切妻造（きりづまづくり）
雨水が二方へ流れる形式
別称：真屋（まや）・両下造（りょうげづく）
切妻造（きりづまづくり）は、伝統的な屋根を持つ建物の様式の一つ
最頂部の棟（むね）から両側に地上に向かって、２つの傾斜面が本を伏せたような山形をした屋根
一般に屋根の形には、雨水を一方に流す片流れ、二方へ流す切妻造、四方へ流す寄棟造・宝形造・入母屋造がある
寄棟造を「東屋（あずまや）」と称し、切妻造を「真屋（まや）」と称された
かつて一番格の高い屋根とされ、古来の神社建築の多くは切妻造とするものが多い
仏教建築には入母屋造が多い
【切妻造の歴史・経緯】
【切妻造の主な特徴】
屋根の最頂部の棟（むね）から両側に地上に向かって、２つの傾斜面が本を伏せたような山形をした屋根
屋根の棟と平行な面・長辺側を平（ひら）といい、屋根の棟と直角な面・短辺側を妻（つま）という
＜神社建築＞
屋根の最頂部にある構造材の棟木（むなぎ）の上に、屋根を押さえる重石の役目の水平材「鰹木（かつおぎ）」付いている
妻部分の斜め材を囲う破風（はふ）部分の破風板が延長して斜め材「千木（ちぎ）」が突出している
【切妻造の主な神社の建築様式】
＜平入＞
神明造： 伊勢神宮正殿などの様式
他の神社では使用することを禁じられているため「唯一神明造」とも称される
流造： 最も多く、全国的にも広く分布している様式
両流造： 流造から発展したもの
八幡造： 流造から発展したもの
など
＜妻入＞
春日造： 春日大社（奈良市）など、奈良県を中心に分布している
平野造（比翼春日造）：平野神社のみ
熊野造：熊野本宮大社（和歌山）など
大社造： 出雲大社（出雲市）など、主に島根県を中心に分布している
住吉造： 住吉大社（大阪市）など
【切妻造の主な神社】
天穂日命神社・本殿（京都市登録有形文化財）
御香宮神社・表門（重要文化財）
北野天満宮・東門（重要文化財）
下鴨神社
宇治上神社・拝殿（国宝）
八坂神社・西楼門（重要文化財）
【その他】
＜入母屋造＞
屋根の上部が切妻造、下部が寄棟造となっている
