉の二彩釉がかかり、樂焼のルーツとなる
<黒樂茶碗 面影(山田宗徧・石川自安書付、覚々斎添状)>
初代 長次郎の茶碗を代表する一碗
山田宗徧が「面影」と書き付け、
石川自安が「細三ノ所持し鉢開によく似申し候由也」と銘の由来を記している
<黒樂筒茶碗 村雨(如心斎書付)>
「長次郎新撰七種」の一つ
唯一高台が碁笥底になっている珍しい茶碗
<樂家>
現在の建物:1855年(皇紀2515)安政2年の再建
国の登録文化財指定
京都市歴史的意匠建造物、京都市景観重要建造物、京都市歴史的風致建造物指定
<石標「樂焼家元 樂吉左衛門宅」>
樂家の建物の前に立てられている
樂美術館は、樂家に隣接して建てられている
本館の敷地は、樂焼の陶土干し場とされていたところ
樂家では代々、京都の土を採掘し、90年ほど寝かされてきた陶土が用いられる
現在使われている陶土は、三代前のものといわれる