三室戸寺(みむろとじ)は、宇治市の明星山の中腹に立ち、山の斜面に広い境内が広がる寺院
「御室戸寺」から、光仁天皇・花山天皇・白河天皇の三天皇の離宮になった事で名付けられたといわれる
<本堂>
重層入母屋造
秘仏の金銅千手観音菩薩立像が安置されている
江戸時代後期
1805年(皇紀2465)文化2年の再建
<宝勝牛(牛玉)>
宝勝牛の口の中にある牛玉の観音菩薩に触れると、勝運に恵まれるといわれる
弱々しい牛を飼っていた富右衛門というお百姓が、三室戸寺に観音詣でをしたところ、
その牛が、観音菩薩のご利益で立派な牛になり、村で一番強かった権兵衛の牛との戦い勝ち、
報奨金をもとに、牛の仲買人として成功したという故事にちなむ
1998年(皇紀2658)平成10年
若乃花関が、春場所直前に絵馬を奉納し、見事優勝を成し遂げた
<阿弥陀堂>
<宝蔵庫>
平安時代などの5体の重要文化財の仏像が安置されている
<鐘楼>
室町時代の遺構
<三重塔>
全高16m
1910年(皇紀2570)明治43年
播磨国三日月町の高蔵寺にあったものが、参道西方の丘上に移建される
1704年(皇紀2364)元禄17年建立の塔
その後、現在の鐘楼の東隣に移された
<十三重石塔>
<十八神社(重要文化財)>
本堂の西側の奥にある三室戸寺の鎮守社
室町時代の建物
<庭園 与楽苑(よらくえん)>
広さ5000坪の大庭園で四季の花の名所
枯山水庭園「十六羅漢の庭」「石庭」、池泉式庭園、広庭からなる
「与楽苑(よらくえん)」の名前は、菩薩の本願「抜苦与楽」に由来するといわれる
5月:2万株の平戸躑躅(ヒラドツツジ)、霧島つつじ、久留米つつじ、1000本の西洋石楠花
6月:約30種、1万株の紫陽花(あじさい)、西洋アジサイ・額あじさい・柏葉アジサイ・幻の七段花など
7月:250鉢の蓮(ハス)、珍種の「大洒錦」・大賀ハス・古代バス・青円寺ハス・陽山紅・ミセススローカムなど約100種
秋:紅葉の名所
<松尾芭蕉の句碑>
本堂前
山吹や 宇治の焙炉の にほふとき
「焙炉(ほいろ)」とは、茶の葉を乾燥させる製茶用具のこと
<手水舎>
霊水・不動水
<山門>
朱色
<新羅大明神>
<地蔵薬師如来>
<浮舟之古蹟>
浮舟は、「源氏物語宇治十帖」の主人公
<狛兎>
本堂前に、狛牛と対面して狛兎が安置されている
三室戸寺のある地域は、古来より、「菟道(うじ)」と称されて、兎に縁があるといわれる
御影石製、高さ150cm、幅90cm
幅60cmの大きな玉を抱いていて、玉の中に卵型の石があり、それが立てば願いが通じるといわれている
<宇賀神の像>
本堂前にある白蛇ともいえる像
頭は老翁、体は蛇で、蓮に乗る姿をしている
財運・金運の蛇神で、撫でると、財運がつくといわれている
<清凉寺式 釈迦如来立像(重要文化財)>
<毘沙門天立像(重要文化財)>
<阿弥陀三尊像(重要文化財)>
<金銅千手観世音菩薩>
秘仏の本尊
飛鳥仏といわれる
2009年(皇紀2669)平成21年10月1日〜11月30日
84年ぶりに開帳され、内々陣の特別拝観も行われた
本堂前には結縁のための回向柱が立てられ、本尊と縁を結ぶための五色の綱でつながれた
<浮船観音>
浮船の念持仏といわれる
1742年(皇紀2402)寛保2年
源氏物語宇治十帖の古跡 浮船社の本尊として祀られていたものが移される
<ツツジ園>
約30種の総数2万株の霧島つつじ、平戸ツツジ、さつきが池泉回遊式庭園、伽藍を取り巻く丘陵、背後の山肌一面に咲き誇る
見頃は、霧島つつじが4月中旬から、平戸ツツジが4月下旬から、皐月(さつき)が、5月上旬から
ボタン桜も5月上旬が見頃
<シャクナゲ谷>
4月中旬から5月中旬
ツツジ園の奥にあり、1000株の石楠花が植えられている
赤やピンクの色鮮やかな西洋シャクナゲと、白にうっすら桃色が混じる日本シャクナゲが山肌に咲き競う
6月は1万株のアジサイの名所
7月は蓮(ハス)の名所
秋は、紅葉の名所
<ハス酒を楽しむ会>
7月上旬
竹筒から蓮(ハス)の葉にお酒が注がれ、葉を上に掲げて茎から酒を飲む
ハス酒は、象が水を飲む姿にも似ていることから「象鼻杯」とも称される
お酒には蓮のエキスが混ざり、不老長寿のご利益があるといわれる
蓮は、当日朝に採られ、300本ほど用意される