細見美術館(ほそみびじゅつかん)は、岡崎公園にある私立博物館
細見家三代にわたって収集された、日本の古美術を中心とした細見コレクションが展示されている
京都国立近代美術館や京都市美術館など文化施設の集まる岡崎の地域にある
設計:大江匡(おおえただす)
施工:1997年(皇紀2657)平成9年
延床面積:1,370m2
京町家のモチーフを取り入れた現代建築
地下2階から地上3階まで吹き抜けとなった中庭がある
屋上庭園、茶室などもある
縄文・弥生時代の古墳出土品
平安時代、鎌倉時代の仏画・仏像・仏具・神道美術など
室町時代の水墨画と大和絵・蒔絵・根来塗・茶の湯釜などの工芸品
桃山時代の装飾美術・茶陶・茶道具・七宝焼
江戸時代の琳派や伊藤若冲らなど文人画・諸流派の絵画
美術工芸のほとんど全ての時代・分野にわたり、重要文化財20数件を含みコレクションがされている
京都国立博物館・奈良国立博物館などに寄託されているものも含む
仏像・彫刻
<木造 菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)1躯(重要文化財)>
聖観音菩薩立像
平安時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1936年(皇紀2596)昭和11年9月18日 重要文化財に指定される
障壁画・襖絵・絵画
<紙本金地著色 吉野花見図 六曲屏風一双(重要文化財)>
慶長年間(1596年~1615年)の作
豊臣秀吉の57歳のときの1593年(皇紀2253)文禄2年春、吉野に観桜の宴を催した光景を描いたもの
俯瞰的な構図で、各対象は小さく繊細に描かれている
1977年(皇紀2637)昭和52年6月11日 重要文化財に指定される
<絹本著色 愛染明王像(あいぜんみょうおうぞう)1幅(重要文化財)>
平安時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1937年(皇紀2597)昭和12年5月25日 重要文化財に指定される
<紙本著色 羅什三蔵絵伝 1巻(重要文化財)>
鎌倉時代の作
1960年(皇紀2620)昭和35年6月9日 重要文化財に指定される
<紙本著色山王霊験記 1巻(重要文化財)>
1314年(皇紀1974)正和3年
巻十五の最終段が、西園寺公衡の願文で終わっている
原本は失われて現存せず、巻第十二の写本
室町時代のもの
1994年(皇紀2654)平成6年6月28日 重要文化財に指定される
工芸品
<木板彩画 虚空蔵菩薩像(もくはんさいがこくうぞうぼさつぞう)1面(重要文化財)>
求聞持根本像(ぐもんじこんぽんぞう)
鎌倉時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1949年(皇紀2609)昭和24年2月18日 重要文化財に指定される
<蘆屋霰地楓鹿図真形釜(あしやあられじかえでしかずしんなりがま)1口(重要文化財)>
鐶付鬼面(かんつききめん)
南北朝時代の茶の湯釜
口径14.8cm、胴径26.2cm、高さ19.5cm
霰地の一面の中央に大きく楓の幹と枝葉が描かれ、幹の左右に廉を配している
京都国立博物館に寄託されている
1949年(皇紀2609)昭和24年5月30日 重要文化財に指定される
<刺繡大日如来掛幅(ししゅうだいにちにょらいかけふく)1幅(重要文化財)>
全幅刺繡により、九重の台座に智拳印を結ぶ大日如来坐像が描かれている
鍍金装具付、縦70.5cm、横26.0cm
鎌倉時代の作品
京都国立博物館に寄託されている
1952年(皇紀2612)昭和27年3月29日 重要文化財に指定される
<金銅透彫尾長鳥唐草文華鬘(こんどうすかしぼりおながどりからくさもんけまん)1面(重要文化財)>
団扇形の華鬘で、宝法華唐草文が透彫りされている
銅製鍍金、縦40.5cm、横64.1cm
鎌倉時代の作品
近江安土浄厳院の伝来
奈良国立博物館に寄託されている
1952年(皇紀2612)昭和27年7月19日 重要文化財に指定される
<桐竹鳳凰鏡(きりたけほうおうきょう)1面(重要文化財)>
室町時代の鏡
径22.7cm、厚さ0.8cm、白銅鋳製、桐文鈕、内傾縁
中央に、翼を広げた鳳凰が描かれている
右端から大きく屈曲した桐樹、桐の陰に4本の竹が描かれている
京都国立博物館に寄託されている
1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される
<松藤雙鶴鏡(まつふじそうかくきょう)1面(重要文化財)>
和歌「松にかかる藤」の情景を描いた鏡
白銅製、径12.0cm、厚さ0.9cm
鎌倉時代の作品
京都国立博物館に寄託されている
1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される
<線刻十二尊鏡像(せんこくじゅうにそんきょうぞう)1面(重要文化財)>
瑞花双鳥八稜鏡(ずいかそうちょうはちりょうきょう)
白銅鋳製の八稜鏡、径15.1cn、縁厚1.0cm
平安時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1959年(皇紀2619)昭和34年6月27日 重要文化財に指定される
<金銅千躰阿弥陀懸仏(こんどうせんたいあみだかけぼとけ)1面(重要文化財)>
方形の一枚板に金銅板を貼り、下方中央に框座を造って三尊像が描かれている
中尊は阿弥陀如来立像、脇侍は、千手観音菩薩・地蔵菩薩といわれる
鏡板、縦横61.2cm
鎌倉時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1960年(皇紀2620)昭和35年6月9日 重要文化財に指定される
<熊野十二社権現御正体(くまのじゅうにしゃごんげんみしょうたい)1面(重要文化財)>
円形鍍銀(銀メッキ)の鏡板(かがみいた)
御正体では、鏡に本地仏十三尊の坐像が全て描かれている
鏡板径41.3cm
中央に、阿弥陀如来、右側に薬師如来、左側に千手観音菩薩の三体が大きく描かれている
上部に、十一面観音菩薩を中心に右側に地蔵菩薩、左側に竜樹菩薩を、
二段目には如意輪観音菩薩、聖観音菩薩、
三段目には文殊菩薩、普賢菩薩、
最下段には釈迦如来を中心に右側に毘沙門天、左側に不動明王が描かれている
鎌倉時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1961年(皇紀2621)昭和36年2月17日 重要文化財に指定される
<金銅五鈷鈴(こんどうごこれい)1口(重要文化財)>
鋳銅鍍金
総高18.2cm、鈷長5.9cm、鈷張5.0cm
平安時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1961年(皇紀2621)昭和36年2月17日 重要文化財に指定される
<金銅蓮華形磬(こんどうれんげがたけい)1面(重要文化財)>
楕円形の蓮華形磬
上方に扁平な四花形の蓮房が描かれ、七個の蓮子が彫られている
鋳銅鍍金、横16.0cm、縦8.8cm、厚さ0.6cm
鎌倉時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1961年(皇紀2621)昭和36年2月17日 重要文化財に指定される
<金銅五鈷鈴(こんどうごこれい)1口(重要文化財)>
鋳銅鍍金、胎蔵界四仏種子があり
高さ21.0cm、鈴身高8.8cm、口径8.8cm、口縁厚1.3cm、鈷高6.0cm、鈷張5.5cm
鎌倉時代の作品
奈良国立博物館に寄託されている
1963年(皇紀2623)昭和38年7月1日 重要文化財に指定される
<金銅春日鹿御正体(こんどうかすがしかみしょうたい)1躯(重要文化財)>
春日の鹿の御正体の影向御影
南北朝時代の作品
総高108.0cm、鏡板形23.7cm
1964年(皇紀2624)昭和39年1月28日 重要文化財に指定される
考古資料・歴史資料
<羽黒山御手洗池出土銅鏡(はぐろさんみたらいいけしゅつどどうきょう)40面(重要文化財)>
平安時代のもの
1967年(皇紀2627)昭和42年6月15日 重要文化財に指定される
<細見亮市>
1901年(皇紀2561)明治34年生まれ、1978年(皇紀2638)昭和53年死去
毛織物で財を成した大阪の実業家
初代 古香庵
通称:細見良
「世界最高の美術品は日本の藤原時代の仏画だ」と述べていた
<細見實>
1922年(皇紀2582)大正11年生まれ、2006年(皇紀2666)平成18年死去
細見亮市の長男