陽明文庫(ようめいぶんこ)は、近衛家の文化財を所蔵する史料館
公家の「五摂家」の筆頭 近衛家に、平安時代から代々伝わる古文書(こもんじょ)、典籍、記録、
日記、書状、古美術品など約20万点の史料が保管管理されている
非公開、学者・研究者など資料閲覧のみ可能
1938年(皇紀2598)昭和13年
内閣総理大臣を務めた近衛文麿が、財団法人陽明文庫を設立する
敷地、約1万m2
書庫2棟、閲覧事務所、虎山荘
いづれも国の登録有形文化財
<虎山荘>
1944年(皇紀2604)昭和19年の建立
数寄屋造
庭園は、九代目 小川治兵衛の作庭
国宝に8件(古文書2件・書跡典籍6件)、重要文化財に多数が指定されている
古文書
<後二条殿記(ごにじょうどのき)30巻(国宝)>
自筆本1巻、古写本29巻
平安時代
関白内大臣 藤原師通の日記
1952年(皇紀2612)昭和27年3月29日 国宝に指定される
<御堂関白記(みどうかんぱくき)26巻(国宝)(世界記憶遺産)>
自筆本14巻、写本12巻
藤原道長の日記
1951年(皇紀2611)昭和26年6月9日 国宝に指定される
附指定:御堂御記抄 5巻、1幅
附指定:御堂御暦記目録 1通
<紙本墨書 三藐院記(さんみゃくいんき) 附 関白宣下(重要文化財)>
「三藐院関白」とも称された近衛信尹の自筆による記録
7巻、18冊、6通
桃山時代から江戸時代の作
日次記である本記と、件別に記録された別記からなる
別記の方が詳細で、量も本記より多い
近衛信尹は、自身の関白任官に関する記録「関白宣下記」等も作成している
「関白宣下記」は、近衛信尹に対する関白宣下について、朝廷より下された一連の文書(附指定「関白宣下」)を似寄りの料紙をあつらえて筆写したもの
別記は、近衛信尹が関心を寄せる内容ごとにまとめた記録であり、近衛信尹の関心事を明らかにする記録でもある
配流中の薩摩での記事等、九州地域史の動向も知る史料でもある
2023年(皇紀2683)令和5年6月27日 重要文化財に指定
書跡・典籍
<歌合(うたあわせ) 巻第六(十巻本)1巻(国宝)>
平安時代のもの
1952年(皇紀2612)昭和27年3月29日 国宝に指定される
附指定:歌合目録 1巻
<大手鑑(おおてかがみ)2帖(国宝)>
第一帖百三十九葉と、第二帖百六十八葉
奈良時代、室町時代のもの
1953年(皇紀2613)昭和28年3月31日 国宝に指定される
<神楽和琴秘譜(かぐらわごんひふ)1巻(国宝)>
平安時代のもの
1952年(皇紀2612)昭和27年3月29日 国宝に指定される
<熊野懐紙(くまのがいし)3幅(国宝)>
1201年(皇紀1861)建仁元年
後鳥羽天皇、藤原家隆、寂蓮の筆
1953年(皇紀2613)昭和28年3月31日 国宝に指定される
<類聚歌合(るいじゅううたあわせ)19巻(国宝)>
平安時代のもの
1958年(皇紀2618)昭和33年2月8日 国宝に指定される
<倭漢抄下巻(わかんしょうげかん)(彩牋)2巻(国宝)>
平安時代のもの
1951年(皇紀2611)昭和26年6月9日 国宝に指定される
障壁画・襖絵・絵画
<紙本金地著色 「四季花鳥図屏風」 六曲一双>
酒井抱一の1816年(皇紀2476)文化13年の作
<紙本著色 春日権現霊験記絵巻 20巻>
渡辺始興の筆、近衛家熙の詞書がある
1735年(皇紀2395)享保20年
<紙本著色 賀茂祭絵巻 1巻>
賀茂祭の絵巻
渡辺始興の筆、近衛家熙の詞書がある