百萬遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)は、京都大学の北側に建つ、浄土宗の四大本山の一つ
総門から入ると参道が真っ直ぐに御影堂に向い、
その途中左手(西側)に阿弥陀堂、右手(東側)に釈迦堂が向かい合っている
御影堂の後方(北側)には、小方丈・衆会堂・対面所・寺務所など七堂伽藍が、
南北にそろった理想的な伽藍配置になっている
2017年(皇紀2677)平成29年2月23日
御影堂など9棟が重要文化財の指定を受ける
<総門>
<石標「百萬遍念佛根本道場」>
総門の前に立つ、高さ約5m
<御影堂 1棟(重要文化財)>
本堂
総欅造、桁行七間、梁間七間、一重、入母屋造、正面及び背面向拝三間、本瓦葺
正面には、法然上人が浄土宗を開いた43歳の頃の御像が祀られている(室町時代の作)
堂内には、円周約110m、重さ320kg、珠の数1080顆の大念珠が二連吊り上げられている
1756年(皇紀2416)宝暦6年の建立
2017年(皇紀2677)平成29年2月23日 重要文化財に指定される
<釈迦堂 1棟(重要文化財)>
総門からの参道右手(東側)にある
釈迦如来坐像が安置されている
桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、本瓦葺
1664年(皇紀2324)寛文4年
本堂(祈祷堂)として建立され、後柏原天皇の宸翰「知恩寺」の篇額を揚げられる
京都三大釈迦堂の一つ「今出川釈迦堂」として信仰された
知恩寺が「神宮寺」と称されていた頃からの本堂
床に瓦四半敷きとして、入側柱筋を周囲一間通りに設けられている
内側天井を鏡天井、入側の天井を化粧屋根裏とされる
禅宗様仏殿を強く意識した建築で貴重な遺構
来迎壁前面には、蓮華や天女が、来迎壁後面には、十六羅漢像が描かれ、
「唯心庵専誉傅故謹筆」(金戒光明寺の阿弥陀堂天井画も描いている人物)と記されている
<阿弥陀経石>
釈迦堂の前にある
全国に3基しかないとされる
<利剣名号>
<仏足石>
阿弥陀経石の横にある
<阿弥陀堂 1棟(重要文化財)>
総門からの参道左手(西側)にある
念仏堂
阿弥陀如来立像が安置されている
桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、本瓦葺
1831年(皇紀2491)天保2年の建立
禅宗様仏殿の建築様式で建てられており、この時代の建築に採用された貴重な遺構
入側柱と側柱の繋ぎなどは簡略化され、屋根も本瓦ではなく桟瓦が敷かれている
釈迦堂は椅子座で、阿弥陀堂は座式
本尊を祀る四天柱内天井も、釈迦堂は格天井で、阿弥陀堂は鏡天井と、
昔は一番格の高い上質の天井とされていたが、一般には最も見えない部分であり、
次第に省略・簡略化されてきた傾向が現われている
<御廟(ごびょう) 1棟(重要文化財)>
後西天皇皇女香久宮 墓後西天皇皇女満宮墓
後西天皇皇子凉月院墓
桁行一間、梁間一間、一重、宝形造、本瓦葺
1731年(皇紀2391)享保16年の建立
<勢至堂(せいしどう) 1棟(重要文化財)>
御影堂の東側にある
桁行三間、梁間三間、一重、宝形造、本瓦葺
1670年(皇紀2330)寛文10年頃の建立
<鎮守堂 1棟(重要文化財)>
賀茂明神の分社とされる
一間社流造、本瓦葺
1662年(皇紀2322)寛文2年頃の建立
<鐘楼 1棟(重要文化財)>
桁行一間、梁間一間、一重、切妻造、本瓦葺
1703年(皇紀2363)元禄16年頃の建立
<総門 1棟(重要文化財)>
四脚門、切妻造、本瓦葺、東方潜戸付
江戸時代前期の建立
<西門 1棟(重要文化財)>
一間高麗門、切妻造、本瓦葺
1711年(皇紀2371)正徳元年の建立
<御廟>
境内北部の墓地の正面奥にある
開祖 法然上人と二世 源智上人の墓石を覆う形で建てられている
御廟の入口には、念仏の「念」の字を模った「念字門」がある
<墓地>
境内北部にある
画家 土佐光起
鳥居元忠(塔頭龍見院墓地)
など
江戸時代の豪商 桔梗屋一門の寄進によるものも多く残る
<釈迦如来>
本尊
法然上人が43才の時の自作といわれる
<絹本着色 蝦蟆鉄拐図(がまてつかいず)2幅(重要文化財)>
京都国立博物館に寄託
<絹本着色 善導大師像(重要文化財)>
奈良国立博物館に寄託
<絹本着色 十阿弥陀像(重要文化財)>
京都国立博物館に寄託
<絹本着色 仏涅槃図(重要文化財)>
京都国立博物館に寄託
<絹本着色 浄土曼荼羅図(重要文化財)>
京都国立博物館に寄託
<浄土五祖図(重要文化財)>
<大念珠繰り>
毎月15日
御影堂を一巡りする巨大な珠数を参詣者が同時に持ち、念佛を唱えながら回る
<百万遍さんの手づくり市>
毎月15日、午前9時頃から午後4時まで
御影堂前の境内を中心に約350店の手作りフリーマーケットが開催されている
手づくりの物でないと出店出来ない
1986年(皇紀2646)昭和61年に始まる
<法然上人御忌大会>
4月23日から25日
3年に一度、二十五菩薩練供養が行われる
<秋の古本まつり>
10月末から11月初旬
主催:京都古書研究会
11月3日には、古本供養も行われる
<法然上人二十五霊場第二十二番 御詠歌>
「我はただ 仏にいつか 葵草 心のつまに 掛けぬ日ぞなき」