高台寺(こうだいじ)
(KoudaiJi) 京都通メンバ
正式名称:高台寿聖禅寺(こうだいじゅしょうぜんじ)

所在地:京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町     卍地図情報卍

臨済宗建仁寺派の寺院

山号:鷲峰山(じゅぶさん)

本尊:釈迦如来

創建:ねね豊臣秀吉の正室)

開山:三江紹益

通称:蒔絵の寺

建仁寺の末寺

重要文化財 建造物:6棟(表門・開山堂・傘亭・時雨亭・観月台・霊屋)
重要文化財 美術工芸品:8件(絵画2件・工芸品4件・古文書4件)

 高台寺(こうだいじ)は、東山霊山(りょうぜん)の山麓の、八坂 法観寺の東北にある寺院

 豊臣秀吉の正室 ねねが、生母を供養するために創建された

 3月は、馬酔木(あしび)、桜の名所
 9月中旬〜下旬は花の名所、秋は紅葉の名所



【高台寺の歴史・経緯】





【高台寺の伽藍】

 <開山堂(かいざんどう)(重要文化財)>
 <霊屋(おたまや)(重要文化財)
 <臥龍廊(がりゅうろう)>
 <表門(重要文化財)>
 <庭園(国の史跡国の名勝)>
 <観月台(かんげつだい)(重要文化財)>
 <偃月池(えんげつち)>
 <臥龍池(がりゅうち)
 <方丈前庭>





【高台寺の茶室

 庭園の周りには4つの茶室がある

 <傘亭(からかさてい)1棟(重要文化財)
 霊屋より東の山の上に位置する茶室
 正式には「安閑窟」
 内部には天井がなく、丸竹の垂木(たるき)を放射状に組まれた化粧屋根裏(けしょうやねうら)が、
唐傘に似ていることから「傘亭」と称される

 桃山時代  伏見城の遺構の茶屋で千利休の意匠といわれる
 南側の時雨亭とは、屋根付きの土間廊下でつながっている
 桁行二間、梁間三間、下屋 桁行一間、梁間一間、一重、宝形造、茅葺
 1936年(皇紀2596)昭和11年4月20日 重要文化財に指定される

 <時雨亭(しぐれてい)1棟(重要文化財)
 珍しい二階建て茶屋で千利休の意匠
 開け放った階上からは、西南方面を眺望でき、納涼と展望を目的としている
 江戸時代初期の建立
 伏見城の遺構
 北側の傘亭とは、屋根付きの土間廊下で結ばれている
 桁行四間、梁間二間、一重二階、入母屋造、茅葺
 1936年(皇紀2596)昭和11年4月20日 重要文化財に指定される
 附指定:土間廊下 1棟

 <鬼瓦席(おにがわらせき)>
 書院の奥に建つ、吉野太夫灰屋紹益好みの茶室

 <遺芳庵(いほうあん)>
 鬼瓦席の奥に建つ、吉野太夫灰屋紹益好みの茶室


【高台寺の塔頭

 創建当時には、圓徳院・永興院・岡林院・月真院・玉雲院があり、この後、春光院・永昌院・昌純院の三塔頭が加わった

 <圓徳院
 高台寺の西に位置する
 木下家定の居館であり、ねねの警護のための武家屋敷であった
 ねねが晩年を過ごした所
 1632年(皇紀2292)寛永9年
 ねねの甥 木下利房(きのしたとしふさ)(長嘯子(ちょうしょうし)が、邸宅を自らの号をとって寺院に改めた

 <圓徳院庭園(国の名勝
 圓徳院内の北側にある庭園
 伏見城の北政所化粧御殿の前庭を移したもので桃山時代の気風の枯山水庭園

 <春光院
 1627年(皇紀2287)寛永4年
 ねねが大変可愛がっていた、ねねの兄 木下家定の長男 木下勝俊の娘の菩提を弔うために建立される

 <月真院
 ねねの従弟 久林玄昌が、亀井豊前守政矩の保護の下に建立する
 幕末維新では、勤王派の御陵衛士の屯所となった

 <永興院>
 ねね伏見城の化粧御殿を移築したもので、後に圓徳院の所管に移された

 <玉雲院>
 ねねの生母 朝日の康徳寺を移築し、建立改称したもの



【寺宝】

 障壁画・襖絵・絵画

 <絹本著色 十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)16幅(重要文化財)>
 中国 南宋時代のもの
 京都国立博物館に寄託されている
 1903年(皇紀2563)明治36年4月15日 重要文化財に指定される

 <絹本著色 豊臣秀吉像(とよとみひでよしぞう)1幅(重要文化財)>
 桃山時代の作
 1908年(皇紀2568)明治41年4月23日 重要文化財に指定される
 附指定:絹本著色高台院像 1幅(背景に萩が描かれている)
 附指定:紙本墨書高台院消息 1幅
 附指定:絹本著色小早川秀秋像 1幅(好古子の賛がある)

 工芸品

 <亀甲花菱文繡箔打掛(きっこうはなびしもんぬいはくうちかけ)1領(重要文化財)>
 銀摺箔に花菱文を配した亀甲繋文を、平刺しの技法を種にして全面に繡られている
 間には紫糸の刺繡で雲形が描かれている
 身丈120.0cm、裄60.0cm
 桃山時代の作
 京都国立博物館に寄託されている
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される

 <綴織鳥獣文陣羽織(つづれおりちょうじゅうもんじんばおり)1領(重要文化財)>
 桃山時代のもの
 身丈 三尺二寸八分、身幅 一尺九寸六分
 京都国立博物館に寄託されている
 1953年(皇紀2613)昭和28年11月14日 重要文化財に指定される

 <梵鐘(ぼんしょう)1口(重要文化財)>
 三条釜座の代表的鋳工 国久の作
 桃山時代の特色がある
 1606年(皇紀2266)慶長11年
 慶長十一年十月藤原対馬守国久の鋳出銘がある
 1978年(皇紀2638)昭和53年6月15日 重要文化財に指定される

 <蒔絵調度類(まきえちょうどるい)32点(重要文化財)>
 桃山時代のもの
  ・西王母蒔絵椅子 1基
  ・芦辺桐蒔絵懸盤 3基
  ・芦辺桐蒔絵椀 14口
  ・芦辺桐蒔絵飯器(杓子付)1合
  ・楓桐菊蒔絵薬味壺 1箇
  ・菊桐蒔絵提子 1口
  ・桐蒔絵湯桶 1口
  ・秋草蒔絵天目台 1基
  ・菊桐蒔絵提灯 1張
  ・菊蔦蒔絵椅子 1基
  ・秋草蒔絵歌書箪笥 1基
  ・秋草蒔絵手文庫 1合
  ・獏蒔絵枕 1箇
  ・桐菊蒔絵刀掛 1基
  ・桜蒔絵手拭掛 1基
  ・松菊桐蒔絵懸盤 1基
  ・桐蒔絵棚 1基
 1907年(皇紀2567)明治40年5月27日 重要文化財に指定される

 <小袖裂打敷(こそでぎれうちしき)12枚(重要文化財)>
 打敷(うちしき)とは、仏殿で灯明や香炉を置く前机に掛けて使う荘厳具
 縦117.0~181.0cm 横113.0~182.0cm
 桃山時代から 江戸時代初期のもの
 色とりどりの浮糸で文様を織り出した唐織(からおり)・金襴・刺繡・金箔で文様を表す摺箔(すりはく)の裂地がみられる
 裏地にねねとその近親者などが寄進したという墨書があるものがある
 小袖など衣服を打敷に仕立て替えたもので、衣服の姿に復元することができる
 衣服として完形で伝わる同時代の染織品は少ないが、これらは打敷に仕立て替えて寄進されたことによって、現在まで残された
 高位の人物が着用した唐織や、桃山から江戸時代初期の小袖の意匠や染織技法の特色が残されている
  ・萌葱地立涌桐文様唐織打敷 1枚(裏地に「高臺院殿寄附」「慶長十二」等の墨書がある)
  ・紅白段替山道菊桐枝垂桜文様唐織打敷 1枚
  ・萌葱地菊桐松竹鶴亀甲文様唐織打敷 1枚
  ・紅地襷桐雪持柳楓筏文様唐織打敷 1枚
  ・萌葱地三ツ盛菊桐文様唐織打敷 1枚
  ・萌葱地枝菊花菱雪輪文様唐織打敷 1枚
  ・白地縄目襷桜文様等唐織縫合打敷 1枚
  ・紅地薔薇雪持柳文様等唐織縫合打敷 1枚
  ・紅地梅唐草窠文金襴打敷 1枚(裏地に「高臺院殿御寄附之中也」等の墨書がある)
  ・紺地網菊花丸文散金襴打敷 1枚
  ・紅白浅葱段替桜樹文様刺繡打敷 1枚(裏地に「慶長七年四月八日月峯清玉」等の墨書がある)
  ・浅葱地丸文散摺箔打敷 1枚(裏地に「無人紹有禅定門月忌之辰後室附寄焉」「寛永第八」等の墨書がある)
 2025年(皇紀2685)令和7年 重要文化財に指定される

 <刺繡 聖母子像花鳥文様壁掛(ししゅうせいぼしぞうかちょうもんよう) 1枚(重要文化財)>
 絹地に、聖母子像と孔雀や牡丹などの花鳥文様を刺繡した壁掛
 縦144.0cm X 横231.0cm
 中国 明時代、輸出用として中国の広州で刺繡されたもの
 10枚の裂(きれ)を上下2段に継いで仕立てている
 欧州と中国の両方の図様や技法にみられる
 キリスト教の図像とともに表される花鳥文は、中国の吉祥的な動植物とされる
 2025年(皇紀2685)令和7年 重要文化財に指定される

 古文書

 <紙本墨書豊臣秀吉消息(とよとみひでよししょうそく)1幅(重要文化財)>
 1590年(皇紀2250)天正18年4月13日
 豊臣秀吉の自筆
 1904年(皇紀2564)明治37年2月18日 重要文化財に指定される

 <紙本墨書豊臣秀吉消息(とよとみひでよししょうそく)1幅(重要文化財)>
 1593年(皇紀2253)文禄2年8月9日
 豊臣秀吉の自筆
 1904年(皇紀2564)明治37年2月18日 重要文化財に指定される

【祭事】

 <大般若祈祷会> 1月1日
 <涅槃展> 1月28日〜2月28日
 <七夕会> 7月5日・6日
 <百鬼夜行展> 7月11日〜8月31日
 <盂蘭盆大施餓鬼会> 8月10日
 <大般若飾り> 12月15日〜1月15日
 <除夜の鐘> 12月31日

【その他】

 <掌美術館
 ねねの道を挟んだ向かいにある
 豊臣秀吉ねねの肖像画の他、蒔絵の調度品など桃山時代の美術品が多数保存、展示されている

 <台所坂>
 高台寺前の緩やかな石段

 <ねねの道
 高台寺の西側から円山公園へ続く石畳の道
 台所坂の前を南北に走る

 <石塀小路
 八坂神社の西楼門を出て下河原通を南に下がり、ねねの道の高台寺下へと続く石畳の小さな路地


 <落語「幽霊飴」
 幽霊子育飴の伝説に基づく演目
 夜な夜な、六道珍皇寺の飴屋に飴を買いに女性が来ていた
 7日目の夜、お金がないが飴が欲しいといわれ、飴をあげて後をついて行ってみると、高台寺の墓地で姿を消した


 <(過去)東山花灯路
 東山山麓の、北は青蓮院から知恩院円山公園八坂神社を通って南は清水寺までの散策路約4.6kmに
露地行灯が約2,400基設置されていた
 高台寺では、夜間特別拝観が行われ、方丈前庭「波心庭」では、「桃山の四季」をテーマにあでやかな映像投影と
ライトアップが行われていた
 竹林、臥龍池「水鏡」もライトアップされていた



【高台寺へのアクセス】

 市バス 東山安井 徒歩約5分
 京阪電車 四条駅 徒歩約20分
 阪急電車 河原町駅 徒歩約20分

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【京都検定 第1回3級】

82.下河原通から高台寺下へ続いている京情緒漂う石畳の道は何小路か?

【京都検定 第2回3級】

【京都検定 第4回3級】

【京都検定 第7回3級】

【京都検定 第8回3級】

【京都検定 第9回3級】

【京都検定 第10回3級】

【京都検定 第12回3級】

【京都検定 第13回3級】

【京都検定 第16回3級】

【京都検定 第19回3級】

【京都検定 第23回3級】

【京都検定 第1回2級】

【京都検定 第2回2級】

【京都検定 第3回2級】

【京都検定 第6回2級】

【京都検定 第5回2級】

【京都検定 第7回2級】

【京都検定 第8回2級】

【京都検定 第9回2級】

【京都検定 第12回2級】

【京都検定 第13回1級】

【京都検定 第19回1級】

【京都検定 第23回1級】

【京都検定 第25回1級】

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