珠数(じゅず)(念珠)(数珠)

珠数(じゅず)は、小さい珠(たま)に糸を通して輪にした仏教界における必須の道具

「念珠(ねんじゅ)」、京都以外では「数珠(じゅず)」とも称される

宗派・僧侶・在家などの違いにより、形・玉数などに伝統的な決まりがある

京都市の伝統産業の一つ

主玉となる念珠玉も、独立した京都市の伝統産業の一つ

地域ブランド
地域団体商標「京念珠」(2007年(皇紀2667)平成19年4月6日)(京都珠数卸商業組合)

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【珠数】

 珠数は、仏教の伝来とともに日本に伝えられ、仏教の隆盛とともに発展し、日本独自の珠数も考案されている

 合掌する手に掛け、仏さまと心を通い合わせる大切な法具とされる
 葬儀や法事に参列されるときにも手にする仏具

 「仏さんを念ずるときに用いる珠」との意味から「念珠(ねんじゅ)」とも称される

 京都以外では、字の前後を入れ替えて「数珠(じゅず)」と記される場合が多い

 宗派・僧侶・在家などの違いにより、形・玉数などに伝統的な決まりがある



 珠数の形状は大きく分けて、本式数珠・略式数珠・腕輪念珠ブレスの3種類がある

 <本式数珠>
 それぞれの宗派が定める正式な数珠
 玉の数は108個で長く、二重にして手にかけて使う

 <略式数珠>
 宗派を問わず使用することができる
 玉の数が少なく、宗派によって異なり、小さく一連で、手にかけて使う

 <腕輪念珠ブレスレット>
 房が付いていない腕輪


 珠数・念珠の各部位

 <中通しの紐>
 玉を繋いでいる紐
 観音菩薩をあらわす

 <親玉(おやだま)>
 房がつけられる最も大きく中心的な玉
 阿弥陀如来、あるいは釈迦如来をあらわすとされる
 本式数珠の場合、2つあり、小さい方を向かい玉と称する

 <主玉(おもだま)>
 本式数珠の場合、百八の煩悩を表す108個の主玉がある
 略式数珠の場合、108を割った数で構成される
 「念珠玉」とも称され、独立した京都市の伝統産業の一つ

 <四天玉(してんだま)>
 本式数珠の、主玉の間にある小さな4つの玉
 四天王多聞天増長天広目天持国天)、あるいは四菩薩(弥勒菩薩観音菩薩普賢菩薩普賢菩薩)をあらわす

 <天玉(てんだま)>
 略式数珠の場合に、主玉の間にある小さな2つの玉

 <弟子玉(でしだま)>
 本式数珠の、房につく小玉20個 (日蓮宗の場合は40個)
 記志玉(きしたま)とも称される
 釈迦の十大弟子や、十菩薩などをあらわす

 <露玉(つゆだま)>
 本式数珠の、弟子珠の下にある露型の玉
 弟子玉を留める役割がある

 <浄明玉(じょうみょうだま)>
 本式数珠の、表房の一番上、親玉の下にある玉
 菩薩をあらわしている

 <ボサ玉>
 略式数珠の場合の、親玉と房をつなぐ玉

   <房(ふさ)>
 親玉からのびる装飾
 宗派によって房の形状や色が異なる
 切り房・頭付房・梵天房・紐房など様々な種類がある

念珠玉

 <念珠玉
 素材には、香木や天然木などの木製素材や、天然石・象牙・珊瑚・真珠などがある
 念珠の玉一つ一つに意味がある

 <香木>
 伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)

 <天然木>
 菩提樹の木の実・梅の木、紫檀、黒檀、鉄刀木、栴檀、桑、檳榔樹 など

 <天然石>
 翡翠・水晶・瑪瑙・虎目石・カルセドニ・ラピス、トルコ石など

 <その他>
 珊瑚・琥珀・象牙・真珠・貝・海松・ガラス・合成樹脂 など


【珠数のゆかり】

 <水精念珠(重要文化財)>
 平安時代のもの
 東寺の所蔵


 <珠数屋町
 西本願寺の東側の正面通にある

 <上珠数屋町>
 東本願寺の東側の上珠数屋町通にある

 <上珠数屋町通>
 東本願寺の東側から渉成園の北を経て、河原町通までの東西の通り


 <珠数供養
 11月23日に赤山禅院で行われる

 <地蔵盆
 8月23日・24日(地蔵菩薩の縁日)に、お地蔵さんが祀られている町内ごとに行われる
 子供達により、みんなで珠数回しが行われるところもある

 <大念珠繰り>
 毎月15日に百萬遍知恩寺で行われる
 御影堂を一巡りする巨大な珠数を参詣者のみんなで持ち、念佛を唱えながら回す


【京都検定 第15回3級】

【京都検定 第16回3級】

【京都検定 第17回3級】

【京都検定 第6回2級】

【京都検定 第8回2級】

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