京都の俗諺(ぞくげん)(Proverb of KYOTO Life)

京都には、その所々の風土や京都人の気質を表した諺(ことわざ)や、風習や俗世間の様子を言い表した例え話が多く存在する

<東男に京女(あずまおとこにきょうおんな)>

 男は粋でたくましい江戸っ子がよく、女はおしとやかで女らしい京都の女がよいという
 この取り合わせはお似合いであるといわれる

伊勢へ七たび、熊野へ三たび、愛宕様へは月参り

 東海道中膝栗毛二編上「浮世道中膝栗毛後編」に記されている京都人の信仰心を表す俗諺
 伊勢神宮へは人生のうち7度、熊野三山へは3度、愛宕神社へは毎月1度はお参りしようという信仰を表す

一見さん お断り

 これまでに面識もない初めての人は、予約や入店、取引を断られる場合がある京都の料亭や商いにおける風習の一つ
 趣味趣向が分からない人を十分におもてなしするのは難しく、粗相をしてしまわないようにとお断りをされている

稲荷詣に愛宕詣

 雲が京都の南の方へ流れて行くと晴れ、京都の西の方へ流れて行くと雨になるというたとえ

鰻の寝床

 京都の町家の別称
 間口が狭くて、奥行きが長いことをいう

小野霞

 冬に大原の地に棚引く幻想的な霞

<お水取りがすむと春がくる>

 東大寺二月堂(奈良市)で行われる修二会が3月1日から2週間にわたってさまざまな行法(ぎょうほう)が行われる
 13日午前1時半頃に、若狭井(わかさのい)から聖水をくみ上げる儀式「お水取り」が行われる
 この一連の行事がすむと、京都にも春が訪れるとされる

鴨川の水、双六の賽(さい)、山法師(やまほうし)

 思うようにならないことのたとえ
 平安時代末期、1086年(皇紀1746)応徳3年に院政をしき、武家出身の近臣を用いて専制的な政治を行った白河院ですら
鴨川の氾濫と、サイコロの目、延暦寺の僧兵だけは思うようにならなかったといわれる

鴨川の水で顔を洗うときれいになる>

 京都の人の水に対する信仰や、京都の水のすばらしさを讃えている

鴨川の水を産湯に使うと美人になる>

 京都の人の水に対する信仰や、京都の水のすばらしさを讃えている

<京では右と左が逆になる>

 平安京において、京都御所紫宸殿が南向きとなっているため、天皇さんが南を向いて都をみたときに、
左(東)が左京、右(西)が右京とされ、北を上にした地図では左右が逆になる

<京に多きものは寺と女>

京の底冷え

 三方が山で囲まれた京都盆地は、冬の寒さが厳しい気候であることを表す

 たまった冷気が逃げにくい構造であるかといわれる

 京都の冬は「空気が凍っている」といわれ、寒さが痛く、体のしんから冷え、なかなか体が温まらないといわれる


<京の茶漬け>

 京都では、訪問者を家庭料理ではなく、仕出屋さんの料理でお客をもてなすのが基本であり、
訪問したり、滞在する時間帯の心得や気遣いをすることを表すたとえ

清水の舞台から飛び降りる

 清水寺の本堂(国宝)は「舞台造」と称され,、崖にせり出した檜板張り(ひのきいたばり)の舞台があり、
高さ13mの欅の柱(けやきのはしら)139本で支えられている
 その崖の舞台の上から飛び降りることのように、死ぬ気で思い切って物事を一大決断することをいう
 江戸時代には、実際に飛び降りた人が数百人いるといわれる

京はお口のべっぴんさん

 京ことばの上品さ、奥ゆかしさをほめている
 一方で、京都人は、そう言っても、うわべだけで実がなく「何か裏があるのでは」と懐疑的に見ていることをいう

弘法さんが晴れやったら天神さんは雨や

 東寺弘法さんの市が毎月21日に行われ、
 北野天満宮天神さんが毎月25日に行われる
 その五日間の間に、天候のサイクルにより晴雨が変わることをいい表す

白川夜船

 「京都見物にいってきた」と知ったかぶりをして自慢そうにしていた男の笑い話
 「知ったかぶりをする」ことのたとえになっている

丹波太郎

 夏の雷が発生しやすい積乱雲が出てくる方角別に、雲を擬人化して名前が付けられている

○○寺の○○面

 お寺の特徴を表す言い表し
 特に禅寺の大寺院に対していわれる

<比良の八講荒れ終い(ひらのはっこうあれしまい)>

 比良の八講は、白髭神社(滋賀県高島市)で、延暦寺の衆徒が行っていた法会
 この法会が終わる3月20日過ぎには寒さがぶり返し、琵琶湖周辺では冷たい風が吹き荒れ「比良の八荒」と称される
 比良の八荒が終わると、京都にも本格的に春が訪れるといわれる

骨正月

 1月20日に正月料理に用意した鰤(ぶり)や鮭(さけ)のアラでおだい(大根)を食べる風習をいう

洞ヶ峠を決め込む

 信念を持たずに形勢をうかがって、いつでも優勢なほうに付けるように日和見的な態度・行動をとること



【京都検定 第1回3級】

83.五日ごとに天気が変わるということを表すことわざで、弘法さんが晴れやったら雨といわれるのは何か?

84.「双六の賽」、「山法師」と共に、意のままにならないものの代表格としてことわざにもなっている川はどこか?

【京都検定 第2回3級】

【京都検定 第5回3級】

【京都検定 第9回3級】

【京都検定 第12回3級】

【京都検定 第14回3級】

【京都検定 第15回3級】

【京都検定 第17回3級】

【京都検定 第20回3級】

【京都検定 第21回3級】

 京都検定3級の道  前の問題に戻る  ・ 次の問題に進む

【京都検定 第4回2級】

【京都検定 第8回2級】

【京都検定 第9回2級】

【京都検定 第12回2級】

【京都検定 第15回2級】

【京都検定 第17回2級】

【京都検定 第23回2級】

【京都検定 第5回1級】

【京都検定 第6回1級】

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