正伝寺(しょうでんじ)
(SyoudenJi) 京都通メンバ
正式名称:正傳国禅寺

所在地:京都市北区西賀茂北鎮守庵町 
   卍地図情報卍

臨済宗南禅寺派の寺院

山号:吉祥山

本尊:釈迦如来(しゃかむにぶつ)

創建:1272年(皇紀1932)文永9年

開基:東巌慧安禅師(とうがんえあんぜんじ)

開山:兀庵普寧(ごつたんふねい)

重要文化財 建造物:1棟(本堂)
重要文化財 美術工芸品:8件(絵画3件・工芸品2件・古文書2件・書跡典籍1件)

 正伝寺(しょうでんじ)は、西賀茂の西、五山の送り火の「舟形」の舟山の山麓にある寺院

 比叡山を借景にした枯山水庭園

 本堂には伏見城の遺構の血天井がある

【正伝寺の歴史・経緯】

【正伝寺の伽藍】

 <本堂(方丈)1棟(重要文化財)>
 桁行13.8m、梁間10.0m、入母屋造、柿葺
 1602年(皇紀2262)慶長7年頃
 伏見城本丸の御成殿の一つとして建立される
 1623年(皇紀2283)元和9年
 大坂城内に仮殿として移設される
 1653年(皇紀2313)承応2年
 移築されたといわれる
 狩野山楽の襖絵で飾られる
 廊下の広縁の血天井
 関ヶ原の戦いの前哨戦となった伏見城の攻防戦において、
守護を任せられていた伏見城が豊臣軍の大軍に包囲されても、最後まで自刃せずに戦い討死した
徳川軍の鳥居元忠ら約800人を供養するために、
討死した血痕が残る大広間の床板を天井にして祀られている
 同じ血天井が、養源院宝泉院源光庵興聖寺にも残る
 1904年(皇紀2564)明治37年2月18日 重要文化財に指定される

 <庭園「獅子の子渡しの庭」>
 江戸時代初期
 小堀遠州の作庭といわれる
 比叡山を借景にした白砂敷きの枯山水庭園
 サザンカや、躑躅(ツツジ)が築山風の刈り込みが七五三形式に配された名園
 月見の名所でもある

【正伝寺の寺宝】

 重要文化財に8件(絵画3件・工芸品2件・古文書2件・書跡典籍1件)が指定されている

 <方丈障壁画(紙本墨画淡彩 楼閣山水図)58面(重要文化財)
 方丈(本堂)の仏間と下一之間を除く4室に描かれている
 中国の風景を描いた狩野山楽と、その一派の傑作
 ・室中 壁貼付2面・襖貼付8面・戸襖貼付4面
 ・上一之間 帳台構貼付4面・壁貼付1面・襖貼付4面・戸襖貼付4面
 ・上二之間 襖貼付8面・戸襖貼付8面
 ・下二之間 壁貼付1面・襖貼付8面・戸襖貼付6面
 1993年(皇紀2653)平成5年1月20日 重要文化財に指定される
 附指定:紙本著色草花図 3面 仏間(壁貼付2面・襖貼付1面)
 附指定:紙本金地著色菓子図 4面 下一之間(違棚天袋貼付)

 <子猷訪戴図 4面(しゆうはうたいず)>
 方丈 下一之間の襖絵
 制作時代が、他の方丈障壁画おり新しく重要文化財の指定対象外となっている

 <絹本著色 兀庵和尚像(ごったんおしょうぞう)1幅(重要文化財)>
 中国 元時代の作
 画僧 靖庵(せいあん)の筆で、自賛がある
 1907年(皇紀2567)明治40年5月27日 重要文化財に指定される

 <絹本著色 兀菴和尚像(ごったんおしょうぞう)1幅(重要文化財)>
 鎌倉時代の作
 自賛がある
 1907年(皇紀2567)明治40年5月27日 重要文化財に指定される


 <九条袈裟(くじょうけさ)1領(重要文化財)>
 中国 南宋時代のもの
 開山 兀庵普寧に相伝された伝法衣
 兀庵普寧の師 無準師範が用いていたもの
 田相黄地鳥丸格子文綾・条葉白地牡丹文顕紋紗
 袈裟の中央(田相)に鶴を表したといわれる鳥丸文の黄色の綾と、格子文の黄色の綾を縫い合わせている
 植物(条葉)は、牡丹や山茶花などの花卉を織りだした白地の顕紋紗
 顕紋紗(けんもんしや)は、地の部分が透けた薄手の絹織物の一種
 京都国立博物館に寄託されている
 1833年(皇紀2493)天保4年
 袈裟箱の蓋裏に貼付された入記がある
 1900年(皇紀2560)明治33年6月29日 重要文化財に指定される
 附指定:白地幸菱文綾袈裟包 1枚
 (表に幸菱文(さいわいびしもん)の浮織物(うきおりもの)と固地綾(かたじあや)を縫い合わせたもの)

 <九条袈裟(くじょうけさ)1領(重要文化財)>
 中国 南宋時代のもの
 開山 兀庵普寧に相伝された伝法衣
 開基 東巌慧安禅師が用いていたもの、兀庵普寧も用いていたともいわれる
 田相白地牡丹文顕紋紗・条葉紺地牡丹文顕紋紗
 袈裟の中央(田相)は、牡丹と芙蓉に山茶花文をそえた白地の顕紋紗
 植物(条葉)は、牡丹と芙蓉を唐草文風にあらわした紺地の顕紋紗
 京都国立博物館に寄託されている
 1900年(皇紀2560)明治33年6月29日 重要文化財に指定される
 附指定:黄地花唐草文錦袈裟包 1枚
 (表に花唐草文の風通様倭錦(ふうつうようやまとにしき)、裏に牡丹鳳凰文固地綾が用いられている)


 <紙本墨書 東巖和尚賜号勅書(とうがんおしょうしごうちょくしょ)1幅(重要文化財)>
 1413年(皇紀2073)応永20年3月20日
 応永廿年三月廿三日と記されている
 1916年(皇紀2576)大正5年5月24日 重要文化財に指定される

   <紙本墨書 東巖和尚蒙古降伏祈祷文(とうがんおしょうもうここうぶくきとうもん)1巻・1幅(重要文化財)>
 1270年(皇紀1930)文永7年5月26日・1271年(皇紀1931)文永8年9月35日
 文永七年五月廿六日と記されているものが1幅
 文永八年九月三五日と記されているものが1巻
 1904年(皇紀2564)明治37年8月29日 重要文化財に指定される


 <先聖先賢聖道一轍義(せんせいせんけんしょうどういってつぎ)巻上下 2巻(重要文化財)>
 1273年(皇紀1933)文永10年5月2日
 開基 東巌慧安禅師の筆
 1949年(皇紀2609)昭和24年2月18日 重要文化財に指定される

【アクセス】

 市バス 神光院前 徒歩約15分

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