放生会(ほうじょうえ)

 放生会(ほうじょうえ)は、捕獲した魚や鳥獣を放して、殺生を戒める儀式

 古代インドが起源で、中国や日本に伝えられたといわれる

 奈良時代に宇佐八幡宮で始まり、各地の八幡宮にも伝わっていったといわれる

 石清水八幡宮においては平安時代初期から勅祭として行われている

【放生会の歴史・経緯】

【放生会】

 放生とは、捕らえられた魚介・鳥・動物などを、殺生をしないで池・川・山林に放す神事

 中国天台宗の開祖 智顗(ちぎ)が、漁民が雑魚を捨てている様子を見て憐れみ、
魚を買い取って放生池に放したことが由来といわれる


 <石清水八幡宮
 平安時代初期に、放生会が始まり勅祭となっている
 明治維新以前は、陰暦8月15日に行われていたが、
現在は、9月15日の勅祭 石清水祭の中の儀式として行われように変更させられている

 午前2時、本殿で3基の御鳳輦に神霊が遷される
 午前3時、駕興丁神人(かよちょうじにん)に担がれた御鳳輦が、闇の中を松明に照らされ、
・鉾・神宝と童子童女・神人など総勢約500人の神幸列になって下山し、麓の仮宮の絹屋殿に着御する
 午前8時、放生川(大谷川)において、魚・鳩が放たれる放生行事が行われる
 午前9時、4人の童子により「胡蝶の舞」が舞われる
 夕刻、御鳳輦が本殿に還幸する


 <宇佐神宮>
 奈良時代に放生会が創始された
 明治維新以前は、陰暦8月15日に行われていたが、現在は、10月の仲秋祭に変更させられている
 蜷(にな)(淡水産の巻貝)が放される

 <鶴岡八幡宮>
 1187年(皇紀1847)文治3年8月15日に放生会と流鏑馬が行なわれたといわれる
 現在では9月の例大祭で、境内の林に鈴虫を放つ「鈴虫放生祭」が行なわれている


 <三宅八幡宮
 9月15日、三宅八幡放生会が行われる

 <白川 巽橋
 毎年6月の第1日曜日に祇園放生会が行われる
 鮎・鯉・金魚などの稚魚2千匹が、舞妓や芸妓の手によって白川に放流される
 香煎茶の振る舞いなども行われる

 <三嶋神社
 眷属がウナギとされており、10月26日にはうなぎ大祭が行われ、
 三嶋神社の祈願所がある瀧尾神社には、全国の鰻屋や養殖業者が集まり、
三嶋の「三」にちなみ、3匹のうなぎが神池に放され、感謝と商売繁盛が祈願される

 <村山神社
 八幡宮の例祭のときに、蓮池において放生会が行なわれる

 <長岡天満宮
 8月25日、放生会が行なわれる

 <篠村八幡宮
 9月第3日曜日、放生会・相撲大会千・泣き相撲・灯明奉献が行なわれる

 <本能寺
 9月15日、放生会が行なわれ、
 本堂にて生きた川魚を供え供養法要が行われ、三条大橋付近から鴨川に放流される

 <蟹満寺
 4月18日、蟹供養放生会が行われ、
 蟹を扱う料理店や旅館関係者が参列し、泉にサワガニが放流される

 <萬福寺
 開山 隠元隆きは、放生の考えを強く持っていたといわれ、捕らえられた生き物を放して功徳を積む放生会を行った
 6月中旬には、蛍放生会が行われ、
 打楽器に合わせ中国風の読経「梵唄(ぼんばい)」が唱えられ、約1000匹のホタルが放生池に放たれる

 <三千院
 8月28日、往生極楽院東側の放生池で放生会が行われる
 智顗禅師が、放生池を作り、慈悲の心を教えて魚を池に放つことを行わせたところ
平和な日々を送れるようになったといわれるのが由来

 <知恩院
 10月15日、鎮守八幡社にて行われる

 <金戒光明寺
 9月22日
 京都料理組合が参列して、本堂にて魚鳥施餓鬼法要ののち鳩や、鯉が放生される

 <大覚寺>  6月に、源氏蛍千匹放生会が行われ、
 嵯峨源氏発祥の地でもあり、蛍火として親しまれ源氏物語にも登場するゲンジボタルが1200匹、放生される


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