鬼門(きもん)は、北東の方位のこと
丑と寅の間の方向で、艮(うしとら)の方向ともいわれる
陰陽道では、鬼が出入りする方角であるとして、縁起が悪く、災いや厄がつくといわれ万事に忌むべき方角とされる
鬼門とは反対の、南西(坤)(ひつじさる)の方角を「裏鬼門(うらきもん)」と称される
<山海経(せんがいきょう)>
中国古代の戦国時代から秦朝・漢代にかけての地理書
中国各地の神話が伝えられている
北西(乾)を「天門」
南西(坤)を「人門」
南東(巽)を「風門」
北東(艮)を「鬼門」とされる
<鬼門>
東海にある度朔山に、方三千里におよぶ枝をはった大きな桃の樹があり、
その東北の隅にあたる枝は門のようになっていて、多くの鬼が出入りしていたため「鬼門」と称した
平安京には、王城の鬼門を封じるために、多くの神社・寺院・鬼門除けの猿がおかれている
<京都御所の猿ヶ辻>
京都御所の北東の角の凹んだところ
御所の鬼門を守るために、塀の上の屋根の妻入部分には、烏帽子をかぶり、御弊をかついだ猿の彫刻がおかれている
夜になると暴れだし、辺りを徘徊して、いたずらを繰り返すため、金網を張って閉じ込められたといわれる
<延暦寺>
桓武天皇の命により、平安京の北東に位置する比叡山に鬼門を護る国家鎮護の道場として建立される
<赤山禅院(せきざんぜんいん)>
陰陽道(おんみょうどう)の祖神の赤山大明神が祀られている
拝殿の屋根の上には、金網に入った猿の彫刻が置かれている
<吉田神社>
表鬼門の節分祭
<八大神社>
京都の表鬼門に位置しており、方除の神として祀られる
<松ヶ崎大黒天>
京都の表鬼門に祀られ、鬼門守護の神とされる
<幸神社(さいのかみのやしろ)>
京都御所の猿ヶ辻から、北東に500mほどのところに「皇城鬼門除」として建つ
絵馬には、猿が描かれる
<城南宮>
内裏(御所)の裏鬼門にあたり、方除けの神が祀られる
<石清水八幡宮>
男山は、京都の裏鬼門(南西)とされる
<壬生寺>
裏鬼門の節分祭
<御香宮神社>
豊臣秀吉が、伏見城の鬼門除けの守護神として勧請したもの
<大豊神社>
狛猿が鎮座し、鬼門除けとして信仰を集める
<火防稲荷神社>
醍醐寺の南西に位置し裏鬼門として、火・災害を防ぎ、五穀豊穣を祈願されてきたといわれる
<桃太郎伝説>
鬼を退治するために、鬼門とは反対の方角の申(さる)(西西南)、酉(とり)(西)、戌(いぬ)(西西北)を連れて行ったといわれる
また、桃には、魔を退治する力があり、鬼門には、桃の木を植えられたりする
<鬼門の南天>
厄除け・魔除けとして家の鬼門に南天が植えられる