素戔嗚尊(スサノオノミコト)
(須佐之男命) 京都通メンバ
素戔嗚尊(須佐之男命)(スサノオノミコト)は、日本神話に登場する天津神

古事記:建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)、須佐之男神、須佐之男命、須佐能男命、須佐乃袁尊
日本書紀:素戔嗚尊、素戔男尊、素盞嗚尊、神素戔嗚尊、武素戔嗚尊
出雲国風土記:神須佐能袁命(カムスサノオノミコト)、須佐能乎命
別記:建速素盞嗚尊

同一神:牛頭天王(ゴズテンノウ)

父神:伊邪那岐命
母神:ナシ
性別:男神
三貴子の末子

神祇:天津神

 素戔嗚尊(須佐之男命)(スサノオノミコト)は、日本神話に登場する天津神(あまつかみ)

 伊邪那岐命が禊祓(みそぎばらい)を行ったときに生まれた三貴子の第三子(末子)

 海原の統治を委任されるが、母親に会いたいと泣きわめき追放となる

 姉の天照大御神が統治する高天原に昇り暴れ、高天原からも追放になる

 地上に降り立ち、八俣遠呂智を退治し、救い出した櫛名田比売と結ばれ、根の国を統治する

 八坂神社などに祀られている

 厄払いの神さんとされる


   出展:音川安親他 編「万物雛形画譜」明治13. 国立国会図書館デジタルコレクション

【古事記】

 <「古事記」に登場する段>
 古事記 三貴子の誕生
 古事記 天照大御神と須佐之男命
 古事記 大国主命の根の国訪問



【素戔嗚尊の経緯】

 「古事記」によれば

 <三貴子(さんきし)の誕生>
 伊邪那岐命が、死んだ伊邪那美命に会いに行った黄泉の国から戻り、
筑紫の日向の立花の小門の阿波岐ヶ原(つくしのひむかのたちはなのをどのあはぎがはら)で、
禊祓(みそぎばらい)を行い顔を洗い、
 左目をすすいだときに、天照大御神が、
 右目をすすいだときに、月読命が、
 鼻をすすいだときに、建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)(素戔嗚尊)が生まれた

 <三貴子の役割り>
 天照大御神は、太陽神として、高天原(たかあまはら)を、
 月読命は、月神として、夜の食国(をすくに)を、
 建速須佐之男命は、海原(うなばら)の統治を命じられる

 太陽神と月神が生まれたことで、世界に光がもたらされて昼と夜とが分かれ、
建速須佐之男命によって、天と地の間に生気が満ちてさまざまな自然現象が生まれてくる

 伊邪那岐命伊邪那美命の国土創生が、三貴子が生まれたことで完成する


 <高天原(たかあまはら)>
 建速須佐之男命は、母親の伊邪那美命のいる根之堅洲国に会いたいと泣きわめき、
そのため地上は無秩序な状態となり、悪い神がはびこり災いが起こり、伊邪那岐命に追放される

 建速須佐之男命は、根の国へ行く前に、姉の天照大御神に別れの挨拶をするために高天原へ上る
 天照大御神は、建速須佐之男命が高天原を奪いにやってきたと思い武装して迎える
 建速須佐之男命は、疑いをはらすために宇気比(誓約)によって、心の潔癖を示すという

 <誓約(うけひ)>
 天照大御神と建速須佐之男命は、天の安の河(あめのやすのかわ)を挟んで誓約を行う

 天照大御神は、建速須佐之男命が持っていた十拳剣を3つに折って
神聖な泉である天の真名井(あめのまない)ですすいで、
口の中に入れて噛み砕き吹き出すと、狭霧の中に、3人の女神(宗像三女神)が生まれた

 建速須佐之男命は、天照大御神が左の角髪に巻いていた大きな勾玉を、天の真名井ですすいで、
口の中に入れて噛み砕き吹き出すと、5柱の男神が生まれた

 天照大御神は、「5柱の男神は私の持ち物から生まれたので私の子、
三女神はあなたの持ち物から生まれたのであなたの子」という
 建速須佐之男命は、「自分の心が清いから女の子が生まれた」といい、高天原に居すわる


 <天津罪(あまつつみ)>
 「天津罪」は、高天原で神々が犯した罪、「国津罪(くにつつみ)」は、地上で神々が犯した罪

 建速須佐之男命は、高天原の田んぼを壊したり、田んぼの水路を埋めたり、
生きている馬の皮を剥いで、機織の建物の屋根を壊して投げ込み、
落ちてきた馬に驚いて女神が陰部に怪我をして死んでしまったり、
神殿に糞をまき散らしたりして暴れまわる

 <天の岩屋(あまのいわど)>
 建速須佐之男命の乱暴に驚き困った天照大御神は、天の岩屋に閉じこもってしまい、
世界は真っ暗な闇になってしまう
 建速須佐之男命は、髪と手足の爪を切って穢れを祓い、高天原から追放されてしまう

 <大気津比売(オホゲツヒメ)(大宜都比売神)>
 高天原を追放された建速須佐之男命は、降りる途中で、食べ物を、食物の神の大気津比売に求めた
 大気津比売が、鼻や口・尻から食材を取り出して調理しているのを見た建速須佐之男命は、
わざと穢したものを作っているのだと思い大気津比売を斬り殺してしまう
 すると、大気津比売の頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれた

 それを見ていた神産巣日御祖命(カミムスビミオヤ)は、
それら蚕と五穀を、建速須佐之男命に取らせて実の成る種としてに授ける

 <鳥髪山(とりがみやま)>
 建速須佐之男命は、出雲の国の肥の河のほとりの鳥髪の地に降り立つ
 河から箸が流れてきたのを見て、人を探して、流れをさかのぼって訪ねていく

 <櫛名田比売
 建速須佐之男命は、泣く老いた夫婦から、
「毎年、八岐大蛇に娘を差し出しており、今年も最後の娘の櫛名田比売を差し出さなければならない」と聞き、
「娘をくれるなら八岐大蛇を退治する」と約束し、櫛名田比売を櫛に変えて髪に刺して隠す

 <八俣遠呂智(やまたのおろち)>
 八俣遠呂智は、一つの体に8つの頭と8つの尻尾があり、目は真っ赤で、胴体にはつる草や木が生え、
谷が8つ山が8つの長さがあり、腹はただれて血がたれているという
 建速須佐之男命は、老夫婦に、「垣根に8つの門を作り、門ごとに備えた桟敷に酒船を置いて、
そこに強い酒を作って入れておくように」と指示する

 現れた八俣遠呂智は、8つの頭を酒を満たした桶の中に入れて飲みほし、酔って寝てしまう
 建速須佐之男命は、剣で八俣遠呂智を斬り刻んで殺す

 <草那芸の太刀(くさなぎのたち)>
 建速須佐之男命が八俣遠呂智の真中の尾を切り裂くと、草那芸の太刀が出てくる
 建速須佐之男命は、その太刀を天照大御神に献上する
 その太刀が、後ほどの三種の神器の一つ、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)とされる

 <須賀の地(すがのち)>
 現在の島根県安来市
 建速須佐之男命は、櫛から櫛名田比売を元の姿に戻して妻として、宮殿を作るのにふさわしい地を探し、
出雲の根之堅洲国にある須賀の地へ行き、そこに宮殿を建てる

 <日本最初の和歌>
 建速須佐之男命は、須賀の地の宮殿で、「心がすがすがしくなった」と喜びの歌を詠む
 「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を」

 <子孫>
 櫛名田比売との間に、八島士奴美神(ヤシマジヌミノカミ)を生み、多くの子孫を残し、
6代目には、後に葦原中国(あしはらのなかつのくに)の王となる大国主命が生まれる

 伊邪那岐命伊邪那美命から生まれた山の神の大山津見神の娘の
神大市比売命を妻として、大年神宇迦之御魂神も生まれる


【神仏習合】

 <牛頭天王(ゴズテンノウ)
 インドの釈迦の生誕地にちなむ祇園精舎の守護神とされる
 薬師如来の垂迹(すいしゃく)とされる
 神仏習合で、素戔嗚尊と習合され、祇園社八坂神社)の祭神とされる


【素戔嗚尊を祭神とする主な神社】

 <八坂神社
 全国の祇園社の総本社

 <須佐神社(島根県出雲市)>
 <八重垣神社(島根県松江市)>

 <大将軍八神社
 <八大神社
 <須賀神社
 <藤森神社
 <御供社
 <鷺森神社
 <元祇園梛神社
 <粟田神社
 <地主神社
 <冠者殿社
 <諸羽神社
 <今宮神社
 <中山神社
 <大山祇神社
 <雙栗神社
 <新殿神社

 <松尾神社 末社 御霊神社>

 素戔嗚尊の荒魂を祀る
 <悪王子社


 <その他>
 全国の祇園社・八坂神社・弥栄神社・氷川神社・須佐神社・須賀神社・八雲神社・牛頭天王神社など

 <祭神として祀る祇園祭山鉾
 鯉山


【その他】

 <題材にした作品>
 石見神楽「大蛇」
 出雲神楽「八戸」「簸の川大蛇退治」
 浄瑠璃「日本振袖始」


 <和歌の歌碑>
 素戔嗚尊が詠んだといわれる最古の和歌の歌碑

 夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微尓 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁(建速須佐之男命

 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を

 やくもたつ いづもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを

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