卯(う)は、十二支の第4番目、動物の兎(うさぎ)とされる
「漢書」律暦志によると卯は「冒」、「しげる」の意味があり、草木が地面を蔽うようになった状態を表すといわれる
兎(うさぎ)は、兎形目・ウサギ科の動物
耳が、比較的大きく、音や風の方へ耳の正面が向くよう動かすことができる
眼は、頭部の上部側面にあり、広い視野を確保することができる
縄文時代の貝塚からウサギの骨が出土している
古事記には「因幡の白兎」などに登場する
<神さんの使い>
住吉神社 住吉大神のお使い
出雲神社 大国主命のお使い
<卯年の守り本尊>
文殊菩薩
卯年の守り本尊で、卯年に生まれた人々の開運・厄除け・祈願成就を助けるといわれる
<下鴨神社>
末社 言社(ことしゃ)(重要文化財)
大国主命は、神徳により7つの名前を持ち、それぞれ神社が祀られている
干支(えと)(十二支)に対する守護神として、それぞれ生まれ年に参拝する干支詣(えともうで)が行われる
三言社(北社)祭神:志固男神(しこおのかみ)(卯年・酉年守護神)
<放生院>
十二支守本尊像が祀られている
生まれ歳の干支(えと)による、東西南北と北東、北西、南東、南西の八方角に合わせた八体の守り本尊
卯年生まれ:文殊菩薩
<霊鑑寺>
京都御所 紫宸殿を中心に、十二支の方角に祀られた妙見大菩薩を参拝する洛陽十二支妙見めぐりの一つ
「妙見さん」と称される妙見大菩薩は、
北極星・北斗七星を神格化した菩薩であり、諸星の王として宇宙万物の運気を司どり支配する菩薩といわれる
霊鑑寺は、卯・東の方向にあり「鹿ヶ谷の妙見さん」と称される
<出雲大神宮>
祭神 大国主命に助けられた因幡の白兎
飛び跳ねることから、運気の上昇や飛躍を象徴する動物とされる
なでうさぎの体を撫でると幸せが訪れるといわれ、自分の体の痛い部分と同じ所を撫でると痛みや病気がやわらぐともいわれる
<宇治神社>
兎の手水がある
菟道稚郎子が、兄に皇位を譲って、河内の国からこの地に来て道に迷われたときに、一羽の兎が現れ、
後からついて来られる菟道稚郎子を振り返り、振り返り先導したという「みかえり兎」の故事がある
<岡崎神社>
手水舎に子授けの兎の像がある
背後の紫雲山や岡崎神社の付近一帯が、野兎の生息地で、兎が氏神さまの使いといわれている
子授け祈願・安産祈願・健康のお守袋には、兎が織り込まれている
狛犬の台座・本殿灯篭・斎館の欄間などにもウサギの彫刻がある
<八坂神社>
末社 大国主社(重要文化財)の社殿前に、大国主命と因幡の白兎の像がある
<地主神社>
大国主命と因幡の白兎が、境内入口参道の右側に立っている
大国主命は、打ち出の小槌を持った右手をあげている
兎は、二本足立ちしていて御幣を持っている
<三室戸寺>
本堂前に、狛牛と対面して狛兎が安置されている
三室戸寺のある地域は、古来より、「菟道(うじ)」と称されて、兎に縁があるといわれる
幅60cmの大きな玉を抱いていて、玉の中に卵型の石があり、それが立てば願いが通じるといわれている
<亀岡祭>
神幸祭のお神輿は、兎の紋入の鍬山宮と、鳩の紋入の八幡宮の2基
<高山寺>
紙本墨画 鳥獣人物戯画(国宝)
兎、蛙、猿などの動物を擬人化した絵巻物
現在は、京都国立博物館・東京国立博物館に寄託されており、高山寺で見られるのは模本品
<大覚寺>
板絵著色 大覚寺 障壁画 12面(重要文化財)
正寝殿の狭屋の間の障子の腰板に描かれた「野兎図」に、いろいろなポーズの兎が描かれている
渡辺始興の作とされる
<光源院>
本堂(方丈)の室中の間の14面の襖絵「十二支の図」14面
禅宗寺院では珍しい十二支が描かれている
本堂南側の枯山水庭園 十二支の庭
<猿田彦神社>
本殿の前に、八方位を示す八角形の石の八方位文字盤がある
決まった方位の文字を順に手のひらを強く当てて祈願すると、願い事がかなうと言われる
仕事運:亥→卯→未(いうひつじ)の順
<正法寺>
庭園の白砂に、蛇など、15種類ほどの動物の形をした石が集められており、「石の寺」とも称される
<鈴鹿山(祇園祭の山鉾)>
山鹿清華の下絵の豪華な四季花鳥文様の「山端和親」と題する欄縁金具
正面が凹形に切れ込み、松と鷹・菊と兎・八重桜と尾長鳥・石楠花と鳩・栗と鶉が装飾されている
<月鉾(祇園祭の山鉾)>
<破風蟇股に、波の上を走る白兎が彫られている
下の飾り金具には、星を背負った亀がいて、駆け競べの童話を表している
蟇股の波と兎の木彫り彫刻は、左甚五郎の作といわれる
<相場格言>
「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」
卯年の相場は、上昇相場といわれる