泉屋博古館(せんおくはくこかん)
(Senoku Hakukokan) 京都通メンバ
所在地:京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町 
   名所地図情報名所

設立:1960年(皇紀2620)昭和35年7月

収蔵:東洋美術工芸品 約3,500件

国宝1件(釈迦三尊等鏡像)

運営:公益財団法人泉屋博古館

 泉屋博古館(せんおくはくこかん)は、鹿ヶ谷丸太町通白川(天王町)の東にある美術館

 住友家収集の東洋の美術工芸品約3,500件が保存・公開されている

 館の名称は、江戸時代の住友家の屋号「泉屋」と、中国 宋時代に編纂された青銅器図録「博古図録」にちなむ

 東京都港区六本木に分館「泉屋博古館東京」がある

【歴史・経緯】

【泉屋博古館】

 住友家により収集された中国古代の青銅器と鏡鑑を中心に、
 東洋の美術工芸品約3500件を保存・公開されている

 館の名称は、江戸時代の住友家の屋号「泉屋」と、中国 宋時代に編纂された青銅器図録「博古図録」にちなむ

 青銅器館では、青銅器・鏡鑑をテーマ別に展示、青銅器を系統的に辿ることができる

 2号館では、中国や日本の書画・工芸、茶道具、文房具などの美術工芸品が、
折々のテーマで順次企画展示されている

【主な収蔵品】

 江戸時代から住友家に伝来した屏風などのコレクション、

 明治時代・大正時代に、住友家第15代当主 住友吉左衞門が収集した中国古代青銅器や鏡鑑・書画・文房具、

 昭和時代前期に、長男の住友寛一が収集した中国明清代の絵画、

 昭和時代後期・平成時代初期に、第16代当主 住友吉左衞門が蒐集した洋画などが収蔵されている

 国宝1件(釈迦三尊等鏡像)、その他4件が重要文化財に指定されている
 また、東京都の分館にも国宝・重要文化財などを所蔵している

 工芸品

 <線刻 釈迦三尊等鏡像(しゃかさんぞんとうきょうぞう)1面(国宝)>
 平安時代のの銅鏡
 白銅製八稜鏡、径15.1cm、縁厚1.2cm
 八稜形をした鏡面に、大小九体の仏像を巧みに配し、精緻かつ流麗な線刻で描かれている
 鏡面の中央上部に、釈迦如来を、その左右に普賢菩薩文殊菩薩を、
さらに釈迦如来の左右に菩薩を、下方にやや大きく左に不動明王と二童子を、右に毘沙門天が描かれている
 諸像は毛彫り
 鏡背の文様も鋳上がりよく、鏡像の中でも稀に見る優品といわれる
 奈良国立博物館に寄託されている
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される
 1954年(皇紀2614)昭和29年3月20日 国宝に指定される

 <葆光彩磁珍果文花瓶(うこうさいじちんかもんかびん)1口(重要文化財)>
 1917年(皇紀2577)大正6年
 板谷波山(いたやはざん)の作
 高51.0cm X 口径27.7cm X 胴径39.8cm X 高台径21.6cm
 底部中央に「波山」方白印が捺されている
 2002年(皇紀2662)平成14年6月26日 重要文化財に指定される

 仏像・彫刻

 <木造 阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)1躯(重要文化財)>
 1130年(皇紀1790)大治5年11月14日
 胎内に、大治五年十一月十四日造立の銘がある
 奈良国立博物館に寄託されている
 1931年(皇紀2591)昭和6年12月14日 重要文化財に指定される

 <銅造 弥勒仏立像 1躯(重要文化財)>
 中国 北魏時代 498年のもの
 光背の裏面に大魏太和廿二年に肥如県(ひじよけん)の比丘僧が造像した普貴造像の銘がある
 舟型の大光背、四脚座付の蓮華座を含めて一瀉(いつしや)に鋳造されている
 1979年(皇紀2639)昭和54年6月6日 重要文化財に指定される

 考古資料・歴史資料

 <山城国久世郡久津川車塚古墳出土鏡(くるまづかこふんしゅつどきょう)7面(重要文化財)>
 古墳時代のもの
 画文帯神獣鏡 1面・三角縁神獣鏡 1面・変形画文帯神獣鏡 1面・変形四獣鏡 4面
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される


 東京都(分館)の所在

 <絹本著色 秋野牧牛図(しゅうやぼくぎゅうず)1幅(国宝)>
 中国 南宋時代の絵画
 孝宗時代の宮廷画家 閻次平といわれる
 相阿弥や松屋久充らの書付がある
 1957年(皇紀2617)昭和32年2月19日 国宝に指定される

 <絹本著色 楊柳観音像(ようりゅうかんのんぞう)1幅(重要文化財)>
 朝鮮 高麗時代の徐九方の筆
 至治三年六月の年記がある
 高野山 金剛三昧院に伝来してきたもの
 1984年(皇紀2644)昭和59年6月6日 重要文化財に指定される

 <絹本著色 廬山観瀑図(ろざんかんばくず)1幅(重要文化財)>
 中国 清時代の石涛の筆
 図上に李太白詩並に自題が書されている
 1954年(皇紀2614)昭和29年3月20日 重要文化財に指定される

 <紙本著色 三十六歌仙切(さんじゅうろっかせんぎれ)1幅(重要文化財)>
 鎌倉時代の信明の筆
 佐竹家に伝来したもの
 1949年(皇紀2609)昭和24年5月30日 重要文化財に指定される

 <紙本著色 藤原兼輔像(上畳本三十六歌仙切)1幅(重要文化財)>
 平安時代末期
 藤原公任が撰した三十六歌仙の和歌に歌仙の絵姿を添える三十六歌仙絵が制作された
 鎌倉時代
 上畳本(あげだたみぼん)は、三十六歌仙絵のなかで、最古の佐竹本につぐ古い遺品
 各歌仙が上畳の上に坐すところから「上畳本」と称される
 江戸時代
 三十六歌仙絵が切断され、歌仙切(かせんぎれ)として諸家に分蔵されていた
 2000年(皇紀2660)平成12年6月27日 重要文化財に指定される

 <紙本墨画 布袋図 1幅(重要文化財)>
 南北朝時代の黙庵(もくあん)の筆
 幅中別紙に印月江の賛がある
 1949年(皇紀2609)昭和24年5月30日 重要文化財に指定される

 <紙本著色 是害坊絵巻 1巻(重要文化財)>
 室町時代の絵画
 1949年(皇紀2609)昭和24年5月30日 重要文化財に指定される

 <紙本著色 黄山図 1巻(重要文化財)>
 中国 清時代の石濤(せきとう)の筆
 己卯(康煕三十八年)の年記がある
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される

 <紙本著色 黄山八勝図 1冊(重要文化財)>
 中国 清時代の石濤(せきとう)の筆
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される

 <紙本墨画淡彩 山水花鳥図 1冊(重要文化財)>
 中国 清時代の八大山人(はちだいさんじん)の筆
 甲戌(康煕三十三年)の自筆題跋がある
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される

【アクセス】

 市バス 宮ノ前町 すぐ
 市バス 東天王町 徒歩約3分

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