御霊会(ごりょうえ)

御霊会(ごりょうえ)とは、天変地異や疫病流行をもたらす不本意に亡くなった怨霊を鎮めるための神仏習合的な神事

牛頭天王を祀る祇園祭の由来となる祇園御霊会や、火雷天神(菅原道真)を祀る北野の御霊会などの由来となる神事

疫病流行の時期と関わり、陰暦5月・6月の夏の季節に行なわれることが多い

後に祇園社(八坂神社)の祇園祭となる由来の神事

別称:御霊祭(みたままつり)

【御霊会の歴史・経緯】

【主な御霊】

 <六所御霊>
 863年(皇紀1523)貞観5年の神泉苑での御霊会において祀られた5柱の御霊と、後に加えられた藤原広嗣の御霊

 崇道天皇(早良親王
 伊予親王(桓武天皇の皇子)
 藤原夫人(伊予親王の母親 藤原吉子)
 橘大夫(橘逸勢
 文大夫(文室宮田麻呂)

 観察使(藤原広嗣)


 上御霊神社下御霊神社では、
 伊予親王・観察使にかわって井上大皇后(井上内親王)、他戸親王があてられている


 <八所御霊>
 六所御霊に2柱の御霊が追加される

 火雷神(菅原道真
 吉備大臣(吉備真備)

【御霊会ゆかりの地】

 <神泉苑
 当時の国の数66ヶ国に準じて、長さ2丈の鉾が66本立てられて疫病退散が祈願された


 <上御霊神社
 京都御所の北東に八所御霊が祀られた

 <下御霊神社
 京都御所の南東に八所御霊が祀られた

 <八坂神社
 御霊会を由来とする祇園祭が行われている

 <船岡山
 994年(皇紀1654)正暦5年
 疫病が流行し、疫病退散のための御霊会が行われ、船岡山山頂に木工寮 修理職(しゆりしき)の作った神輿二基に
素戔嗚尊の神霊をこめて、船岡山に安置された
 これが、紫野御霊会、今宮祭、出雲路御霊堂などの由来とされる

 <悪王子社
 疫病流行、天変地異などが相次ぎ、御霊会が行われるようになり、
 悪王子社で、山鉾巡行の無事を祈願する神さんとされるようになる

 <御供社
 かつては、神泉苑の南端にあたり、御霊会のときに斎場が設けられ、祇園社の神輿三基が安置され神饌が御供えされており、
社名や町名の由来となる
 現在も、7月24日の祇園祭の還幸祭には、神輿3基が安置される

 <平岡八幡宮
 祇園祭(祇園御霊会)での神輿渡御を先導する鉾の原型ともいわれる 鉾さし(京都市無形民俗文化財)が行われる

 <今宮神社
 平安時代以前から疫病退散の神さんとして信仰され、都の疫病鎮護の紫野御霊会も行われていた神社

 <元祇園梛神社
 「梛神社(なぎじんじゃ)」と称され、京都に疫病が流行り、東山(現在の八坂神社)に、
播磨国飾摩郡白幣山から牛頭天王(素戔嗚尊)が勧請され御霊会が行われたとき、
牛頭天王の分霊をのせた神輿を、一旦、数万本の梛の木があった林の中に置かれ祀られたことが由来

 <雲林院
 4月に各所で行われる「やすらい祭」は、かつて「紫野御霊会」として雲林院で行われていたといわれる

【その他】

 <唐板の煎餅
 平安時代に疫病が流行し、悪霊退散のために御霊会が開かれたとき、健康を祈願して厄除けの煎餅として振舞われた煎餅
 現在は、上御霊神社の神饌菓子は何か?

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