亀岡祭(かめおかまつり)(Festival of Kameoka)

鍬山神社の例祭

場所:亀岡市市街地   名所山鉾の地図名所

期間:毎年10月1日から31日の1ヶ月間

別称:丹波の祇園祭、亀岡の秋祭

お神輿:2基
亀岡祭の山鉾:11基

京都府登録無形民俗文化財「亀岡祭山鉾行事」
亀岡市指定無形民俗文化財「亀岡祭山鉾行事」

 亀岡祭(かめおかまつり)は、亀岡市で毎年10月1日から31日に行われる鍬山神社の例祭

 10月23日から25日までの3日間行われる山鉾行事では、動く美術館といわれる11基の山鉾が城下町を彩り、
「丹波の祇園祭」と称される

 江戸時代初期に定められた祭法に基づき、亀山藩の保護のもと町衆の祭として行われてきた亀岡市の伝統的なお祭

 「亀岡祭山鉾行事」が、京都府登録無形民俗文化財に指定されている

【亀岡祭の歴史・経緯】

 飛鳥時代
 709年(皇紀1369)和銅2年
 大己貴命を祭神として、鍬山神社が創建される

 かつて亀岡盆地が湖だった頃、大己貴命が、黒柄山に神々を集めて相計り、
一艘の樫舟に乗り込み、一杷の鍬で請田(保津峡)の峡を開き、亀岡盆地を肥沃な農地に変えたといわれる
 この神徳を称え、天岡山の麓に大己貴命を祀ったといわれる

 戦国時代
 祭事が中断され、社殿も荒廃する

 江戸時代初期
 1609年(皇紀2269)慶長14年
 岡部長盛が亀山藩藩主になり、鍬山神社や神事の復興が行われる

 1610年(皇紀2270)慶長15年
 鍬山神社が再興され、その後も、歴代藩主の庇護を受ける

 慶安年間(1648年〜1652年)
 樫舟が作られ、楽人が乗ってお神輿の渡御を囃したといわれる

 延宝年間(1673年〜1681年)
 水害や飢餓、災害が多く起こり、古世の住人達が発起して寄進して神輿2基を発注

 1680年(皇紀2340)延宝8年
 亀山郷長 杉原守親が、旧規に基づき「丹波桑田郡矢田郷矢田社之祭法」を撰する
 以後、これに基づいて祭礼が行なわれることになる

 1681年(皇紀2341)延宝9年
 神輿が完成し、祭事が復興される

 1749年(皇紀2409)寛延2年の銘がある
 三輪山の朱塗りの「三ツ之鳥居箱書銘」がある

 形原松平家が亀山藩藩主になり、
 この頃に、山鉾が次々と建造されていったといわれる

 1751年(皇紀2411)寛延4年の銘がある「稲荷山人形衣装箱書」

 1755年(皇紀2415)宝暦5年の銘がある「高砂山人形并山道具入箱書」

 1757年(皇紀2417)宝暦7年の銘がある「三輪山人形装束箱書」

 「船鉾再輿入用扣帳下書」や「矢田船鉾車書付入」などによると
 1831年(皇紀2491)天保2年
 樫舟(船鉾)は、竜頭船の上に唐破風様の御殿をしつらえた豪華なつくりに改修され、
 この頃、山鉾も舁山から曳山への改修が行われるようになる

 1800年(皇紀2460)寛政12年
 難波山の建造記録である「引山記」によると、町衆の質素倹約により舁山から曳山に改修されました


 1953年(皇紀2613)昭和28年
 戦中・戦後に中断していた亀岡祭が再興される
 三輪山鉾だけが町内の東端から西端まで巡行して祭を盛りあげていたといわれる

 1959年(皇紀2619)昭和34年
 亀岡祭山鉾保存会が発足する

 1983年(皇紀2643)昭和58年
 山鉾保存会が各山鉾町に結成され、亀岡祭山鉾保存会は亀岡祭山鉾連合会と改称される

 1984年(皇紀2644)昭和59年
 難波山鉾の囃子が、12年ぶりに復活する

 1986年(皇紀2646)昭和61年
 飾り山となっていた舁山の鍬山が40年ぶりに復活する

 1987年(皇紀2647)昭和62年
 飾り山となっていた浦島山が復活する

 1988年(皇紀2648)昭和63年
 昭和天皇ご病気のため中止される

 1989年(皇紀2649)平成元年
 翁山が80年ぶりに町内を巡行する

 1990年(皇紀2650)平成2年
 市制35周年を記念して、山鉾の集結を実施、8基が本町・旅籠町の角2ヶ所に集結する
 郷土芸能保存振興事業補助金にて、各鉾の台車が新調される

 1997年(皇紀2657)平成9年
 神輿行列にて、剣鉾の鉾差しが復活する

 1998年(皇紀2658)平成10年
 「亀岡祭山鉾行事」が、亀岡市無形民俗文化財指定第1号に指定される

 1999年(皇紀2659)平成11年
 街路整備事業が完成した旅籠町に11基が集結し巡行する
 羽衣山は、囃子が復活して、旗参加

 2000年(皇紀2660)平成12年
 市制45周年により、宵々山が行われる

 2002年(皇紀2662)平成14年
 羽衣山鉾が約130年ぶりに復元・新調される
 鍬山の囃子が約200年ぶりに復活
 11基全てが揃い、旅籠町に集結し巡行する

 2004年(皇紀2664)平成16年3月19日付
 京都府登録無形民俗文化財に登録される

 2005年(皇紀2665)平成17年
 鍬山が、舁山から約200年ぶりに、曳山に復元新調される
 三輪山が、宵々山で、形原神社まで初の夜間巡行をする

 2014年(皇紀2674)平成26年
 文化庁の補助を受け5ヵ年計画で進められてきた、鉄の補助輪から、本来の木の車輪への復元が完了して
8基の曳山すべてが木の車輪による巡行が行われた

 2010年(皇紀2670)平成22年
 くじ取り式が、亀岡市制55周年・丹波亀山城築城400年を記念して約140年ぶりに再生復活された



【亀岡祭の行事】

 10月1日から30日の1か月間、日本三大祭の祇園祭と、ほぼ同じような行事が行われる

 <吉符入り>
 10月1日
 神事始めと称される
 鍬山神社で、氏子領境八箇所御斎(おいみの)榊立(さかきたて)が行われる


 <くじ取り式>
 10月5日
 亀岡市市議場で行われる
 巡行の先陣争いを避けるために、山鉾巡行の順番をクジで決める

 山鉾が競って建造された江戸時代中頃から始められ、1887年(皇紀2547)明治20年まで続けられていた
 江戸時代には、旧暦9月朔日に、町会所で行われ、結果を行列帳に記載して奉行所に提出され、
 本祭の25日に、城下町を巡行して北町門より城内に入り、御館前(現在の亀岡中学校付近)で、藩主の観覧を受けてた

 亀岡市制55周年・丹波亀山城築城400年を記念して約140年ぶりに再生復活される

 亀岡市市長が奉行役となり、鍬山神社宮司、11基の各山鉾保存会代表者など関係者が集り行われる
 まず、くじを引く順番を決める予備のくじ取り(空くじ)が行われ、その順に従って、くじ取りが行われる

 くじ取り式も、亀岡祭山鉾行事の行事の一つとして、京都府登録無形民俗文化財に登録されている


 <御神輿飾り>
 10月18日
 鍬山神社で行われる


 <神幸祭>
 10月20日
 御出祭(おいでまつり)とも称される
 鍬山神社より、鍬山宮・八幡宮それぞれのお神輿が御旅所 形原神社へ出御し、
 25日の本祭まで滞在する
 お神輿は、兎の紋入の鍬山宮と、鳩の紋入の八幡宮の2基


 <形原神社御旅所祭>
 10月20日
 御旅所 形原神社で、お神輿に到着後に行われる


 <会所飾り>
 10月20日
 各山鉾町で行われる
 あんどんが各山鉾町に設置される


 <山鉾行事 宵々宮>
 10月23日
 朝から各山鉾町にて山・鉾建てが行われ、夕方より囃子の演奏が行われる


 <宵宮>
 10月24日
 朝から各山鉾町にて山・鉾飾りが行われ、夕方から囃子の演奏が行われる


 <形原神社御旅所祭>
 10月24日
 御旅所 形原神社


 <本祭 山鉾巡行>
 10月25日
 午前10時〜午後1時 旧城下町一帯

 午前10時頃
 11基の山鉾が呉服町に集結

 午前11時より
 巡行を開始、旅篭町通から柳町通をすべての山鉾が順次巡行し、その後、各山鉾町へ城下町を巡行する

 くじ改め儀式
 旅篭町通の中央付近の本部席前
 山鉾巡行が、順番通りに行われているか、奉行役の市長によってくじ札を確認される
 各山鉾の特長ある所作が見られる

 午後2時頃まで
 巡行後、山鉾は、各山鉾町にて見ることができる


 <還幸祭>
 10月25日
 お神輿は、兎の紋入の鍬山宮と、鳩の紋入の八幡宮の2基が、氏子町内を巡行する
 それぞれのお神輿の前に、剣鉾差により邪気払いが行われる
 鍬山神社で、御神輿お山入り


 <御神輿仕舞い>
 10月26日
 鍬山神社


 <奉告祭>
 10月31日
 鍬山神社



亀岡祭の山鉾

 曳山8基、舁山が3基、計11基の山鉾が、各山鉾町で保存継承されている

 <亀岡祭の山鉾

【その他】

 <丹波桑田郡矢田郷矢田社之祭法>
 1680年(皇紀2340)延宝8年
 亀山郷長 杉原守親が、旧規に基づき定められた祭礼の規定
 以後、これに基づいて祭礼が行なわれてきている
 旧暦の9月25日を中心として、朔日(ついたち)の氏子域の入口8箇所に榊を挿して結界を張ることに始まり、
月末晦日(みそか)のお神輿が御旅所から鍬山神社に戻る還御までの行事が定められている


 <亀山藩と町衆の祭>
 「引山記」によると
 亀山藩藩主が、参勤交代で江戸詰めのときは、お神輿も御旅所までの遷幸だけで、山鉾も出ないひっそりとした祭であるが、
在国の時は、賑やかな祭となり、お神輿や山鉾も城中までも巡幸していたといわれる


 <亀岡・あんどんの路>
 宵々山(23日)、宵宮(24日)には、
 軒下に提燈が灯る山鉾町に町衆による手作りあんどんが設置される


 <車輪復元修復事業>
 文化庁の補助を受け5ヵ年計画で、鉄の補助輪から、本来の木の車輪への復元が進められた
 2014年(皇紀2674)平成26年からは、8基の曳山すべてが木の車輪による巡行が行われる
 進行方向の方向の微調整も、祇園祭の鉾と同様に、木の楔を使って行われるようになる
 交差点での方向転換は、祇園祭のような辻回しは行われず、木製の方向転換装置がついており、
狭い辻の多い城下町の巡行での方向転換や、奉行役(市長)が行うくじ改めのときに、曳山を一回転させる時にも用いられる

【亀岡祭へのアクセス】

 各山鉾町まで、
 JR山陰本線(嵯峨野線) 亀岡駅から徒歩約10分

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