松尾寺(まつのおでら)は、舞鶴市と福井県大飯郡高浜町との境にある青葉山の中腹にある寺院
西国三十三所観音霊場第29番札所で、唯一の馬頭観世音菩薩が祀られている
<本堂(京都府府指定文化財)>
二重屋根の宝形造
1720年(皇紀2380)享保5年に着工
1730年(皇紀2390)享保15年
牧野英成により再建される
<仁王門(京都府府指定文化財)>
江戸時代中期の建立
<手水舎>
宝形造の屋根
<経堂(京都府府指定文化財)>
石段を上がってすぐ左手に建つ
江戸時代中期の建立
<地蔵堂>
堂の欄干に六地蔵が立つ
<大師堂>
本堂から渡り廊下が通じている
<烏蒭渋摩明王殿(うすしまみょうおうでん)>
「うすしま明王」は全ての汚濁を清めるといわれる
<子育地蔵尊>
<供養塔>
本堂の正面にある
<鐘楼>
<弘法大師像>
千百年御遠忌記念
<神馬>
<大銀杏(舞鶴市市指定天然記念物)>
鐘楼の横に立つ
1119年(皇紀1779)元永2年
鳥羽天皇お手植えといわれる
<オオキンレイカ(舞鶴市市指定天然記念物)>
国宝に1幅(普賢延命菩薩)、その他、5件が重要文化財に指定されている
障壁画・襖絵・絵画
<絹本著色 普賢延命像(ふげんえんめいぞう)1幅(国宝)>
美福門院の念持仏を描かれたものといわれる
平安時代の作品
1952年(皇紀2612)昭和27年11月22日 国宝に指定される
<絹本著色 孔雀明王像(くじゃくみょうおうぞう)1幅(重要文化財)>
1904年(皇紀2564)明治37年4月5日 重要文化財に指定される
<絹本著色 終南山曼荼羅図(しゅうなんざんまんだらず)1幅(重要文化財)>
中国の伝説を描いた、北斗七星信仰による珍しい星曼荼羅(ほしまんだら)
鎌倉時代の作
2003年(皇紀2663)平成15年5月29日 重要文化財に指定される
<絹本著色 法華曼荼羅図(ほっけまんだらず)1幅(重要文化財)>
法華曼荼羅は、法華経見宝塔品(ほつけきようけんほうとうぼん)に基づき、
多宝如来・釈迦如来などを体系化し配置した曼荼羅
息災を祈念して行われる法華経法に用いられる
鎌倉時代の作
1979年(皇紀2639)昭和54年6月6日 重要文化財に指定される
<絹本著色 如意輪観音像(にょいりんかんのんぞう)1幅(重要文化財)>
鎌倉時代に如意輪観音が単独に描かれた貴重な作品
1307年(皇紀1967)徳治2年
画中に建長寺在住の一山一寧による賛がある
1995年(皇紀2655)平成7年6月15日 重要文化財に指定される
<紙本墨画 放馬図屏風 六曲一双>
海北友松の筆
仏像・彫刻
<木造 阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)1躯(重要文化財)>
来迎印を結んで坐る阿弥陀如来の等身像
建久年間(1190年~1199年)頃
快慶の初期の作
檜材、寄木造り、彫眼
頭部内面に「梵字アン 阿弥陀仏」の墨書銘がある
1971年(皇紀2631)昭和46年6月22日 重要文化財に指定される
<馬頭観世音菩薩坐像>
西国三十三所観音霊場 第29番札所で、33の観音霊場の中でも唯一の馬頭観音菩薩
秘仏
農耕の守り仏、牛馬畜産・車馬交通・競馬にちなんで信仰を広く得ている
平成20年10月1日より1年間ご開帳される
その他の分類
<後陽成天皇御宸翰 勧修寺光豊宛消息>
<後桜町天皇の御遺品>
<仏舞(重要無形民族文化財)>
5月8日
大日如来・釈迦如来・阿弥陀如来の三如来の面をつけて優雅に舞う
<和歌>
いつしかと 花の木末も 青葉山 なべて緑の 色も涼しき(細川幽斉)
世の中に あらん限りの 言の葉に いくぞかえりの 春や松の尾(細川忠興)
秋ふかみ 青葉の山も 葉せり なこそ時雨の 染めじと思ふに(藤原俊成)
富士なくば 富士とやいわん 若狭なる 青葉の山の 雪のあけぼの(御陽成天皇皇子 八条王子)
<青葉山(あおばさん)>
京都府舞鶴市と福井県大飯郡高浜町またがる山
東峰(693m)と西峰(692m)の2峰からなり、いずれの山頂も高浜町にある
福井県側から眺めると東西に並ぶ2峰が一つに重なり、山の景観がよく、「若狭富士」と称される
険峻な山で、昔から修験道修行の場となっていた