藤原公任(ふじわらのきんとう)(Kintou Fujiwara)

平安時代中期の公卿・歌人・歌学者

生年:966年(皇紀1626)康保3年
没年:1041年(皇紀1701)長久2年正月1日
享年:76

父親:藤原北家小野宮流 関白太政大臣 藤原頼忠(ふじわらよりただ)
長男
母親:醍醐天皇の孫・代明親王の三女 厳子女王(げんしじょうおう)
妻:村上天皇の孫
同母姉:遵子(円融天皇の皇后)

息子:藤原定頼、良海
長女:藤原教通の正室
次女:藤原遵子の養女

官位:正二位・権大納言

一条天皇の四納言の一人
中古三十六歌仙の一人
三舟の才(漢詩・和歌・管弦)

俗称:四条大納言
別称:大納言公任(小倉百人一首

 藤原公任(ふじわらのきんとう)は、平安時代中期の公卿・歌人・歌学者

 漢詩・和歌・管弦に優れ、「三舟の才」と称される

【藤原公任の歴史・経緯】

【藤原公任】

 漢詩・和歌・管弦の三舟の才と称され、有職故実にも詳しく、書にも優れていたといわれる

 勅撰集には「拾遺和歌集」以降に91首が選ばれている

 名門 小野宮流の嫡子として出世も早く、
蔵人頭(天皇の秘書)や検非違使別当(警視庁長官)、勘解由使長官(地方行政の監査役)などの役職を歴任するが、
 政権が、藤原兼家、藤原道隆、藤原道長と移るにつれて、天皇と外戚関係を得られなかったことなどもあり、
不遇を受けるようになる

 藤原公任一家は、非常に和歌に優れてた
 父親 藤原頼忠も勅撰集に4首選ばれている
 姉 遵子も勅撰歌人
 自邸に、歌人を招いて、歌合が主催されていた

 <四納言>
 藤原氏の同族間の激しい争いの中、最大権力者となった藤原道長の側近として公務に精励した4人の大納言
(源俊賢・藤原公任・藤原斉信・藤原行成)の一人とされる

 藤原道長と親しく、藤原道長主催の歌合や遊興にはよく出席して和歌を披露した

 藤原長能は、公任に歌を非難され心痛のあまり病死したといわれる

 藤原範永は、公任に歌を褒められたことが記された詠草を錦の袋に入れて家宝としたといわれる


 <勅撰集「拾遺和歌集」>
 15首が入首されている

 これ以降の勅撰和歌集に88首が入首している)

   <小倉百人一首 55番
 「滝の音はたえて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」
 (昔は流れていた滝は枯れてしまったが、その名声だけは今も残って語り継がれている)
 大覚寺大沢池のほとりにある名古曾滝(なこそのたき)で、離宮 嵯峨院滝殿の滝組の遺構
 999年(皇紀1659)長保元年秋の嵯峨遊覧で、
 大覚寺の枯れた滝と、官職での昇進から遠ざかる自分を重ねた、無常を詠ったといわれる
 藤原行成の「権記」にも記されている


 <私撰集「拾遺抄」>
 勅撰集「拾遺和歌集」に大きな影響を与えたといわれる

 <私撰集「和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)」>
 朗詠用の詩歌選集

 <私撰集「如意宝集」>
 <私撰集「深窓秘抄」>
 <私撰集「金玉和歌集」>

 <私撰集「三十六人撰(さんじゅうろくにんせん)」
 藤原公任が平安時代の和歌の名人36人を選んだ歌集
 選ばれた36人は三十六歌仙と称される


 <歌学書「新撰髄脳(しんせんずいのう)」>
 <歌学書「和歌九品 (わかくほん)」>


 <有職故実書「北山抄(ほくざんしょう)」>
 平安時代の三大故実書の一つ
 摂関政治期における朝廷の儀式・年中行事の詳細が記されている


 <著作「大般若経字抄」>

 <家集「前大納言公任卿集」>

 <交流>
 清少納言和泉式部、赤染衛門、馬内侍、紫式部などと交流があり、歌を詠み交わしている

【藤原公任ゆかりの地】

 <朗詠谷>
 洛北の長谷(ながたに)の地名
 公任が出家後に、平地に山荘を営んで住んでいたところ
 解脱寺から北に1町ほど離れたところ
 婿 藤原教通や、息子 藤原定頼、四納言 藤原斉信など多くの人が訪れたといわれる

 <杉本家
 屋敷地一帯は、関白 藤原頼忠の屋敷があった所で、息子の歌人 藤原公任も住んでいたといわれる

 <大覚寺大沢池
 ほとりにある名古曾滝(なこそのたき)は、離宮 嵯峨院滝殿の滝組の遺構
 小倉百人一首
 「滝の音は絶えて久しくなるぬれど 名こそ流れてなお聞こえけれ」に詠まれた名所
 発掘調査結果に基づき、遣水(やりみず)が復元整備されている

 <西本願寺
 藤原公任が選んだ三十六歌仙の家集を集大成した「三十六人家集(三十七帖)」の写本の中で最古のものが所蔵されている

 <実相院
 7歳で女帝となった明正天皇(後水尾天皇東福門院 和子の第二皇女)の書かれた「三十六歌仙」を所蔵されている
 藤原公任が和歌に秀でた万葉歌人三人に平安歌人三十三人を選んだもの


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